渋渋の学習指導 〜宿題が激務〜

リクエストいただいたので、渋渋のカリキュラムについてご紹介いたします。


まず、渋渋のホームページに載っている文言を転載します。

6年間を2学年ずつ3つのブロックに分けたカリキュラムと、独自の6ヵ年に渡る学習計画図「シラバス」が本校の教育の根幹です。シラバスは、各ブロックで学習面での「自調自考」を実践するサポートをしてくれます。

https://www.shibushibu.jp/education/study.html

これだけ見ても何が凄いん?という感想かと思います。
解説しますと、渋渋は6年間をA・B・Cブロックに分けてカリキュラムを組んでいます。

※前提として : 私は理系の生物&倫政選択です

Aブロック(中1中2)では全体的にやさしめな学習です。
英語はEnglish AとBに分けられ、Aでは全編英語の海外製の教科書を用いた授業で、Bでは海外の子供が読むような絵本を読む『多読』で、それぞれ英語で英語を学びます。
そんなので英語がわかるようになるのか?という疑問を最初は誰もが持ちますが、意外と多読で分かるようになります。
あと今もあるか分かりませんが、『As you likeノート』という宿題があります。毎週指定されたページ数だけ英単語をノートに書いて提出するもので、ちゃんとやれば単語力が身につきます。うちのクラスは半分も出していませんでした。私は毎週ちゃんとやってました。
また、A・BブロックでEssay Writingの授業があります。週に1回、外国人教員の指導で短いEssayを書く練習をします。意外とこれのお蔭で英作文に困らなくなったりします。

数学は『数量』『図形』に分けて勉強します。要するに代数と幾何ですね。簡易的な測量器具を作って隣のビルの高さを求める実習的な授業もあったり、とにかく生徒が数学嫌いにならないように頑張っているんだなという印象です(嫌いにならないとは言っていない)。

国語は6年間そんなに変わらないです。校外研修の前後に研修地にまつわる文章を扱うなど、本当にそれぐらいの特色しか無かったように思います。

理科は割と先生によるところがあるので何とも言えませんが、地学ご担当の先生が雑談ばかりだったり、物理ご担当の先生が学校公開日に(保護者の前で)ギターで弾き語りしたり、エンタメ性に富んでいます。どの先生も退屈させないようにされている印象でした。

社会は地理のフィールドワークでキャットストリートを歩いてみたり、自分だけの世界旅行を計画したり、遊びか?という授業が多かったです。その分定期テストは可愛くなかったです。

Bブロック(中3高1)では、お前らもう高校生になるのにそんな意識で大丈夫か?とでも言うかのような、明らかに受験を意識した授業が始まります。

英語は多読がなくなり、English Bでようやく文法の授業が始まります(逆に言うとここまで文法全くやりません)。Aは引き続き海外の教科書で短め〜少し長めの文章を読む練習をします。

数学は成績順のクラスに分かれ、レベル別授業が行われます。1番上はまあまあ難しいプリントをやらされます。長期休みの宿題もクラスごとに異なります。科目も数学α・βに変わりますが、数学1A2Bという分け方とは全く関係ありません。

理科はほとんど机上の勉強になりますが、生物ではカエルの解剖を行います。私が6年間で1番楽しかった授業です。
社会は歴史や公民を学びます。NHKの歴史番組の映像や裁判の映画を観て理解を深める授業も行われます。
この2科目に関しては、知識の詰め込みが主になってきます。そして個人的には、受験をそこまで気にせず勉強することができるので結構楽しい期間です(その分あちら側も受験に全く関係ないようなとんでもない捨て問を出してきます)。

Cブロック(高2高3)はいよいよ完全に受験に向けた指導が始まります。文理で分かれた授業が始まるのもこのブロックです。

数学は理系・文系でそれぞれレベル別指導になります。高3理系の1番上のクラスでは毎回どこかの大学の過去問(高難易度)が配布され、みんなで取り組みます。問題は東大京大医学部など最難関レベルの大学が多く、1度だけ慶應義塾大学医学部の問題をまるまる配布して「解けそうなものからやれ」という演習がありました(笑)。

理系国語は現代文のみ必修、古文漢文は選択制になります。
東大京大志望に合わせて理系でも記述ありきの授業になるので、共テ以外で国語を使わない人にとっては若干オーバーキルな授業になります。というか共テ国語の授業を予備校で受講すればこちらの古文漢文は選択しなくてもいいのでは…?とは思う

理科は『化学・生物・物理』と『化学演習・生物演習・物理演習』が爆誕します。前者(無印理科と記します)から2つ、後者(理科演習と記します)からは任意で1つ選びます。
無印理科はそれまでと変わらない形式の授業です。高3時点ではまだ履修内容が終わりきっていないのでそれらを大体夏頃までに消化し、2学期は問題に取り組みます。生物は2学期にペアで作問してみんなに解いてもらう、ということをやっていました(公募推薦の出願と時期被ったから楽しかったけど地味に負担ではあった)。
理科演習は科目によって実施内容が異なるようですが、生物演習は大学入試の問題で思考力を要するもの(主に記述問題)に取り組みます。鶏頭の水煮缶を買ってきて解剖し脳の構造を見る授業もありました。

社会は日本史・地理・倫理政経から任意で選択します。
高2までは倫理政経が選択できないので、この1年弱で共テ90%レベルまで仕上げることになります。選択者はおよそ10名前後と超少人数制指導です(笑)。
地理と日本史は高2から継続履修で、地理のほうが若干多いようでした。


各ブロックについてご説明しましたが、6年間ずっと変わらないのは『宿題の量が多い』ことと『問題演習は周りと相談することが推奨される』ことです。
他の学校がどんな宿題を出されているかわかりませんが、とにかく数学も理科もある程度計画的に進めないと詰みます。

特に数学は問題集を1周しただけでは解けないような問題が定期テストで出るので、私は最低2周取り組んでいました。授業で習ったところをその日のうちに復習する1周目、試験2週間前になったらスタートする2周目です。成績優秀者は同じようなやり方をしていた印象があります。
ただ1周分の量がそもそも多いので、ここに塾やその宿題があったら…と思うとなかなか大変です(実際高2になるまで多くの人は通塾しません)。

その他にも、英語は先程のとおりAs you likeノートがあったり文法や長文読解の問題集が課せられたり、主要科目は自宅学習も欠かさずするよう、宿題による習慣づけがありました。

問題演習で周りと相談するという点ですが、渋渋が(割と)売りにしている『アクティブラーニング』の一環と言えます。塾では出来ない学習方法で、授業内に限らず放課後の自習でも相談しながら解いている生徒が多く見られます。そしてときどき教員も交えて解法の議論していることもあります(笑)。
この学校に関して、生徒が主体的に学ぶようになるのはアクティブラーニングによるものなのかなと思います。


というわけで、渋渋のカリキュラムについてのご紹介でした。
最後に:『シラバス』はほとんど見ません!!

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