![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/57049062/rectangle_large_type_2_5c4e7d9e7e25d8b38fd9a55baeddea19.jpg?width=1200)
第2回アイビスサマーダッシュ(2002年) [競馬ヒストリー研究(3)]
いよいよ東京オリンピックが始まり、8月1日には"人類最速"を決める陸上男子100m決勝が行われるが、それよりもいち早く今週の中央競馬で開催されるのは、最速の座を争う名物重賞アイビスサマーダッシュ。
当レースで最速と言えば、現在もレコードタイムを保持するカルストンライトオをおいて他にはいないだろう。
走路の全面改修を行い、前年の2001年に新装オープンした新潟競馬場。その目玉として我が国では初となる直線のみの1000mコースを設定し、その最高峰レースとしてGIII競走のアイビスサマーダッシュを新設した。
メジロダーリングが優勝した第1回の競走に1番人気で出走し、3着していたのが当時3歳のカルストンライトオ。
同馬は翌02年に再び参戦するまでに通算5勝を挙げているが、その全てが平坦コースの芝1200mでの逃げ切りという生粋のスプリンター。
しかし、重賞では人気に推されるもなかなか勝ち切れず、持ち前のスピードを存分に活かせる前年3着のこの舞台に再度活路を求めた。
13頭立ての12番枠からスタートを決め、一直線に外埒沿いへ向かったカルストンライトオ。2番手以下が気合をつけながら追走する中、手綱を持ったままハイラップで飛ばし、そのまま2着のブレイクタイムに2馬身差をつけてゴールに飛び込んだ。
勝ちタイムの53秒7は前年を0秒2上回る日本レコード。600-800m区間に記録されたラップタイムの9秒6もレコードである。
特にこの200mのラップタイム9秒6(=時速75km)というのはサラブレッドの限界に近いスピードと考えられ、手応えを残しながらここまでギアを上げる走りは陸上100m世界記録保持者のウサイン・ボルト元選手を彷彿とさせる、まさに"史上最速の馬"と言えるのではないだろうか。
04年にも再度出走し、良馬場の芝スプリント戦では大差と言える3馬身差(同レース以降良馬場の芝1200m以下重賞を3馬身差以上で勝利した例は現在まで4度のみ)で圧勝した同馬。その次走にはスプリンターズSを制し、GIの頂まで登り詰めた。
競馬という競技の中にあって異質ではあるが、ただ純粋に速さを競うという点では競走競技の原点に最も近いとも言える"千直"の世界。本馬を超える究極の速さを持つサラブレッドの出現が実に待ち遠しい。
いかがでしたでしょうか?小倉のCBC賞では日本レコードが更新されましたが、こちらも破れそうでなかなか難しいレコードなのではないでしょうか。
このレースで枠順が確定する前にするのもナンセンスですが(笑)、最後に一言予想です。ライオンボス、タマモメイトウ、ヒロイックアゲンといった実績馬は当然有力として、それ以外ではオールアットワンス、バカラクイーン、グレイトゲイナーあたりを狙いたいと思っています。
それではー
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?