見出し画像

思いはスクランブル交差点のように

久しぶりに友人に会ったのです。お互いの中間地点でランチをしながら、和やかに積もる話ができた有意義なひと時でした。

けれども、しきりにコロナを心配し、緊急事態の徹底やワクチンの供給で、日本政府(自民党)の政策が遅れをとっていることに腹を立てているのには、どう答えていいかわからなくなりました。

「メメントモリ」に回帰する

私には、コロナはただの風邪なのかどうかわかりません。ウィルスの存在があるのかないのか、ということも知りません。それらは「専門家」の仕事だからです。

もちろん「専門家」だって一人や二人じゃないし、いろんな研究があるのでしょう。そのうちのどれが正解だったのか、なんて、多分何年も先じゃないとわからないのだと思います。

ペストやコレラは有史以来、人類を苦しめてきた感染症だけれど、未だになくなっていない。マラリアだってワクチンの効果は大体30%程度、今も世界では2分に一人がマラリアで亡くなっているのだそうです。

天然痘だって、18世紀の終わりに種痘が発明され、それから約200年かけて根絶されたと言われているけれど、類似したウィルスはまだ自然界にたくさんあり、変異株も含めてそれが人間に感染しないとは限らないと言われています。

私はコロナウィルスについて騒がれ始めた時に、そういう知識に触れ、腑に落ちたので、これは人間の意識が「メメントモリ」であることに回帰するターニングポイントになるのではないかと思っています。

押し付け合わないことはとても大事

でも、生きる場所が違うと見ている景色も変わっているので、感じるリアリティが全く違ってきます。そもそも死生観は人それぞれだから、他者に押し付けるものではないと自戒しています。

都会の公共機関で働いている友人が私と同じリアリティを感じているわけはなく、だからこそやり場のない苛立ちを抱えていることを私はどうしてあげることもできません。

去年の3月くらいにきっちり保障付きの全面休業や都市封鎖を行なっていれば、今ごろは外国のように規制緩和に向かい、もっと自由に行動できていたはずだと友人は嘆き、怒っていましたが、そのリアリティは私にはありません。

今だって自由にしたければ自由にできるし、現にこうして私たちが普通にカフェで食事してるように、会いたい人に会い、行きたい場所に行けばいいと思うのです、各自が必要だと考える「感染対策」をした上で。

各自が必要だと考える、ということがとにかく重要で、重症かリスクの高い人は当然それに応じた対策が必要になるでしょう。普通の健康状態の人もそういう人に対しては気を遣うべきだし、高リスクの人が直接対応する相手に対策を求めることも非難されるべきことではありません。

けれども、今のように、コロナの指定感染症レベルを高いままに設定してすべての人に同じ対策を一律に要請(強制)するという方法は間違っていると思います。そうじゃないと、マスクの布目の大きさまで決められるような事態になりかねません。

渋谷観察で思ったこと

というわけで、渋谷のスクランブル交差点はパッと見、コロナ前とそれほど変わらないような混雑ぶりで、みんな「それぞれが思う感染対策=マスク」をして、密に歩いていました。

スクリーンショット 2021-05-16 21.34.52

テレビだと、こういうシーンのなかでインタビューがされた人が自分のことは棚に上げ「こんなに人が出歩いててビックリです」などと答えたりしているのをよく見かけます。

画面のこっち側の視聴者はインタビュイーに「お前もなー」とは突っ込まず、放送局の意のままに「大丈夫なのか?」「けしからん」という思うようです。

スクリーンショット 2021-05-16 21.35.13

「コロナは風邪」「マスクを外そう」というデモもやってました。

私は上に書いたように、そんなことはわからないし、わからない以上、人に対してどうこうせよとは言えないので今回は遠巻きに見ているだけにしましたが、こういうデモもありがたいです。

スクリーンショット 2021-05-16 21.34.36

渋谷マークシティの飲食街はスタバまで休業してるみたいですね。ここのテナントに入れるようなお店は、まぁ何とでもなるのでしょう。

それより心配なのは個人のお店です。特に飲食店は、ウィルスと何に関係があるのかもわからないアルコールの販売を禁止していて、抜き打ちで検査が入るのだとか。

その話を聞いたとき、すごく嫌な感じがしました。何だかシュタージやゲシュタポを思い出させますね。もっと身近に戦中の「隣組」と言った方がわかりやすいでしょうか。

一体誰が得をしているのか?

私はPCR検査のCT値を変動させて伝えられる、コロナウィルスの陽性者数よりも、こういう社会の変化の方がよほど嘆かわしいと感じ、ピリピリしてしまいます。

いずれにせよ、経営母体の弱い個人商店は、わずかばかりの補償金をもらっても、資金繰りが大変だという声が聞こえてきます。結果的に運転資金をショートさせ、破綻するケースが激増するだろうと言われています。

私の地元にも、扉に閉店や撤退を告知する張り紙をしたお店がいくつかあります。それらのいくつかはM&Aの対象となり、テナントが抜けて家賃収入がなくなった不動産は投機の対象となるのではないでしょうか。

バブルの時のように、コロナが「収束」して、ふと周りを見渡したら、勝者と敗者がくっきりと分かれていたなんてことがないように。「こうすることで得するのは誰なのか」って視点は持ち続けたいですね。


サポートしてくださった方には、西洋占星術のネイタルチャート、もしくはマルセイユタロットのリーディングを無料にてオファーさせていただきます! お気軽にお申し出ください。