Aquarium 18 (再創造/五十四)
「なるほど……そっか。そんなことが……。話してくれてありがとう」
九月十日。月曜日。暮れきった山の中。
平山は、萩尾を訪ねた青台の帰りがけ、その足で水鳥の元へ向かった。夜の山道は多少恐ろしかったが、車道に並ぶ寒色の光を頼りにどうにか辿りついて現在に至る。街灯の存在は『秩序』監視の範囲内を意味した。
水鳥の家――のあった焼け跡は、あの火事から一週間が経った今、すっかり片付いていた。庭には何も無く、家は基礎を残すのみ。流石に一度、人の手を借りたと水鳥は言った。広場の左端、車