GAFAMたちのこれから

8月相場に入り、デルタ株の蔓延と企業の好決算とFRBの金融政策と材料が入交りながら、S&P500は8月4日も最高値を更新しました。

雇用回復が鈍化する一方で企業業績は好調し、物価は上昇基調。

景気は上がってるけれども、雇用は上がらないデコボコがニューノーマルのいびつな世界を表しているようで少し不気味です。

GAFAMの決算が出揃いアマゾン以外は好調な結果でした。

それはそれはもうこれ以上ない!というぐらい奇跡的な決算内容です。

市場が「失望した!」と言っているアマゾンとて前年対比で20%以上成長している好決算なのです。

【マイクロソフト】
47%増益。特にクラウドのアジュールが+51%と絶好調。

【アップル】
36%増益。iPhone売上高は前年同期比50%増加。半導体不足が影響し翌期の成長は鈍化すると発表。

【グーグル】
61%増益。広告が69%増加。特にYoutubeの収益が83%増と絶好調。ピチャイCEO「YouTubeはGoogleの中で最も急速に成長している消費者サービス。米国では毎月1億2000万人以上がテレビでYouTubeを視聴している」。

【フェイスブック】
56%増益。年後半はアップルの新ルールがモバイル端末でのデータ収集に響くなどで鈍化予想。ザッカーバーグCEO「今後数年間で、人々は私たちをソーシャルメディア企業からメタバース企業として見ることへ期待」。

【アマゾン】
27%増益。売上は前年比27%増の1130.8億ドル。これだけ売り上げても予想を下回る。AWSの調子は良いが期待を超えられず、決算発表後に株価も下落。

各社が前年対比で業績は大きく成長するも、株価の上昇はそれほど大きなものとはなっていません

はっきり言って全然上がっていません。

なぜか?

①決算前に上場来高値を各社が更新していることと、②好決算を既に折り込んでいる期待の高い状況が反映されています。

そうです。

市場は、GAFAMなら30%、40%成長して"当たり前"だと考えているのです。

しかし

いくらGAFAMと言えども、この業績を連続していくのは不可能です。近い将来に必ず頭打ちがくるでしょう。

しかも、業績が良くなり、事業規模が大きくなっていけばいくほど規制面での風当たりは強くなっていきます。

日本の独占禁止法にあたる反トラスト法とのせめぎ合いを、GAFAMはもうここ何年も続けています。制裁金を払う場面も目にするようになりました。

GAFAMにとって、もはや従来通りの既存事業の拡大は限界が近づきつつあるのです。

では彼らはこれからどうするか?

企業買収や他分野への投資を拡大し、事業の多角化・収益の多角化を模索し続けていきます。

アマゾンは、映画製作「MGM」の買収発表。
フェイスブックは、仮想現実(VR)事業を強化し、メタバース構想を加速。
マイクロソフトは、格安ホテル(OYO)に投資を発表。
グーグルは、日本でpringを買収し日本で金融本格参入。

今までにない、新しい動きを見せています。

GAFAMは安定して好業績を続ける優良企業です。

しかし

それだけでは市場の期待を下回る状態。期待を超えるためには常に挑戦を続け、規格外の成長をし続ける必要があります。

それは、簡単にできると思いますか?

私はGAFAMへの投資を行っていますが、それは安全な投資だとは思っていません。

GAFAMへの投資は、いつ潰れてもおかしくないベンチャー企業に投資しているのと同じくらいの緊張感が求められるのです。

「イノベーションを継続しなければ、ここにいるすべての企業が取って代わられる日が来ることを、歴史は証明している。」

これは昨年、米議会公聴会でGAFAのCEOが招集されたときのFacebookザッカーバーグCEOの言葉。

トップランナーでさえ、この気概で事業に向き合い、次の革新に立ち向かっています。

新しい世界を見せ続けてくれるGAFAMに、これからも期待をしましょう。


またお目にかかれるときを楽しみにしています。