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高山にキーボードを求める

 2022年1月3日、筆者は岐阜県高山市にいた。『白銀ラボ』というキーボード屋に行くため。

はじめに

 数年前から、仕事の都合で高山に不定期に行くようになった。"飛騨の小京都"と言われる高山は、京都ほど市街地が広くないので散策はしやすく、人の多い区域と時間はだいたい決まっていて、ホテルもそこまで高くない。レンタカーを借りれば温泉(奥飛騨温泉郷など)も行きやすいし、何と言っても飛騨牛がおいしいと、特に筆者には都合のいい場所になっていた。

突然

 それは先月、冬コミを迎える少し前のこと。たまたまTwitterのタイムラインにこんなツイートが流れてきた。ちょうど仕事で高山にいたときである。

 自作キーボードに関する記事だった。筆者がTwitterでフォローしている人の中には、キーボード(PCのキーボードである)を自分で作ったりする人が何人かいて、部品やキットの価格を見るだけで『富裕層おたくの趣味……』みたいな感想を持っていた。いやいや、そのキット買うおカネで完成品買えるやろみたいな。しかもハンダ付け必須とか面倒極まりない(最近は不要のものもあるらしい)という感じで、自分には無縁だと思っていた。しかしこの記事によると、なんと自分で店を高山に開くという。高山にキーボード専門店!それも自作の!勇気ありすぎるな……という感想が真っ先に来た。
 高山は名古屋からなら2時間もあれば行けるが、他地域、例えばそういうおたくが多そうな東京方面からだと、ルートは限られる上にどう行っても片道4時間以上は軽くかかる。東京から大阪・京都に行くより時間がかかるわけで、要するに観光地でありながらアクセスが厳しいのだ。また、自分が知る限り高山にこういったハードウェアおたく向けなジャンルの店はない。いいとこ家電量販店しかない観光地に、こういう店を開くんだから相当覚悟が決まってるに違いないと思った。早く仕事が終わった筆者は、帰る前にオープン予定の店の場所を確認しに行くこととした。

幸い、土地勘はあったのですぐに分かった。近くには商店街もあり、少し歩けば観光客が最も集まる『古い町並』のエリアにも近いところ。オープンは1/3という話で、年明けに行こうと決めた。

訪問

 年明けの1月3日、朝から特急ひだに揺られていた。

本当は安い高速バス(名古屋から3,100円)に乗りたかったが、年明けからいきなり混雑していたので避けた。特にトラブルもなく高山に到着、思った通り雪が多く、軽アイゼンみたいなすべり止めがないのを後悔した。

 メシを食おうかどうしようか……とさまよっていた内にそのお店、『白銀ラボ』の開店時間になったので、意を決して入ってみた。こういった自作キーボードの店は、秋葉原にも『遊舎工房』という有名どころがあるが、筆者は行った事がない。高山で最初にこういう店に入るとは思ってなかった。
 白銀ラボの店内はコンパクトだが、いくつかのトラックボール付キーボードからキースイッチ、キャップ、ケーブル類まであって展示も綺麗な印象。作業スペースもあり、工具類も一通りそろっている。店主は元々地元の方ということで、なぜ高山に店を出したかの疑問がおおむね解決した。

 このツイートで店名を間違えるという致命的なミスをした。大変な失礼を働いてしまい、ここでお詫び申し上げます。

 筆者がこのお店最初の客になったようで、他に人が来るまであれこれと店主の方に質問をしたが、丁寧に答えていただき理解が深まった。キー配置のリマップがWebでも出来ることを初めて知ったし、実際に目の前でやってもらった時は普通に感動した。便利すぎる……
 展示のあったキーボードは左右が分離されたものだけで、普通のキーボードに慣れた筆者にはなかなか特異に見えた。ただ中には片方だけで買えるキットもあり、さらにキーのリマップでショートカットキーも割り当てができると聞いた筆者は、片手分だけ買って左手キーボード的に使ってみたら便利じゃね?と思いついた。

とはいえ、年末年始の開店直後もあってかキットの在庫はなく、とりあえず他に必要なものを聞いて、すぐに買えるスイッチ類を先に買った。写真にはないがPromicroのType-C版も買った。

 支払はカードも使えたのでカードにしたが、決済端末ではなくAndroidタブレットに入ったShopifyアプリにカード番号を手入力するタイプで、なかなか大変だった。このあたりはちょっと改善が必要と思うが、ちょうど冬コミでSquare リーダーが大活躍した体験のある筆者は『こんなものがありまして……』と金ももらってないのにSquareをプッシュした。別になんでもいいので端末があると体験がまるで違う。

 完全に衝動的購入をしてしまったが、この後はメシを食い、少し離れた神社に初詣へ行って帰った。高山の滞在時間は4時間半という一日だった。

お店の情報

住所: 506-0013 岐阜県高山市有楽町45
営業時間: 12:00~17:00(日のみ9:00~15:00)
定休日: 火・水・木
決済手段:現金、クレジットカード

駅から近く、道も単純


さいごに

 さらに追加出費が発生した。早くキーボードを完成させたい。

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