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奥信濃への道 第16走:あそこが猿投

「まぁまぁですね。頑張ります。」
メンバー内でマツダは一番の経験者であるが、グループLINEのTL画面に表示されているルート図と獲得標高の数字を見てそう返してきた。17km 1037mUPと言うスペックは”まぁまぁ”らしい。
早朝7時に麓の駐車場に集合した面々は総じて明るい顔だ。というのも3名全員揃うのも、年末の当事案が言語化したその瞬間以来なので、実に4か月振りにようやく脚合わせである。それまで各自、鍛錬に勤しんでいたと思われるが私とマツダは膝に、コバヤシは脱臼をした肩に不安を抱えているという、体たらく満身創痍状態。やむなく私は個人的には嫌いだが背に腹は返れないのでサポートタイツを着用して走り出す。見た目よりも保全だ。

今回のお題は猿投山。麓の猿投神社から山を越えて雲興寺までを往復する17km約1000mUP、奥信濃の本番が50km2000mUPなので獲得標高は約半分、距離は半分以下だが、肝は登りと下りなので練習には十分であろう。
走り出す場所は猿投神社という事もあり雰囲気は良い。この猿投山、山岳信仰深く南斜面には西宮と東宮があり見どころも多い、また登山道は東海自然歩道として整備され、愛知の高尾山的ポジションだけにトレイルランナーと登山客も非常に多く明るい雰囲気の山。
今回は往復の道で迂回できるところは迂回し出来るだけ同じ道を走らずに済むように進む、同じ道は面白くない。また片道7~8kmで500mを登るというのは「まぁまぁ」である。

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一番の醍醐味は山頂付近の稜線を繋ぐ部分、ひたすらに気持ちの良い区間、出来る事であればずっとこの場所を走っていたい。それ以外は高低差故に階段が多く脚が削られてゆく。脹脛よりも大殿筋(所謂お尻の筋肉)からハムにかけて乳酸の溜まり方がすごい、それはもう無慈悲に重力ひいては自然の厳しさを感じる。「山とはこういうものだ」と思い出させるには十分だ。
もう少し効率の良い脚運び、走り方を習得しないと長距離は厳しいという課題も見えてきた。しかし私もマツダも膝に不安がある状態ではあるが、走るしかない。それでもこの山を主戦場としているランナーをすれ違うと各々結構なペースで走っているので、仕上がりと慣れの問題なのであろう。

特に大きなトラブルもなく全員で脚合わせも終了し18km1160mUP。自身としても俗にいうMy New GearであるALTRA LONE PEAK6の初履きが出来て非常に満足であった、それ以上に膝が持ってくれたことが何よりも収穫であった。

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トレイルは当たり前だがロードとは全くの別物である。足の位置をMTBのラインよろしくトレースしなければならない、さらに上半身と腕でバランスを取り安定して走ることが必須である。
余計な動きは全身に影響し、胃腸なども揺さぶられ補給にも影響をしていく。最悪はハンガーノックだ、目も当てられない。給水のタイミングなど自己体調マネジメントのノウハウも習得が必須だけに本番まであと2か月、やる事は山のようにある。

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まぁまぁですね。頑張ります。

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