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第60回 愛知杯のみどころ

さて、今週から新企画、「中央競馬全重賞レースみどころ解説」がいよいよスタートします。

週中に投稿した「『本気の競馬力向上研究所』今後の投稿方針について」の中で、当研究所の実情をつぶさに書き込んでみたところ、多くの読者の方が敏感に感じ取って、さまざなな反応をしてくださいました。

早速、たくさんのフォローやスキをいただいたことには、感謝の気持ちしかありませんし、それにより、投稿を続けていくモチベーションも確実にアップ。皆さま、本当にありがとうございました!


さて、今回は新企画のしょっぱなということもありますので、はじめに少しだけ前置きをさせていただこうと思っています。

実のところ、私の重賞実績は、一般のレース以下であるということをまず最初にお伝えしておかなければなりません。

安定して成績がいいのは、別定のGⅡ戦くらいのもので、GⅠやGⅢのハンデ戦に至っては、これまでの競馬キャリア全体の成績を振り返ってみても、回収率が本当に100%を上回っているのかどうか、かなり怪しいところなのではないかと自分なりに理解しています


ただし、そのような成績になるのには、当然、はっきりとした理由があるのですよね。

例えばGⅠですと、ジョッキーや陣営の「勝ちたい!」が前面に出過ぎることによって、「良くも悪くも、力どおりの結果になりにくい」ということが挙げられるでしょう。

また、反対にGⅢのハンデ戦などは、わざと大接戦になるようにあらかじめ仕組まれているわけですから、そりゃあ簡単には当たりませんし、オッズも割れているので、たまに当たっても大プラスにはなりにくいという側面があることも影響していると考えられます。


よって、「中央競馬全重賞レースみどころ解説」を今後参考にしていただくにあたり、上記の点にはよくよくご留意をお願いできればと考えています。

当研究所の投稿を見たことによって、読者の皆さんがむしろ大ハズレの方向に吸い寄せられることにでもなろうものなら、それこそ私としても本意ではありませんので、その点だけは、特に強調させていただきたいな、と。

これらの背景をあらかじめご理解いただいた上で、適宜、投稿内容を参考にしていただくなり、「あいつ、わかってないな!」と笑っていただくなりしてもらえるとありがたいですね。


では早速、愛知杯の見どころを解説していくことにしましょう。


中京11R 愛知杯


まず、このレースで勝負を分ける主な要因となりうるのは、トラックバイアス、及びレース展開であると個人的には考えています。

先週の中京の芝は、土曜前半はイン有利、ところが土曜の後半は一転して外差しがビシバシと決まるようになって、日曜日になると、今度は意外にインも頑張れるという二転三転がありました。

理解としては、「インの馬場は確実に荒れてきているけれど、全体時計が速くなっている分、ペース次第では外を回すと届かない」という事象が生まれているような気がするのですよね。

すなわち、トラックバイアスとレース展開は密接にリンクしていて、その両方をキッチリと読み切れないと、狙いすましての的中はない。そんな難しい状況が生まれているのだろうと推測しています。


次に、メンバーと枠順をパッと見渡してみると、有力馬が内枠に固まったなと感じたほか、先行馬が少なく、アイコンテーラーが外枠から内に切り込んでスローな逃げに持ち込むと、好位がちょっとゴチャつきそうだなというところが、特に気になった点でしょうか。

さすがにこのメンバー構成だと、道中、終始淀みのないペースで流れるとはとても考えづらいですから、基本は前々でレースを運んで、最後の直線で馬場のいいところを選んで走れる馬に有利。そう考えるのが、一番自然なのかな、と。


ということで中心には、③アートハウスを推します。

この馬には、「追走で脚を使うととにかく脆い」という致命的なウィークポイントがあって、2歳時のエリカ賞や前走の秋華賞がそうであったように、自分から外を回して勝ちに行くレースをすると、最後の直線でほぼ無抵抗に失速してしまうのですよね。

反面、忘れな草賞やローズSのように、スローな流れになって前々の位置でじっくりと脚を溜められるような形になってしまえば、勝負どころでの反応鋭く無類の強さを発揮する。そんなキャラクターの持ち主なんだろうと考えるべきでしょう。

で、ここは……という話になるわけですが、アイコンテーラーのスローな逃げをうまく利用して、好位でうまく脚を溜める競馬ができそうですから、枠の並びが微妙でレースがしづらそうなとなりのマリアエレーナと比べると、いろいろと恵まれた部分が多いのかな、と。


2番手は、その②マリアエレーナ

今のこの馬は、どの位置からでも競馬ができますし、力関係的にもここでは上位、さらに中京も得意となれば、評価を大きく下げる理由がどこにも見当たりません。

トップハンデで枠の並びが悪い分、切れ味の差が出てアートハウスの後塵を拝する可能性はあっても、このメンバー相手の大きく崩れる絵面は描きにくいですから、アートハウスとほぼ同格に近い評価で、この位置に置いておくこととしました。

最後までインに閉じ込められて何もできずにレースが終わるパターンだけは、なんとしても避けてほしいな、と。


3番手は、①サトノセシル

この馬にとっては、無駄に外を回されるリスクが低い非常にいい枠の並びになりましたし、デビュー以来、自爆したことがない堅実性も魅力になりますので、シンプルにここでも上位を争える可能性が高いと考えるのが自然でしょう。

先週はハッキリ不調だったルメールJですけど、今週はしっかりと立て直してくるでしょうから、鞍上の腕も含めて考えれば、このあたりの位置でちょうどいいのかな、と。


4番手は、⑨サンテローズ

ちょっと余談にはなりますけど、実はサンテローズがデビューした直後、2020年の6月に私はこの馬の将来性について、このnoteの「本気の競馬力向上研究所」にある投稿をしています。

無料で見られるので、詳細は上のリンクから見ていただきたいのですが、個人的にこの馬の素質はGⅠ級だと考えていて、これだけ順調にレースを使えない中での成績としては現状でも十分に優秀なものではありますけど、秘めたるポテンシャルの高さはこんなものではないのではないか、と。

シンプルに考えると、「出遅れて、ドスローにハマって何もできず……」という姿も頭には浮かんでくるのですが、鞍上はスタート上手の福永Jですし、これくらいのメンバー構成なら、最後の直線で全馬一気にブッコ抜いてしまっても驚けない。そう考えて最後のひと枠はこの馬にしました。


その他、次点は⑪ルージュエヴァイユですけどね。この馬は、オークスでも狙ったくらいの馬で、個人的にも、その素質を高く評価しているのですけれど、ここもまた、フローラSやオークスの時のように、ドスローにハマって力を出し切れないんじゃないか、と。

まあ、考えてみれば当時とは馬も違いますし、展開不向きでもかなりいいところまでは差してきそうですけど、それでもここまでは拾い切れなった。それが正直なところです。


⑮アブレイズも、怖い一頭ではありますけどね。好走があるとすれば、スタート上手な荻野極Jがポンとゲートを出て、逃げるアイコンテーラーの外目2番手を確保。内枠の有力馬にフタをしながら、一歩先に抜け出して粘り込む。そんなシナリオになるのでしょうけど、こちらも確率論から、最後はルージュエヴァイユと同様に拾い切れませんでした。

⑩ルビーカサブランカは、前走が昨年のこのレースと同様にかなり恵まれた競馬でしたから、この枠で武Jに乗り替わるのなら、普通にノーマークでいいのかな、と。

⑧アンドヴァラナウトは、もともと器用に立ち回ってナンボの馬でしたから、福永Jが乗れない中での好走というのは、いかに腕達者なイーガンJといえども、なかなか難しいのではないかと考えています。

⑦ラヴユーライヴの逃げには、未だにちょっと怖さがあるのですけどね。ただ、最近のこの馬の出脚の鈍さを見ていると、奇策を打つのもなかなか難しそうですから、さすがに重箱の隅をつつくような狙いはできないですね。


いや~、ここは新企画第1回目の投稿となりますから、結果はともかく、筋のいい見どころ解説であってほしいと願ってはいるのですけれど……。

なんだかんだ、ここはGⅢのハンデ戦。さて、どんな結果になりますか。



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