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表現力と芸術性

フィギュアスケートはスポーツでありながら、表現力が求められる種目です。
明確な順位付け、点数化は困難で、幾度もその判定は論議される(結果とは既に別のところで)ものでした。

フィギュアに限らず評価軸として表現力=芸術性かと思うのですが、表現力と芸術性って似て非なるものだと感じています。表現力があるからといって芸術的である、と言えるわけではない。ベクトルがちょっと違うのか。。しかもそれぞれ定義が難しい…。
敢えて言うなら表現力は演技力に近いのかなと。
芸術性は言語化が難しいです。とはいえ、これができないと、じゃあ、表現力と芸術性の違いはどう説明するの?ってことになりますが。
表現力は敢えてアピールするちから、芸術性は漂うもの…かなぁ。はっとさせられるちからというか…。何がっていう肝心なところが説明できていませんが。表現力は鍛えることができるけれども、芸術性はどこで開花するかわからない。生来のものもあるし、経験等による後天的なものもあると思われます。

女子でいうと、メドベージェワとか、キムヨナあたりは表現力がある選手だったなと思い起こされます。
男子はキャンデロロとかプルシェンコかな。エンターテイメント性が強い方たちですね。

芸術性に富んでいるなぁと思うのは、浅田さんや、やっぱりイリヤクーリックかな。彼らは言葉で表しづらい何かがある。

今だとワリエワは表現力が強いタイプだと思っています。芸術的なのはむしろアカチエワかも。

だから、イリヤクーリックはプロのショーの世界に行かない方がいいのではと思ってました。彼は当時それほど「表現力」があるタイプにはみえなかったから。ジャッジのプレゼンテーションの評価は当代一でしたけれども。。キツくてもアマチュアの世界の方が評価されるのだと思ってたんです。
でも、その後をみると、単に抑圧されていただけなのかもしれないですね。すっかり表現力で魅せる人になってしまったので。

表現力と芸術性は別物、というより表現力を身につけて行くことで、高貴な芸術性が薄まってしまうのではないかと考えるみたいです、私は。
表現力は俗っぽいものっていう偏見があるのかも。
だって本当に美しかったから、芸術性で戦っていた現役時代の孤高のイリヤクーリックが。

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