りおん

とあるローカルラジオ局(コミュニティFM)で編成、制作、営業など雑多なお仕事をしていま…

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とあるローカルラジオ局(コミュニティFM)で編成、制作、営業など雑多なお仕事をしています。浮世離れした番組制作が好きですが、娯楽系から行政の防災・広報・教育番組まで基本何でもやります。記載する内容は個人の見解的なあれです。意識は低め。ニックネームは飼っていた猫の名前。

最近の記事

ラジオでやめた方が良い(かもしれない)ことのお話

 ラジオで「これはやめた方が良い(かもしれない)」というお話です。  先に予防線を張っておきますと、ラジオ番組は千差万別でして、これから挙げる内容に該当してもリスナーに支持されるものはあるかと思います。でも「私だったらNG」というものについてお話しします。 1.「大人数でしゃべる」  大人数でしゃべる番組はやめた方が良いです。アーティストやタレントのグループが全員出演する番組や座談会形式の番組などは別ですけど、一般的なパーソナリティが出演するような番組だと、3人以上だと

    • ラジオ番組のプレゼンテーションのお話

       今日は番組企画などのプレゼンテーションについてお話しします。  まず結論から言いますと、 1.プレゼン相手の要望を見極める 2.プレゼン内容の根拠を示す 3.要はどうなるの?  以上3点、プレゼンをする上でここだけは最低限押さえて欲しいな、というポイントです。この3点を見ただけで本稿の内容がほぼ想像できる方は大丈夫です。ここから先を読む必要はありませんので、お好きな作業にお戻りください。ラジオを聞くのがオススメです。  さて、本題に入る前に、なぜ今プレゼンなのか

      • メッセージやリクエストの採用・不採用のお話

         番組宛てのメッセージやリクエストはありがたいものです。  ラジオ番組の制作者や出演者は、みなさんの想像以上にリスナーさんからの反応を気にしています。もちろん、いただいたメッセージはなるべく紹介したいですし、リクエスト曲もオンエアしたいと考えているはずです。  ただ、全てに対応するわけにはいかず、どうしても取捨選択をせざるを得ません。  結果として、採用されなかった方が不満を抱いてしまうこともあると思うんですが、番組としては「採用しなかった理由」を言うことはほとんどあり

        • ラジオ番組の選曲のお話

           今日はラジオ番組の選曲のお話です。  想定としては、コミュニティFMでよくある音楽が多めのワイド番組に留まらず、通常の音楽番組でも活用できそうな選曲の方法についてお伝えします。  選曲のコツですが、まずお伝えしたいのは「軸」という考え方です。  例えば一回の放送で「10曲」オンエアする場合、いくつかの軸を使って10曲を選ぶ、というやり方をお勧めしています。まずは代表的な軸をいくつかご紹介します。 1.曲の速さ  曲の速さです。BPMのお話ですね。ラジオ番組の場合、

        ラジオでやめた方が良い(かもしれない)ことのお話

          コミュニティFMの採用のお話

           ラジオの仕事がしたい、という方とよく面談をします。  特にスタッフ募集をしていない間もプロフィールや履歴書を頻繁にいただくんですよね。  正直な話、プロフィールの持ち込みから採用に至るケースはあまりありません。変に気を持たせても良くないので、持ち込みを完全にシャットアウトしている局もいっぱいあると思うんですけど、私はラジオに関わりたい方に対して好感を持っているので、割と気軽にお会いします。特に放送エリア内の方とは必ずお会いするようにしていますね。書類ががよっぽどダメな場

          コミュニティFMの採用のお話

          選ばれるためにはおでん缶もいいんじゃないかというお話

           コミュニティFMには色々な番組がありますけど、意外と知られていないのが「特定アーティストの曲だけをオンエアする音楽番組」が結構多い、ということです。  例えば番組内でオンエアする曲が「ビートルズだけ」とか「サザンオールスターズだけ」とか、そういった番組です。  私が知っている限りですと「西城秀樹」「谷山浩子」「中森明菜」「スターダストレビュー」「YMO」などを専門でオンエアする番組があります。(終わってしまったものもありますけど。あと敬称略です、はい。)  これらは音

          選ばれるためにはおでん缶もいいんじゃないかというお話

          コミュニティFMの名前のお話

           FMラジオ局の名称は、大別して2種類あります。  一つは「放送エリアの地名+FM」という名前。もう一つはいわゆる「愛称」で、例えば周波数の語呂合わせやご当地の名物などをもじったもの、あと、なんだかステキな響きの単語を組み合わせている局もありますね。首都圏の民放FM局で言えば、前者は「TOKYO FM」、後者は「FM NACK5」や「J-WAVE」が該当します。  で、我々コミュニティFMの局名はどっちにすれば良いのか、という古来より続く非常に難しい問題について、今日はお

          コミュニティFMの名前のお話

          「やったやつがエライ」というお話

           当社には社是・社訓のようなものは存在しないんですが、私が個人的に掲げているポリシーがあります。 「やったやつがエライ」  というものです。  一般的な会社ですと、経営層が方針を決めて、中間管理職が具体的な業務計画に落とし込んで、部下のみんなが1年間がんばるみたいな上意下達タイプが多いと思いますが、当社は永遠のベンチャー企業みたいな感じで日々の業務をぶん回していますので、そもそも業務指示や方針が上から降りてくることはほとんどありません。とにかく気づいたヤツが勝手にやると

          「やったやつがエライ」というお話

          コミュニティFMで人気が出る番組の条件のお話(仮説)

           当社で放送しているラジオ番組にも、人気のあるもの・ないものがあります。職務上、コミュニティFMで人気のある番組と人気のない番組の差はなんだろうか、と常に考えているんですが、今回は私が「コミュニティFMの番組で人気が出る要因はなんとなくこの辺かなー」と思っていることについて、3つお話しいたしますね。あくまでも仮説程度のお話なので、過度な期待は厳禁ですよ。 1.地域社会に対し高いコミットメントがある  これは常々申し上げておりますが「地域情報を伝えるだけ」というのは、コミュ

          コミュニティFMで人気が出る番組の条件のお話(仮説)

          ラジオリスナーの熱量は高ければ高いほど良いのか問題のお話

          今回もラジオ番組の評価基準の話なんですけども、大まかに言って2つの系統があると思っています。 一つはデータです。 基本は聴取率や人数、あとはメールの数など、番組への直接的な反響もここに入りますね。 もう一つは、番組に対するリスナーの熱量とでも申しましょうか、気合とでも申しましょうか。例えば一人のリスナーが番組を聞いたとして、データの上では番組へのアクセス数が「1」に過ぎないんですけど、そこにどれだけの思いがあるのか、という尺度です。どうしても数ばかりに目が行きがちですけ

          ラジオリスナーの熱量は高ければ高いほど良いのか問題のお話

          リスナーの声を拾うお話

          コミュニティFMを初めて聞いたときのことを未だに覚えています。 学生時代、地元にコミュニティFMができたので聞いてみたんですけど、一番驚いたのは番組の中で常に何かを謝ってたことです。 「リクエストをいただきましたが、曲がありません」 「先ほどニュースで〇〇とお伝えしましたが、正しくは××でした」 「歌手名を間違えて紹介してしまいました。」 最初は「???」という感じだったんですけど、途中からもうそれだけで面白くなってきまして、すげーなコミュニティFMという気持ちにな

          リスナーの声を拾うお話

          コミュニティFMのお金儲けの話③~番組提供~

          大分空きましたけど、前回の話の続きです。 いわゆる「番組提供(=タイム広告)」をどのように増やしていくのか、ということについてです。 すごく重要なことを最初に申し上げますが、タイム広告の営業を進める上で特に必要なのは、まずスポンサー候補のみなさんに 「お、この局はすげーな!」 と思ってもらうことです。 コミュニティFMはややもすると「地元のためにラジオがんばってます! 防災情報もがんばります!」ということ「だけ」で勝負しようとする傾向がありますが、これらを「すごい」

          コミュニティFMのお金儲けの話③~番組提供~

          コミュニティFMのお金儲けの話②~スポットCM~

          前回の話の続きです。今回はコミュニティFMのスポットCM営業について、お話ししますね。 コミュニティFMにおけるスポットCMの営業について、まず考えていただきたいのは、客単価です。 感覚的なお話で申し訳ないんですが、私が理想とするスポットCMの客単価の下限は、レギュラースポットCMの場合は、年間で60万円以上、単発スポットCMの場合は、1案件10万円以上です。 スポットCMは放送料金の比率が高く利益も取りやすいので、どんな案件でもOKになりがちなんですが、単発スポットで

          コミュニティFMのお金儲けの話②~スポットCM~

          コミュニティFMのお金儲けの話①

          今回から数回はお金儲けの話をします。 と言いつつも、のっけから夢を砕くようで大変申し訳ないんですが、まず申し上げておきたいのは、コミュニティFMという業態を選んだ時点で大儲けは諦めてください、ということです。 身も蓋もありませんが、純粋に利益だけを考えた場合「今すぐコミュニティFMを畳む」のが正解になる局も多いわけでして、放送局は絶対儲かる! みたいな1980年代の妄言を未だに信じている方や、金は根性でなんとかなる! といったインパール作戦的なことしか思いつかない方には

          コミュニティFMのお金儲けの話①

          ラジオパーソナリティの「キャラクター」のお話

          職業柄、ラジオパーソナリティになりたい方やアナウンスを勉強している方から、 「どんなキャラクターを目指せばよいですか?」 という相談を受けることがあります。 これは大変難しい問題でして、正直一概には言えないんですけど、まず申し上げたいのは「キャラクターづくりの前にやることがある」ということでしょうか。 「明るく元気」であるとか「毒舌」であるとか「オタクっぽい」とか「まじめである」とか、ラジオパーソナリティのキャラクターには色々あるんですけれども、まずキャラクターで勝負

          ラジオパーソナリティの「キャラクター」のお話

          新型コロナウィルスの影響のお話

          今回の新型コロナウィルスの影響について、備忘録を兼ねて書いておきます。 まず、コミュニティFMの経営上のお話ですが、これはもうかなり厳しいです。 当社は割とイベント関係のお仕事が多いんですが、そのほとんどなくなりました。総売り上げの10~15%くらいがイベント関連でして、売り上げ額としてはかなり厳しい状況です。 ただ、イベント関連のお仕事は利益率が低いので、中止になった場合、支出も同時に減るので、今年度はなんとかなるかなー、といったところです。 一方、放送業務について

          新型コロナウィルスの影響のお話