作成・改訂年月はなぜ書かれているか(1)

ポイント

1. 作成改定年月をチェックし最新の添付文書を使用
2. 使用上の注意の改訂情報を知るには医薬品安全対策情報(Drug Safety Update)を活用

作成・改訂年月をチェックし、最新の添付文書を使用しましょう

添付文書は医薬品を適正に使用するために必要な情報を製薬企業が医療従事者に提供するための唯一の法的根拠のある情報源です。

したがって、医薬品を使用する際には、最新の添付文書の情報情報に基づいて使わなければなりません。また、医療訴訟に際しては、出来事の発生した時点における最新の添付文書に従って使用していたかどうかがカギとなります。

添付文書の表紙の左上にはその作成または改訂年月が必ず記載されています。経験的には多くの添付文書が1年に1回くらいの頻度で改訂されます。添付文書の情報を使用する際には添付文書の作成年月や改訂年月に注意し、1年以上前の場合には内容が改訂されている可能性を考えましょう。改訂年月の表示には前回改訂と今回改訂の2回分が表示されています。

最新の添付文書の安全性情報を知るには、医薬品安全対策情報(Drug Safety Update)を活用しましょう

医薬品の適正使用において重要となる「警告」、「禁忌」、「使用上の注意」の項の改訂には特に注意しなければなりません。

これらの改訂は厚生労働省医薬局監修の医薬品安全対策情報(Drug Safety Update:DSU) に定期的に改訂内容が記載されますので、DSUを毎号チェックしていくことで対応が可能です。

DSUには改訂内容の重要度による分類が表示されていますので、少なくとも「最重要」と「重要」はチェックし、改訂された添付文書を入手しておきましょう。

新しい添付文書が手に入っても古い添付文書は捨てずに残すことが望まれます。それは証拠資料となる可能性があるからです。

また、日本薬剤師会雑誌や「調剤と情報」誌(じほう刊)ではDSUの解説を別冊として提供しています。「改訂の理由」や「改訂の根拠となった文献の概要」が解決されており、リスクの高い患者について、あるいはモニタリングの方法などについて参考になると思われますので利用されると良いでしょう。

さらに1999年5月より、「医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構」の医薬品情報提供ホームページから、医療用医薬品の添付文書情報の閲覧とダウンロードが可能になったので、最新のものを必要とする場合には大いに活用されるとよいでしょう。

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