【レモンはどんな夢を見るのか】



取り留めもなく

歩き出した

狭い狭い場所を

世界は自分と共に終わるのだと

自分は世界から隔離されるのだと

社会は荒廃し

真面目な奴は貧乏クジを引く

荒れ果てた街にはまともな人間はいない

まともな人間は何処に消えたのだ

空は黄土色に

雲は土色に

薄明るいが太陽の気配を感じない


誰かに教えてもらった

昔地球は温暖化というものが進み

どこかのクソ先進国が中心になって

硫黄の粉を世界中に撒き散らしたと

それが大気圏ギリギリの所に留まり

粉が落ちてこなくなった

その結果

地球の温暖化は食い止める事は出来たが

何故かそれ以来

地球は

人間は

おかしくなったのだと

そんな話はどうせ迷信だろう


何が上空にあるかなんて

どうでもいい


其処にはただうんざりする


毎日があるだけだ


ろくでもない連中がいるだけだ

こんな話をしている俺も

きっと頭が狂っているのだろう

その証拠に

俺は何処かに隔離されている


街は見渡せるが

街には出れない


そんな場所だ

食い物は

カサカサのパンと

しおれた何かの野菜スープだけだ


毎日そればかりだ

腹が減るから食う


何もする事がないから食う

ただそれだけだ


こうして

世界は自分と共に終わる

それだけだ


草加せんべい

食べたい


ほな!

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