1枚100万円のNFTは果たして高いのか?

デジタル画像が1つ100円。

高いだろうか?安いだろうか?

デジタル画像が1つ1万円。

高いだろうか?安いだろうか?

デジタル画像が1つ100万円。

高いだろうか?安いだろうか?

これに的確に回答するのは難しい。

それは作者や作品が特定されていないからではない。

この手の商品は、適正な価値を算出するための方法に正解が存在しないからだ。

例えば、マクドナルドで働く時給が仮に1000円だとしよう。これは誰がやっても1000円。

10時間働けば1万円。これは誰がやっても1万円。同じだ。

仕事に価格を付けて、それを売っているからだ。

一方、クリエイターは違う。

頑張って10時間かけて絵を1枚書き上げました。

この絵の価格はいくらが適正か?

これは難しい。

1時間の活動価値が1000円だとして、1万円か?

いやいや。そんなことを言うとたちまち「クリエイターを馬鹿にしてるのか!ふざけるな!」と怒られてしまう。

時間に換算できない価値がその絵にはあるのだから。

そう。

「時間に換算できない価値」

じゃあ、この価値ってなんだ?

世界にひとつしかないという価値か?
将来希少性が高まるかもしれないという価値か?
この絵によって救われる人がいるという価値か?

それは受け手に拠って変わる可変のものなのか?

この価値の正体は、一体なんだ?

人によっては100円になり、人によっては100万円になる。

「100円」と言う人はバカなのか?世間知らずなのか?

それとも、

「100万円」と言う人がバカなのか?世間知らずなのか?

一方

ハードとしてのテレビの価格はわかりやすい。

テレビによって得られるユーザーの便益に価格がつけられているわけではないからだ。

どういうことか?

「50型テレビの大きな画面で迫力の映像を体験する」という価値が10万円なのでは、ない。ということだ。

では、どうやって10万円という価格が算出されているのか?

製造費+利益だ。

メーカーはほぼ間違いなくこのロジックで価格設定を行っている。

もちろん、

これは販売側のロジックだ。

購入側のロジックはそうではない。

50型のテレビを買うのは、自宅に居ながら映画館のような迫力ある映像を楽しむ”体験”を買っているのだ。

それを10万円で購入しているのだ。

供給側と需要側の価値算出のロジックが異なっている。

供給側はテレビを作る部品、手間、販売プロモーションなど実際にテレビを作るための製造原価とそれらに利益をのせて採算がとれる価格を設定する。

一方

需要側にはそんなのは関係がない。自分がその商品を購入してどんな体験を得られるか?その1点に尽きる。

その体験は人によって1万円分かもしれないし、10万円分かもしれないし、100万円分かもしれない。

メーカーの努力によって、おおよその製品価格は得られる体験価値よりも安価に手に入るように私は感じる。

量産体制をつくればつくるほど、モノは製造コストを下げることができるからだ。

では、NFTはどうか?

この作品には10時間を費やしたから1万円という値付けは絶対にしない。

ではどのように値付けを行うのか。

基本的な考え方はあれど、正解はない。

クリエイターにとって値付けは最大のテーマなのである。

値付けは、まさにクリエイターにとって最も身につけるべき能力であり、マーケティングスキルの最たるもの。

「クリエイターとして値付けをするときに考えなければいけない10のこと」

これは需要があればぜひ書いてみたいテーマでもある。

これまで私が行ってきた値付け。

「【完全保存版】レイチェル投資入門」というnote。980円。

なぜ、980円なのか?

ここにも私なりに考え抜いたちゃんとした理由があります。

あなたにとってこのnoteは100円の価値かもしれない。1000円の価値かもしれない。1万円の価値かも100万の価値かもしれない。

少なくとも、

投資に興味があったりやってる人であれば1万円分の体験価値があるでしょう。

じゃあ1万円で売れば?普通ならそう思うはずだ。

わざわざ980円で安売りしなくても、ユーザーにとって1万円分の価値があると思ってるなら1万円にしなよ、と。

はい。

それは、マーケティング的には正解なのです。

例えば、980円の記事を頑張って1000人に売ったとして収益は98万円です。

それが

1万円であればたった98人が購入すれば同じ収益となるのです。そうするとこの価格設定の方が高い収益を得られる可能性が高い。

じゃあなぜ980円なのか?

それは、

私にとって大事なのは、収益ではないからです。

・・・・・

なんてことをいうと偽善ですね。ウソです。

正しい価値を提供して、それに対して正しい報酬を得る

私はこの考え方はもっています。

そして、今後クリエイターエコノミーがもっと広く浸透していけば当たり前の考え方になっていくはずです。

でも、1万円ではなく、980円の理由もあります。

私は、価格を1万円にしたときと980円にしたときで最終的な収益額はあまり変わらないように思いました。(実際はわかりませんが)

しかし、

安い980円にした方が確実なメリットが私にはあります。

それは、

980円の方がより多くの人の目に触れる機会を得られることです。

①1万円で100人に見てもらうのと、②1000円で1000人に見てもらうのとでは最終的な収益は同じでも、②の方がより多くの人の役に立てるのです。

だから、1万円ではなく980円なのです。

今度は「じゃあ無料にすれば?」という声が聞こえてきそうです。きゃあ。

そんな方はぜひこのnoteの冒頭に戻って読んでいただけると幸いです。

なお、

「【完全保存版】レイチェル投資入門」は、私のクリエイターとしての見立てがマリトッツォのように甘く、全然多くの方の目に触れておりません。

Twitterとかnoteとかいつも見てるからしょうがないなぁ。という方のご声援をお待ちしております。

もう既に買っちゃったんだよなぁという素敵な方は感想などを共有してくださるとこれ幸いです。

では、また。

▼応援購入お待ちしてます。

※門戸を広げるため「入門」というタイトルをつけましたが間違いです。人生を通して投資をする意味と勝ち方、次世代のあるべき価値観について書いています。初心者は入門書として、既に投資をしてる方は哲学書としてお読みください。

またお目にかかれるときを楽しみにしています。