性格上の欠点と役に立たなくなった信念

大阪に行ってきた

先日、バック・トゥ・ベーシックスのワークショップに参加するために、大阪に行ってきました。東京からならば新幹線で往復するのが最も合理的なんでしょうが、今回は(今回も)飛行機で往復しました。新幹線で東京・大阪間を移動すると27,000円ほどかかりますが、飛行機で格安のチケットを探せば1万円ぐらい安くなるからです。というわけで、行きは羽田→伊丹、帰りは関空→成田というちぐはぐなルートになりました。

朝6時頃に羽田空港に着いたものの、搭乗までまだ1時間近くありました。朝食を食べようと思ったのですが、空港にあるお店はどれもちょっと高めの「空港価格」になっています。なるべく安く済ませたいと思った僕は、第一ターミナル(T1)の三階の端っこに吉野家があるのを思い出しました。以前、仕事で福岡と往復していたとき、スターフライヤーに搭乗する前によく利用していました。早朝から営業していて便利でした。

今回はANA利用なので、第二ターミナル(T2)にいたのですが、無料の連絡バスを使えば数分でT1へ移動できます。タイミング良く連絡バスに乗れたおかげで、10分後にはT1の南ウィングの三階にいました。しかし、そこで僕が見たのは、営業開始は8時からという看板でした。・・・新型コロナの影響で客が少ないので、営業時間を短縮した、ということでしょう。

くそぅ! まあ仕方ないと諦めて、T2に戻って空弁を買うことにしました。戻るのにも連絡バスを使えば数分・・・と思って来たバスに乗り込んだら、なぜかバスは第三ターミナルへ行ってしまうではありませんか。しかもそこで10分待機だというではありませんか。やっと発車して、次はT2に向かってくれるかと思いきや、なぜかT1へ戻り、それからようやくT2に向かってくれました。T2の出発フロアに着いたときには、すでに搭乗〆切の10分前でした。慌ててセキュリティチェックを抜けて、トイレに寄ってから搭乗口に向かったら、最後の搭乗者になってしまいました。空弁を買うどころか、危うくアナウンスで呼び出されちゃうところでした。

結局、朝食は伊丹空港で摂ることになりましたが、かき揚げうどん930円は高かった・・・吉野家に比べるとね。

役に立たなくなった「信念」

「早朝に羽田に着いたときは、第一ターミナルの吉野家で朝食を食べれば安く済ませられる」
「第一ターミナルと第二ターミナルの直通連絡バスは頻繁に運航している」

この二つは、僕が今回ドジを踏む原因になった信念(belief)です。これらは新型コロナが発生する前に、僕が羽田空港で身に付けた信念です。この信念とは、「こういう時はこう考えて行動するとうまくいく」とか「ここはこうなっているはず」という考えです。

最初にこの信念を仕入れたときには、僕はちょっとしたコストを負担しました(例えばターミナルマップを見るとか、人に尋ねるとか、ネットで検索するとか)。そして、その情報に基づいて行動し、安い朝食にありつけるとか、ターミナル間を手軽に移動できるという成功体験を積みました。それによって、その情報を、僕は信念として取り入れたわけです。

もし、新型コロナという環境変化が起こらなければ、それらの信念は今回も通用したことでしょう。しかし、僕を取り囲む環境が変化したために、僕のそれらの信念が通用しなくなってしまいました。そこで僕がするべきことは、役に立たなくなった信念を捨て、新しく役に立つ信念を身に付けることです。おそらく、早朝に羽田に着くときは、どこかのコンビニで軽食を買って持ち込むことにするのでしょう。

性格上の欠点

性格上の欠点の正体は、実はこの「役に立たなくなった信念」です。今回は対象が吉野家や連絡バスでしたが、私たちは自分を取り囲む人間関係についても、多くの信念を身に付けています。私たちは結構苦労しながら(つまりコストを負担して)人間関係に関する信念を身に付けます。

しかし、私たちを取り囲む環境(その中には人間関係も含まれます)は刻々と変化していきます。結果として、苦労して身に付けた信念(こうやればうまくいくという考え)も、いつか役に立たなくなります。

そうやって役に立たなくなった信念に基づいて行動すると、人間関係のトラブルが起きてしまいます。すると相手に対する恨みや恐れを引き起こされます。棚卸しでは、利己的だとか不正直などの欠点を探すことになっていますが、実はそうした欠点は、役に立たなくなった信念を探し出すためのラベルに過ぎません。

自分が人間関係についてどんな信念を持っているかは、けっこう分かりづらいです。自分の恨みや恐れの元にあるのが、人間関係の信念ではなく、社会についての信念だったり、自分の人生についての信念だったりすることもあります。でも、なんとかして役に立たない信念を見つけ出さないと、同じミスが繰り返されることになります。

環境はどんどん変化していってしまいますし、自分も変わってしまいます(年を取りたくなくても取ってしまう)。いつも苦労しながら、役に立たなくなった信念を見つけて片付け、新しい役に立つ信念を仕入れ続けていかなければなりません。それが人生を生きるということですから。

そうやって信念を捨てたり、新しく仕入れたりすることで、私たちは人間関係や社会をより深く理解するようになっていきます。

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