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先週の障害戦回顧(7/4,5)


今週も、週末の障害戦の結果を振り返っておきたいと思います。

なお今回は、騎手にスポットを当てた形での振り返りというまとめ方をしてみたいと思います。


最大のトピックスとしては、なにはさておき、中村将Jの2日続けての好騎乗でしょう。

まず、土曜日の福島4R。追込脚質のセイウンフォーカスに騎乗していましたが、勝負どころからインをスムーズに進出して2着に持ってきましたね。

福島コースで、この脚質の馬で勝ち負けに持ち込むのは、決して容易なことではないのですが、完璧な立ち回りで馬券を買っていたファンを大いに喜ばせました。

続いて、日曜日の阪神1R。このレースは、力差のないかなり低調なメンバー構成ながら、障害界のトップジョッキーが居並ぶという特殊な条件になっていました。

その中で、中村将J騎乗のガッツィーソートは、道中、他馬が早め早めに勝負を仕掛ける中で1頭だけじっくりと脚を温存し、ゴール前で一気に差し切るという味なレースを見せてくれました。

もともと中村将Jは、デビュー当時の平場戦でも、インで脚を溜めて馬群を上手に割ってくる印象が強く、ジョッキーとしてのセンスは高かったと思います。

障害騎手としては、なかなか思うような活躍ができていない現状ではありますが、このような騎乗を続けていれば、やがて大きなレースを勝つチャンスもめぐってくることでしょう。


対照的にダメダメだったのが、小野寺J。特に、土曜日福島1Rのジョーカーワイルドの騎乗ぶりなどは、目も当てられないものでした。

行き脚がつかないからといって、スタート直後から馬群の外を押して押して上がっていこうとしたら、本来、勝ち負けになるはずの馬だって、全部、圏外に吹っ飛んでいくのは当たり前のことでしょう。

まるで四半世紀前の競馬を見ているようで、本当にクラっとしてしまいました。

さらに、土曜日福島4Rのフライクーゲル。せっかく好スタートを切って2番手を確保したのに、コース取りが甘い分、レースが進むにつれてドンドンと厳しい位置に押し込められる形になってしまいましたね。

上手く乗っても勝ち負けにまでは持ち込めなかったかもしれませんが、少なくとも掲示板は確保できたはず。厳しい言い方になりますが、やらかす形がいつも一緒で、騎乗ぶりに成長がみられないのは、本当に残念なことです。もう過度な期待はできませんが、小野寺Jの今後の奮起には一応の期待をしておきましょう。


その他、土曜日福島4Rのフォイヤーヴェルクに騎乗した森一馬Jは、もうさすがのひと言しかありません。

決して出脚のいい馬ではないはずなのに、好位のインという絶好のポジションを確保してしまうのだから、フィジカルだけでなく、メンタルの部分もすでに超一流の域に足を踏み入れた印象すらあります。


一方で、同じレースでオブリゲーションに騎乗した小坂Jは、結果的に馬の持ち味を最大限に生かすことはできませんでした。ですが、レースの流れ的にマクリを打つタイミングが見いだせない中で、道中は無理に脚を使わずに、差す競馬を試みた点は評価できると思います。

同じ負けるにしても、次につながる負け方。ここが、小野寺Jとの決定的な違いであるということができるでしょう。


最後に、土曜日福島1Rのトーセンクロノスに騎乗した大庭J。いや~、もどかしいったらありゃしない!

折り合いに難しさがあるこの馬を、道中、完璧なリズム、コース取りで走らせていたところまでは、100点満点の騎乗ぶり。なのに、なんで勝負どころの2周目3コーナーで、まだ手綱を引っ張って脚を溜めてるの???

結果、ゴール前、猛然と追い込んで来ての3着。もっと攻めて乗っていれば絶対に勝てていたレースだっただけに、もうモヤモヤ感しか残りません。

まあ、簑島Jの連続騎乗であれば、きっと馬券圏内もなかったでしょうから、そういう意味では大庭Jの好騎乗とも言えるのだけれど、もうちょっと障害戦での仕掛けどころを心得てほしいなあとは思ってしまいます。


このように、先週の障害戦3鞍は、どのレースも騎手の駆け引きが結果に直結したという意味で、とても見どころが多かった印象があります。

今週も、ワクワクするようなレースが展開されることを期待したいですね。


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