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添付文書の活かし方はユーザー次第(1)

ポイント
1. 添付文書は唯一の法的根拠のある医薬品情報源
2. 第一義的には承認範囲を記したもの、過大な期待は無理

医療用医薬品添付文書(以下、添付文書)は医薬品を使用する上で、なくてはならない重要な医薬品情報源です。そこに記載されている情報は膨大な費用と労力を使って出来上がってきたものです。その情報を活かすも殺すもユーザーの力にかかっていると言っても過言ではありません。本書では添付文書の情報を効果的に活用するために、その適切な見方・読み方を項目ごとに解説します。

添付文書は唯一の法的根拠のある医薬品情報源です

添付文書は薬事法第52条の中で、医薬品の製造・販売時に製造販売業者(以下、製薬企業)が作成して添付するよう義務づけられています。そういう意味で、唯一の法的根拠のある医薬品情報源と言われています 古くは添付文書のことを能書とか効能書とか呼んでいましたが、これらの呼び方は現在では正式ではありません。

第一義的には承認範囲を記したものといえます

添付文書は製薬企業が、各医薬品の有効性と安全性、及び品質を確保するために必要な情報を提供する基本的手段です。すなわち、添付文書には承認された効能・効果と用法・用量、さらにそれらの根拠となる臨床試験成績の要約、そしてその医薬品を適正に使用するにあたって必要な使用上の注意、製剤や取り扱いについての情報など、臨床上必要とされる最低限の情報が網羅されています。いずれにしても、添付文書の第一の使命は、承認の範囲を明確に伝達することにあると思います。紙面に制限のある添付文書に過大な期待をするのは少々無理があり、「医薬品インタビューフォーム」や「使用上の注意の解説」などの他の資料で補う必要もあることを念頭において対処することが大切でしょう。

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