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私が一番、砂と上手にダンスを踊る

「今日はみなさんに、ちょっと砂の上でダンスをしてもらいます」

そう言い残してオーガナイザーは高みの見物とテントの中に隠れていった。
残されたのは”シクロクロス”という辺鄙な自転車にまたがった危篤なサイクリストたちと、火薬を詰めたピストルを持ったスターター。
そして布団の埃を叩く引越しおばさんのように、コースフェンスを囲み叩くオーディエンス。

「なぜこんなところに並んでいるのだ、私は」

東京はお台場海浜公園、冬空の代名詞のようなスッキリとしない曇り空の下、眼前に広がるのは砂浜と海、そしてレインボーブリッジ。
あの橋を渡れば極楽浄土だ。
さぁ行かん5年ぶりの東京砂漠、お台場の砂とのShall we ダンス。

私が一番、砂と上手にダンスを踊れるんだ

時は戻れないから、傷ついても。
あの橋を渡るとき、全てが変わる。
just for you

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