【感情という足かせ】


月の満ち欠けの様に
止まない雨は無いように
心というモノは
死ぬまで永遠に揺れる
幸せでも不安を探し
不幸でも安心を探す
それはきっと幸せだから
強くなるのかな
不幸だからこそ喜びが
理解できるのかな


「君はどうしていつも
イライラしているんだい?」

「怖いんだよ」

「何が?」

「こんな事は何時までも続かない」

「それはそうかもしれないけど
わざわざ今それを不安に思う
必要は無いんじゃないかい?」

「そうなんだけど
なんかさぁ
貧乏だったけど
昔の方が生き生きと
していたように感じるよ」

「無い物ねだりだな
じゃあ
仕事も捨て
財産も捨て
ステータスも捨てれるかい?」

「無理かもなぁ
だから怖いんだよ
いつか無くなると思ったら」

「なるほどね
持っていると
怖くなるんだね」

「うん」

「だからと言って
手放す勇気もない」

「うん」

「じゃあ
手放さないで
有効利用すれば?」

「例えば?」

「そうだなぁ
困っている国の人々の為に
使うとか
生き甲斐を
別の所へ持ってったら
良いのじゃないかい?」

「なるほど
そんな事で
気持ちは晴れるのかしら?」

「一度
そういう国の
そういう場所に
行ってみればいいんだよ」

「そうだな
一回行ってくるよ」


彼は行動に移した
彼は彼なりの
ネットワークを使って
然るべき機関を通じて
ある財団に接触した
そこは彼の想像を絶する世界であった

テレビでは観て知っていたが
そんなもんじゃない
過酷だ
しかし
彼が一番に驚いたのは
そこでは無かった

子供たちの目がとてもキレイであった事だ
きっと戦後すぐのところの日本もこんなだったのだろう
彼は知らないが
知らないなりにそう思った
彼は真剣になった
彼らと寄り添うと


彼はこうして
自分の生き甲斐を得て
本当の幸せを手に入れた

ありがとう


ここは大脳について研究している施設だ
ネズミの大脳を
最新のテクノロジーによって大きくし
人間か
もしくは
それ以上の能力を持った
ネズミを使った研究していた

例えば
ネズミに色々な刺激を与え
脳内でバーチャルシュミレーションを
行っていたのだが
今のところ人間と変わりない

感情や感覚を越える事は無かった

あるネズミは訴えてきた

「怖いんだ」

「なにが?」

「全てを失うのが怖いんだ
むしろ
何も持っていなかった
昔の方が
幸せだった…」


人間は
地球上の生物は
もっと新しい思考は手にする事は
できないのであろうか


ほな!

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