奥信濃への道 第14走:たどり着いたらいつも雨降り
なんてことは無し。そう言い聞かせてテーピングの如く締め上げたサポートラインが誇らしげなタイツに足を通す。10年物のサポートタイツCW-Xではあるがその機能は衰えていない。
隅田川へ延びる道筋には花見客が散策し、空を眺めながら歩いていく様は予期しない動きを見せる。その脇を華麗なステップとは似つかわしくない鈍重な足取りで膝をかばいながら走り抜ける。もちろん距離は取ってだ。
川沿いはやはり気持ちいい。川の都、東京を走って思い出すはオーストラリアのパースでの話だが”水が見える所の地価は高い”と、いつか行った際に聞いたガイドの言葉を思い出す。水資源が慢性的に枯渇しているオーストラリア、海洋沿いや河川沿いは風光明媚で人気があるらしく、たとえ大都市圏ではなくても人気に比例して地価が高いという話だ。
今ならそんな気持ちも理解できる。川や湖、海などは表情を変えいつもの暮らしに変化をもたらしてくれる。故に私もランニングの際には川沿いを選びがちだ。もちろん走りやすいからではあるが。
この週末、日曜日は雨に見舞われた。走りに行きたい気持ちと裏腹にシャワーライドはとてもじゃないがこの時期にはハードコア、私にとっては。致し方ない大事をとって整形外科に行き、当然ながら「安静、もしくはしっかり固定をしなさい」という至極まっとうな時間薬的な助言を貰い、サポーターと薬を手に入れた。
いつぞや聞いた話だが「自転車は骨で走っても問題はないが、ランニングは筋肉で走らなければすぐに体が悲鳴を上げる」そんな言葉を思いだしながら、膝にボルタレンを塗り込む日々は続いていく。
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