1人ジェンガまたは動く城

私は思春期の終盤に晒されたある発達上の危機からいまだに抜け出せていないため、長い期間を費やしてその生きづらさと格闘している。

いわば思春期へのカウンターとしての、他者評価に晒される側面を担当する自己像を一からデザインしようという決死の取り組みは、己を可能な限り自然物から人工物へ再構築しようとする決意の上に立つ、悲壮な嘆きと暗い怒りに支えられた活動である。言い換えれば、あるがままの自分であることを否定した地点から出発した自己否定の営みであると言える。

確かな屋台骨を欠いたまま(また、その設置を拒んだまま)構築される後付けの外殻には凍らせた涙と滾らせた怒りとが重ね塗られ、一見無限に増大する余地を思わせるほどに堅牢かつ豪華な装いであるが、その実態は、一本のピンである箇所に触れるだけで大規模に崩落するほどに、淡く脆い結合によってのみ繋ぎ止められた瓦礫の城である。

その天守に住む主人は果たして誰の顔をしており、誰に目を向け、誰の言葉に耳を傾けるのだろう。私はそれが知りたいし、その先にあるはずの問いである、私はその主といかなる関係を築くべきか、への回答を携えなければ、この長い戦いの妥結は望めないように思うのだ。

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