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アイスリボン後楽園ホール大会『春は短し戦え乙女』の感想

久しぶりにPPV中継にて観戦したので、各試合の感想を書いておこうと思います。

尚、詳しい試合レポートはバトルニュースさんを参照して下さい。


第1試合 星ハム子&バニー及川&Yappy vs ラム会長&テクラ&石川奈青

安納サオリの欠場により、8人タッグから6人タッグに変更された第1試合。人数が減った事で、結果的に1人1人の見せ場が増えて良かったんじゃないですかね。即席タッグにしては良い連携も見れたし、なかなか見応えのある第1試合でした。

個人的ハイライトは、ハム子のセクシーポーズに対抗していた、ラム会長でしょうか。笑

最近のアイスリボンで流行ってる見たいですけど、お馴染みの光景になっていくのかな…?

さて、試合の方はテクラがハム子を丸めて勝利。好調ぶりを見せ付けました。


第2試合 星いぶき vs 青野未来 vs トトロさつき

こちらも安納サオリの欠場によって、急遽組まれた同期による3WAY。いぶきの誕生日マッチという事で、これはこれでメモリアルな試合になった気もします。

個人的注目点としては、いぶきの新コスチューム。

子供っぽい印象があった旧コスから、一気に垢抜けた印象を受けたし、舞台衣装っぽい装飾はアク〇レスガールズっぽいな~なんて事を思ったり。

試合の方も、いぶきが勝利し、幸先の良い18歳の船出となりました。


第3試合 世羅りさ vs 山下りな vs 宮城もち vs 藤田あかね

試合前から世羅や山下が煽ってたんで、何が起こるのか楽しみにしていた、この試合。

序盤はコミカルな入りも、試合は徐々にヒートアップ。更には4人がバッドやパイプ椅子を持ち出したので、「ハードコアやんの!?」と思ったのですが、まさかの野球をやり出すというクソ茶番www

前日の煽りツイートは、これの振りだったんですね…。ちょっと前の自分だったら、「ちゃんと試合せぇ!」と怒ってかもしれませんが、この試合はまだ3試合目。こんな序盤から荒れた試合をするわけにもいかないので、まぁこれはこれで笑えたら良しとしましょう。

とはいえ、この4人のハードコア4WAY、見たかったな…。


第4試合 松屋うの vs 本間多恵 vs チェリー

ジョイアミ3人によるトライアングルリボン選手権となった、この試合。トライアングルという状況においても、ジョイアミらしい…いや、ジョイアミにしか出来ない関節技の応酬が見れて面白かったですね。

2人同時で1人に関節を決めたり、逆に1人で2人まとめて関節を決めたりと、今までに見た事のない光景が見れたし、関節技の新しい可能性を感じる事が出来ました。

ジョイアミは関節技を極める事が目標なんでしょうけど、それだけじゃなく、関節技の面白さや楽しさを広めていく事も、このユニットには期待したいところです。

試合の方ですが、PPV中継では決着の直前で、まさかの機材トラブルが起こり最後が見れませんでした!(泣)

まぁ、試合後の記事等を読むと、松屋うのが勝利ということで、ジョイアミのリーダーとしての威厳を見せる事が出来たという事なのでしょう。更には、試合後にはテクラが襲撃→次期トライアングル挑戦決定との事。テクラのトリックスターぶりには感心しますし、松屋うのへの精神攻撃も楽しみにしたいところです。笑


第5試合 竹田誠志 vs 鈴季すず

鈴季すずのハードコア7番勝負、第3戦の相手は竹田誠志。この人と当たるという事は…と心配していたら、案の定、流血試合…デスマッチ化しちゃいましたね。

すずの初流血は、やっぱりショッキングでしたけど、改めて映像を見直すと、逆に笑えてくるというか。ここまで一方的にボコボコにされると、もう笑うしかないという感じ。これがデスマッチの洗礼なのでしょうか。

そういえば、以前に見た、山下りなの初流血戦を思い出したりもしましたよ。

試合後のすずのコメントにもありますが、やはり出血する事によって、血圧が下がり、意識が朦朧となってしまう…それ故に防戦一方になってしまった部分もあったのかなと。あの山下ですら、初流血戦はボコボコにされてるわけですから、竹田誠志相手にシングルで13分もよく受け続けたと思いますよ。

すずもよく闘ったし、竹田誠志もプロとして、きっちりと仕事をこなして、両者共に「リスペークト!」って感じなんですが、世の中には試合も見てないのに文句を言う人もいるみたいでね…。まぁ、すずへの批判に対しては、別記事にしたので、興味があれば読んで下さい。

あと、面白かったのは7番勝負の次回の対戦相手、葛西純が発表された瞬間。私としては「うわ~葛西純かよ…」って感じだったんですが、中継の解説に入っていた山下りなが「羨ましい~!」と言っていたんですよ。

そうか、デスマッチの世界では竹田誠志とシングルやるのも、葛西純とシングルするのも当たり前じゃない。すっごく価値のある事だったのかと、今更ながら気付かされました。(アイスで言えば、他団体の新人がいきなり藤本や雪妃とシングルする様なもの?)

そう考えると、すずはハードコアのレスラーとして、山下が羨ましがる程の英才教育を受けているのだなと。十代から、そんな経験を積んでる女子レスラーはおそらく歴史上いなかったと思うし、将来的に一体どんなレスラーになるのか…夢は膨らみますね。


第6試合 雪妃真矢&尾﨑妹加 vs 松本浩代&柊くるみ

王者・雪妹タッグ5度目の防衛戦にして、最大の試練となった、この試合。序盤は両者互角の印象も、中盤辺りで雪妃がくるみの左膝を破壊。くるみの機動力を封じた事で、雪妹タッグが試合を優位に進めていた印象を受けました。

ところが、最後の最後のマッチアップで、くるみの馬鹿力が炸裂。人でなしドライバーからの、ぶっこ抜きジャーマンスープレックスホールドという強引過ぎる力技でベルト奪取に成功しました。

松本浩代と柊くるみによる、超・破壊タッグ。この2人が恐ろしいのは、相手の肉体だけでなく、ゲームプランをも破壊してしまう事でしょう。相手がどんなに細かい戦術を考えても、一撃で全てを引っ繰り返してしまうところに、このタッグの魅力があるのかもしれません。

これからチームワークも良くなっていくだろうし、2人の関係を見てると、つっかとつくしみたいな関係になりそうな気もして、今後が楽しみなタッグですよね。対戦相手も、やっぱりパワー相手にテクニックのジョイアミ戦は見てみたいし、ドロップキッカーズやベストフレンズとの対戦もメチャクチャ見たいな~と思いました。

一方、負けた雪妹タッグ。決して悪いタッグではないんですが、王者として今後も見たいと思える程の魅力があったかと言うと、微妙なところで…。妹加の再三に渡るベルト挑戦から始まり、ジョイアミとの抗争、そして、松屋うのを覚醒させたところで、このタッグの役目は一旦終わったのかなと。

ただ、試合後に妹加が泣いていたのが印象的で、悔し泣きが出来るという事はまだ成長出来るという事だと思うし、松本浩代も妹加に言及してたので、妹加とリボンタッグの物語はまだまだ続くのかもしれません。


第7試合 藤本つかさ vs 春輝つくし

アイスリボンを象徴する2人であり、お互いを知り尽くした2人の攻防は、やはりハイレベル。ゲストで来場していた、豊田真奈美のムーブを繰り出すなど、ICEx∞選手権試合に相応しい見応えのある試合となりました。

つくしにも惜しいシーンはあったし、不発に終わったジャパニーズ・オーシャン・スープレックスが決まっていたら、また違った結果になったのかもしれません。ただ、冷静に振り返ると、藤本には相手を挑発する余裕もあり、つくしの本気を引き出した上でジャパニーズ・オーシャン・サイクロン・スープレックス・ホールドを決めたわけですから、王者らしい横綱相撲だったと言えるでしょう。

試合後のコメントでは、つくしの敗因について、藤本はこう語っています。

お客さんが期待をしているのは分かるんですけど、まだっていうか、『まだ、まだ』って、一番期待する瞬間っていうのがまだ来てないんじゃないですかね。

これを私なりに解釈すると、“自己プロデュース能力”って事だと思うんですよ。例えば、藤本は今回の試合を凱旋興行後の、新たなモチベーションを得る為の試合と位置づけ、来年も凱旋興行をする為にベルトが欲しいという目標を提示していました。

それに比べると、つくしの方は「自立しました」「成長しました」というだけで、ベルトに挑戦する理由がイマイチ伝わらない。その試合が持つ意味を消化し、未来のビジョンを見せるという能力に関しては、まだまだ藤本に分があるのかなと。今後はピースパのプロデューサーとして、そうした部分の成長も期待したいですね。

一方、藤本の方は、アイス所属の有力選手との防衛を一通り終え、長期政権が視野に入ってきました。これからは他団体orフリーの選手との防衛戦もありそうですし、8月の横浜武道館に向けて、誰を指名するのか気になるところです。


最後に。
プロレスって、基本的には個人スポーツだし、自分以外は敵だし、常に相手と対立して、闘いを見せなくちゃいけない。でも、そういう世界だからこそ、そこで育まれた友情や絆は尊いなと最近、思うんですよね。

そういう意味では、藤本とつくしの師弟愛というか、姉妹愛は本当に美しかった。

指切りなんて、久しぶりに見ましたよ。笑
豊田真奈美から、藤本つかさ、春輝つくしと流れる歴史・系譜にもロマンがあるし、これもまた女子プロレスの魅力だなと、しみじみ思いました。

こんな光景がまた見れる事を願っています。

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