故きを温ねて新しきを知る
ネオ
〘語素〙 (neo-) 他の外来語に付けて、「新しい」の意を添える語。
ネオと聞いて馴染みのある言葉としては「ネオクラシック・ネオジオン・ネオジオ」と言ったところか、個人的嗜好がバレバレなのはそっとしてください。
そんなNeo、Newとは違うのだよNewとは……、えぇい煩い。
Newは英語が語源でNeoはギリシャ語が語源。Newが単純に新しいものを表現し、一方Neoは昔からあるモノの再定義と言った意味合いと把握している。
その観点から行くと今回の主題であるネオスポルティーフの”スポルティーフ”は、フランス語の「スポーツの」の意だが、ギリシャ語語源のネオとフランス語が混ざって、もはや良く分からないが、名詞的にスポーツ車両の再定義と言った所だろう。そうしておこう。
DAVOS D-309NeoSportifはSG-308Sportifの後継機として登場。ランドナーとスポルティーフの違いと言えば、ランドナーはストレージ類をフル装備出来る拡張性を有し、ウルトラディスタンスにも対応出来る許容に対し、スポルティーフはハンドルバックとフレームバック程度の、ランドナーに比べ短いブルべ距離をランドナーより高い速度域でロードバイクより快適に走れるモデルと言う認識である。もちろんパスハンティングの様な旧道新道問わず峠越えも得意であろう。
一見すると中途半端だが、妙に痒い所の空白を埋める希有な存在であると。
太めのタイヤにフェンダーが取り付けられるダボ穴、遊び方いじり方はユーザー次第である。私自身36cのタイヤを履いて運用しているが、思っている以上に快適に走ってくれて、鈍感な私の足でも良さを感じる。
先日、わが心の最愛の魚である「鯖」を食べるために逗子まで走ってきたが、その快適性は筆下に尽くしがたい…いや、まぁ書くんですが、語彙力が足りない。なんていうんですかね、強いて平凡な表現だが、まぁ楽なんですよ。語彙力…。
それはガリガリに性能に振り切ったロードバイクは瞬間的には速いのですが、スポーツカーと4WDみたいな得意分野の違い。
えっ?4WDが快適じゃないだって?異論は認めます。
ともかく自分にとってのロングの入口は大体100km以上なので、今回120km走っても脚は全然残っていたので快適だったという実感はあります。
クロモリのD-604はもっと長い距離を少しだけ低い速度域で大量の荷物を積んで長期間旅するバイクには最高だけど、D-309は1~3日ぐらいの日数を少ない荷物で快走するには良いかなと。
もちろんその道ながらにグラベルよろしく悪路があっても、タイヤチョイスの幅で越えられるでしょうけど、決してグラベルを全開で駆け抜けるバイクではなく、走った先に存在する道をある程度許容する懐の深さを持った一台。グラベルにアプローチする道も快適に走りたい道なのだ。
ネオ……。古くからあるものを再定義するもの。
当時はクロモリチュービングにトラディショナルな佇まいであったであろうスポルティーフ。時は経ち、まさに古来から楽しまれてきた”パスハンティング”や”ツーリング”を現代の技術とトレンドで蘇えらせたモデルの頭に付ける語としては、接頭辞としての存在も含めて最適な言葉に間違いは無し。
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