見出し画像

進化する医療、停滞する医療

医療の進化は本当にすごい。
3年半ほど入退院 / 通院を繰り返していると、本当に医療の発展は日進月歩で進化していることを実感する。

一昨年の秋、酷い口内炎(口内乾燥)に悩まされた時も、「ついこの間から保険適用になった○○を使ってみましょう」と新商品を探してくれたり、抗がん剤治療中には効果的な吐き気止めが次々と控えていて、「あ、これが効かないならこっちにしてみましょう」と言われたりした。

入院生活でも、しばらく間をおいて再入院すると、それまで点滴のルートをしたままシャワーを浴びるためには看護師さんがビニール袋をハサミで切ってシート上にして、それを点滴の部分に巻いてテープをさらに巻いて……とやっていたのが、専用のやわらかい接着シートみたいなのを貼るだけになっていたり、病室に連絡用のホワイトボードが設置されたり……と、細かいところまで本当に患者に気を配ってくださっているのが伝わってくる。

画像1

そんな中で、「全然進歩してないなぁ……」と思うことも。

これホント不便。とにかくめんどくさい。何で毎回こんなことしなくちゃいけないの?と呟いたら、数多くの方々から

……と、沢山の方々に教えていただいた。
その中で一番気になったのは、

なるほど、国民生活センターも取り組んでの施策ならしょうがないか、と思って、リンク先のテキストを読んでみる。

薬を包装ごと飲みこんでしまい、喉や食道などを傷つけたという事故が危害情報システムに86件寄せられている。

なるほど、これは深刻だ。

薬の包装は、プラスチックにアルミなどを貼り付けたPTP包装シートと呼ばれるものが主流である。1996年以前のPTP包装は、縦横にそれぞれミシン目が入って、1錠ずつ切り離せる構造だったが、錠剤と一緒にPTP包装を誤飲してしまう事故が頻発したため、1錠ずつに切り離せないようにミシン目を一方向のみとし、誤飲の注意表示を増やすなどの対策がとられた。

それじゃあ、この不便も我慢するしかないか……。

しかし、その後も依然として誤飲事故は後を絶たない。

ええっ? そうなの!?

「問題点」の項目には

薬を1錠ずつに切り離せない構造が主流となっているが、携帯時などに消費者がハサミで1錠分に切り離してしまい、これが誤飲しやすいサイズであるため、事故につながる。

「消費者へのアドバイス」の項目には

PTP包装には誤飲防止のために横か縦の一方向にのみミシン目が入っているので、1錠ずつに切らない
1回分ずつの薬を袋にまとめて入れる「一包化」を活用する

10錠のシートをもらっても、1日必ず3回飲むものもあれば、1日必ず2回のものもある、その時の体調で自己調整するものもあるんだよ。
毎日その日の分の薬を PTP 包装シートから取り出してピルケースにそのまま入れておくのも不衛生だ。

そもそも、薬局で「7錠」とか処方されると、結局、薬剤師さんがカットしてるんだよね。
個数が多い時は「10錠シート2枚」+「3錠」+5錠」みたいな寄せ集めになることもある。
消費者にわたる前の時点で「切り離すな」というミッションは達成されてないんだよ。

薬を処方してもらった人が、1回分をまとめるためにハサミで切り離すことを止めることはできない。
だって、どこまで飲んだかわからなくなるし、とにもかくにもめんどくさいんだもの。

これはもう「一定の年齢に達したら、原則として一包化で処方する」みたいなルールを設けてしまったほうがいいのでは?
……と思いながら、今日もまた、この作業を繰り返しているのである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?