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「米債務上限問題」をわかりやすく理解しよう

米債務上限問題、進展なく 大統領・下院議長12日再協議

本日は、アメリカの債務上限をやさしくひも解いていきましょう。今日の話は本当にタメになるのでぜひ見てってくださいね!

そもそも「債務上限」とは一体何か?という話から始めていきましょう。

「債務上限」とはアメリカ政府が借金できる最大限度のことを指します。つまり、アメリカ政府がどれだけお金を借りられるかっていう上限です。借りすぎはよくないからあらかじめ上限が決められてるんですね。えらいぞアメリカ君。

「え?でもさ、アメリカ政府が借金?一体だれに?」と思ったかもしれないです。

めっちゃお金を借りてるんですよ。

アメリカ政府がお金を借りる主な方法は「国債」を発行することです。国債は、政府が資金を集めるために発行する借金の一種で、これを買うことで政府にお金を貸してることになります。

昨日アップルの社債の話をしましたが、同じです。アップルの社債を買うってことはアップルにお金を貸してあげることになりますが、今回は国バージョンなので"国債"です。

国債を買うのは機関・個人投資家、企業、他の国の政府、FRBなんかも含まれます。国債はお金を貸すっていうことなので、もちろん元本保証で利息を付けて返してくれます。アメリカにお金を貸すってめっちゃ安全性が高いよね。

そもそもアメリカ政府ってお金借りる必要あるの?

って思うかもしれません。それが借りる必要あるんですよ。

なぜかというと、

アメリカ政府が行う財政支出(公共事業、社会保障給付、軍事費など)って、税収だけじゃあ全く賄えないんです。だから新たな借金、つまり国債を発行してお金を調達しています。

で、

今回問題になっている債務上限問題は、借金の上限に達してしまうから政府が国債発行をできなくなってしまうことを意味しています。

国債発行ができなくて追加の借金ができなくなると、債務不履行(デフォルト)です。

あのアメリカが債務不履行(デフォルト)!!!

そう、新しく借金して作ったお金で、前の借金やその利息を返すことがあって、それを「ロールオーバー」と呼ぶんだけど、それができないってまさに債務不履行(デフォルト)ですね。

デフォルト!それってめっちゃやばいくない?

と感じるかもしれません。

それがですね。全然やばくありません。

債務上限問題はこれまでも何度もあって、その度に上限が引きあがって、結局マーケットへの影響はほとんどなし、というのがいつものことです。

債務上限って上がられるんで、茶番もいいとこなんです。

ただ、

ちょっとやっかいなのが、その借金の上限の引き上げ(債務上限の引き上げ)には、アメリカ議会の承認が必要になるんです。

アメリカ政府側のバイデン大統領は民主党だけど、議会は今民主党と共和党が拮抗しているし、下院に至っては前回の選挙で野党・共和党が3議席多く、わずかだけど野党・共和党が多いから、少し揉めています。

正直、債務上限が引きあがらないとアメリカがデフォルトになって、アメリカ経済や世界経済の大きな影響を与えるから、上限を引き上げるしかありません。共和党的はこれを自分たちに有利な政策を通すための駆け引きの材料にしてるんです。

なので、この債務上限問題は経済だけの話というよりも、むしろ政治的な問題と絡んでるって感じですね。

ただ、本当にいつも必ず毎回この上限が引きあがるので、何事もないというのが通常モードです。

それでも、もし、この上限が引きあがらなくてアメリカがデフォルトしたら?

もし、アメリカ政府がデフォルトしたら「めっちゃかっこ悪い」です。

ただ、それだけです。

債務不履行(デフォルト)ってそもそも、借りたお金を返せなくなる状態のことですね。企業でいけば経営破綻です。

本来的にはそれって深刻ですが、アメリカの場合はちょっと違います。

自分が勝手に決めた借金の上限があるから借りれずに返せないという状況なので、実際には返済能力があるのにテクニカルな理由で返済できないっていうだけなので実質的なデフォルトとはわけが違います。

本当に返せないからじゃないんですね。債務上限に達して追加で借金ができないからなんですね。その勝手に自分で決めてる上限をとっぱらえば、全然大丈夫じゃん!ということです。

だけどさ、実質的に問題がなくてもデフォルトになってしまうとそれはそれでいただけません。

なぜなら、

信用っていうのは結局、他人が自分をどう見るかっていう部分が大きいものだからです。

たとえば、あなたが友達にお金を貸して、返してくれる約束をしたけど、期日になっても返さなかったとする。

実は友達には返すお金はあるんだけど、その日は都合が悪くて返せなかったとしても、ちょっと友達を信用しづらくなりますよね!

それと同じで、アメリカが債務上限によって一時的に借金の返済ができなくなったとしても、それが実質的ではない「テクニカルなデフォルト」であるとしても、やっぱり他の国や投資家から見たらアメリカの信用度は下がる可能性があるんです。

と、いうことで、今回は、野党が「上限引き上げOKです」と言って議会が承認が得られればそれで解決という話です。

でも当たり前だけど、与党と野党って仲良しじゃないから、そこをうまく調整していく必要があります。

そんな状況にイエレン財務長官もこの表情。満面の笑みが見られることを願っております。

今日は、アメリカの債務上限の話をしていきました。ご清聴ありがとうございまいた。

レイチェル

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