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2024_紫苑S/京成杯AH/セントウルSの回顧


今週も、週末に行われた重賞レースについて、簡単に振り返っていくことにしましょう。


土曜 中山11R 紫苑ステークス 


ここは、全体のレースラップが12.0 - 10.9 - 11.8 - 12.0 - 12.1 - 11.9 - 11.9 - 11.6 - 11.4 - 11.0

レコード決着に加え、上位馬は上がりも加速ラップで走破していますので、道中で少しでもロスのあるコース取りをした馬は、仮にスムーズにレースを進めていたとして勝負にはまったく絡めない。そんな極端かつ特殊な競馬となりました。


勝ったクリスマスパレードは、スタートを決めて番手からスムーズにレースを運べましたし、心配された状態面に関しても9分以上の仕上がりにはありましたので、こうなると番手から抜け出して快勝というこの結果も、至極妥当なものであったように思われます。
まあ、この走破時計ですし、本番でこの馬をどう扱うか慎重に検討しないといけなくなったのは確かですけど、当研究所的には、昨年のローズSとは異なり、同じ好時計決着でも中身は特筆するほどのものではなかったのかなと考えているのですが、さて、真実はいかに……

2着ミアネーロは、出たなりの位置を折り合いよく進めていましたし、勝負どころの捌きもうまく行きましたので、概ねこの馬の力は出し切れている気がします。
高いレベルでいうと、この距離はやはり若干長いのかなという印象もありましたが、この馬の立ち回りのうまさは秋華賞の舞台でもそれなりの武器にはなりそうですので、内枠を引くことが最低条件にはなりますが、本番でも一応の警戒が必要になってくるのかもしれません。

3着ボンドガールは、無理に自分から仕掛けることなく、最内に入れて勝負どころまでジッとしていた鞍上の判断が光るレースでした。
引いて構えた分、最後の直線で馬群を捌くのに手間取ったのは事実ですけど、今回はどう乗ってもこれ以上の結果は望めなかったでしょうから、シンプルに鞍上の好騎乗あっての3着という評価でいい気がしています。

6着ホーエリートは、特段の不利なくレースを終えることができましたが、一瞬の脚がないこの馬にとっては、ほぼノーチャンスと言っていいラップ構成のレースになってしまいました。
よって、今回の結果をもってただちにこの馬の評価を下げる必要はないのですけれど、超高速決着になることを読み切れずこの馬を中心視したこちらの判断に関しては、大いに反省しないといけません。

8着エラトーは、ゲートのミスが痛恨で、スタート直後にジ・エンドとなってしまいました。
ただ、まったく自分の理想とするレースにならなかった割には健闘したとも言えますので、もしも抽選で本番に出られるようなことがあれば、ワンチャンスあっていい存在にはなってくるのかな、と。


◎ホーエリート → 4番人気6着
○ミアネーロ → 3番人気2着 
▲エラトー → 2番人気8着
△クリスマスパレード → 5番人気1着

自己評価 2/10点


日曜 中山11R 京成杯AH 


ここは、全体のレースラップが12.2 - 10.9 - 11.1 - 11.4 - 11.7 - 11.4 - 11.2 - 10.9

思ったとおりレース序盤はペースが上がらず、最後は各馬が加速ラップのままゴールイン。中山のマイル重賞としては、かなり特殊なラップ構成のレースとなった印象でした。


勝ったアスコリピチェーノは、スローも加速ラップもお構いなしという感じで、終始外を回す横綱相撲で見事に突き抜けてしまいました。
まあ、予想はできたことですが、ここでは完全に役者が一枚も二枚も違う感じでしたので、マイルCS本場でも、当然のごとく有力馬の一頭になってきそうですね。

2着タイムトゥヘヴンは、得意の中山マイルでアッと言わせましたね。
ハンデも1kg軽くなっていましたし、当研究所でも検討対象の一頭にはしていたのですが、今の超高速馬場でこの馬を拾うのは正直かなり難しかったな、と。
鞍上ともども、この大健闘には素直に拍手です。

3着サンライズロナウドは、今の馬場特性を意識して、鞍上が一か八かの勝負をかけてきました。
結果、アッと言わせるところまでは行きませんでしたが、馬券圏内確保ならまずは作戦成功と評価していいように思います。

6着ディオは、4角の出口がスムーズなら楽に2着はありましたので、ちょっともったいないレースになってしまいました。
ただ、こうした特殊馬場でのレースでは、各ジョッキーともコーナーをよりタイトに回ってきますので、時にこういった不運も起こりがち。その意味でいうと、今回は「持ってなかった」と総括するほかありません。

7着ディスペランツァは、この馬なりに脚を使えていますが、ここまで時計が速くなってしまうと、対応にも限界があったということでしょう。
成長力がひと息なのか、それとも夏場の高速レースが苦手なのか、その判断はもう少しだけ先送りしたいと思っています。

11着エエヤンは、オーキッドロマンスが刻むゆったりとしたペースに合わせてしまって、最後は何もできない非常に残念な結果となりました。
戦前から鞍上面の不安はあったわけですが、今回はその悪い予感が見事に的中してしまった形となりましたね。
この馬は、強気なレースメイクをしてはじめて勝機を見いだせるタイプですので、この惨敗はあまり気にしなくていいような気もします。


◎アスコリピチェーノ → 1番人気1着
○ディオ → 2番人気6着 
▲ディスペランツァ → 6番人気7着
△エエヤン → 5番人気11着

自己評価 4/10点


日曜 中京11R セントウルステークス


ここは、全体のレースラップが12.0 - 10.4 - 11.2 - 11.4 - 11.1 - 11.6

前の隊列がすんなりと決まったこともあって、思ったほど道中のペースは上がらず。
その分、最後の直線でしっかりと加速を踏む形になりましたので、スピード一辺倒でもダメ、かといって他力本願でもダメという、非常にわかりやすい地力勝負型のレースとなりました。


勝ったトウシンマカオは、ペースが上がらず馬群が思っていたよりも凝縮した影響をモロに受け、3コーナーでかなり外を回される苦しい形となりましたが、徐々に外が伸びる馬場になっていたことに加え、レースレベルが上がらなかったことで突き抜けるところまで行くことができた。そんなレースだったと思います。
勝つには勝ったものの、中京コースがベストでないことはやはり明らかでしたので、その観点から見ると、スプリンターズS本番が逆に楽しみになってきた。そんな言い方ができるのかもしれません。

2着ママコチャは、前があまり飛ばしていかなかったことで先行2頭の後ろのスペースをうまく拾うことができず、なかなか前に壁を作れない状態のまま、終始力んだ走りになってしまったのが痛かったな、と。
まあ、あれだけ道中で無駄なエネルギーを使ったにもかかわらず、それでいて2着を死守したのはさすがとも言え、やや不本意なレースになってしまいましたけど、結果的には本番につながる収穫の多いレースになったという見方もできそうです。

3着モズメイメイは、インのポケットの位置でうまく脚が溜まり、最後にひと脚使ってしっかりと馬券圏内を確保してきました。
今回は、北九州記念で先着を許した2頭をしっかりと逆転してきましたので、最低限、今のこの馬の充実ぶりを示すレースはできた気がしています。

4着アネゴハダは、内枠を引いて前に壁を作れると、これくらいの時計では走れる馬ですからね。
ずいぶんと人気がありませんでしたが、この馬の地力を考えれば、特に驚くような結果というわけでもないでしょう。

5着トゥラヴェスーラは、善戦マンらしいいい走りができていましたね。
年齢的には、さすがにこれ以上は望み薄のような感じもしますが、、、

7着テンハッピーローズは、得意の夏場だけあって状態面が充実している印象でしたけど、やはり千二の距離だと脚がうまく溜まらず、終いの伸びがジリジリになってしまいました。
それでも、このレースでやりたかったことはしっかりやり切れたと思いますし、次につながるレースにはなったのかな、と。

10着キミワクイーンは、勝ち馬から大きく離されたわけではありませんし、終いもそれなりの脚は使えていましたので、現状のこの馬の力は概ね出し切っているように思います。
道中の立ち回りがうまくハマっていれば、馬券圏内をうかがえるくらいの走りはできていましたので。


◎ママコチャ → 4番人気2着
○トウシンマカオ → 2番人気1着
▲キミワクイーン → 10番人気10着
△テンハッピーローズ → 6番人気7着

自己評価 8/10点


それでは引き続き、「本気の競馬力向上研究所」およびメンバーシップ馬券裁判男が本気でつくった競馬質問箱をどうぞよろしくお願いいたします!

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