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第83回 オークスの回顧

う~ん、サウンドビバーチェの競走除外と発走時刻の大幅遅延が、レースに大きな影響を与えることになってしまいました。もちろん、これも競馬ではあるのですが、やっぱり一生に一度の晴れ舞台ですから、力対力のガチンコ勝負を観たかったな、と。

その点は率直に残念でしたし、正直、ちょっと消化不良のレースになってしまった感は否めません。展開のカギを握る馬がレース直前にいなくなっただけでなく、10分以上も大観衆の面前で輪乗りを続けなければならなかった馬たちへの影響は計り知れないものだっただけに、関係者に気持ちをおもんばかると、ちょっと言葉にならないですね。

ただスターズオンアースに関しては、仮にアクシデントがなくても勝っていたでしょうから、この勝利の価値が貶められることはないでしょう。その点だけは、せめてもの救いだったと思います。

では、早速レースを振り返っておくことにしましょう。


東京11R オークス


まず、レース時点でのトラックバイアスですが、土曜日よりもやや内が踏ん張れる状態に回帰していたので、差し一手の脚質の馬たちには、思いのほか厳しい状況になっていました。

レースラップも、終い4ハロンが11.6 - 11.3 - 11.7 - 11.8ですから、勝負どころで中団より後ろにいた馬たちは、ほぼノーチャンスという競馬だったとみていいでしょう。


勝ったスターズオンアースは、まさに完勝でしたね。この馬に関しては、道中のラップがどうだとか、トラックバイアスが微妙に変化したとか、「そんなの関係ねぇー」という圧巻の勝ちっぷりだったと思います。

なんせ仕上がり状態は桜花賞以上でしたし、舞台が東京のニ四に替わった点もこの馬の背中を強く押したように見えましたから、勝負どころでもう「この馬が勝ったな」という雰囲気でしたし、直線に入って手応え通りにグイグイと伸びてきたのは見事のひと言でした。

この感じだと、牝馬3冠も夢ではなさそうですから、是非とも偉業達成に向け、夏を順調に越してもらいたいな、と。


2着のスタニングローズは、トラックバイアス、道中のペース、枠順、鞍上のエスコートとすべてが完璧に噛み合った感じでしたが、走破時計も優秀ですし、結果論、この舞台に高い適性があったという評価になるのでしょう。

ニシノラブウインクも見せ場たっぷりのレースでしたから、やはり今年はフラワーCのレベルが例年よりも高かったとは言えます。そのことに気づいていながら、この馬を拾えていないのは、個人的に相当ヘタレだったなと大反省しているところです(笑)


3着ナミュールは、道中の立ち回りが完璧でしたし、さほどスタミナを要求されない流れになったことも、この馬に味方していたと思います。距離適性はともかく、なんたってこの馬は、世代を代表する存在ですからね。

鞍上の横山武Jは、2週続けてのGⅠ3着ですけど、どちらも120点のエスコートで騎乗馬を馬券圏内に持ってきていますから、地味ながら大ファインプレーという評価をしておきたいですね。


4着ピンハイは、この条件でよく健闘しました。

結果、桜花賞馬が勝って、チューリップ賞の1,2着が、オークスで3,4着ですから、このオークスでようやく例年通りの傾向を取り戻したと言えそうです。この馬の好走は、この世代の中での力関係を説明する上でも、非常に貴重なものになるのではないでしょうか。


5着プレサージュリフトは、戸崎Jの意表を突いた先行策が、見事に功を奏した形となりました。それでも5着が精一杯だったのは、やはり距離の壁があったというほかないのでしょうね。

6着ルージュエヴァイユは、このペースではここまでが精一杯だったと思います。もっと底力を要求される流れになっていたら結果は違ったと思いますが、今回は力を出し切っていますので、ひとまず納得の敗戦という評価でいいのではないでしょうか。フローラS組の中では、最先着していますしね。

7着アートハウスだけは、完璧に読み通りのレースとなりました。川田Jがああやって勝ちに行くと、終いタルくなるのは最初からわかっていた話ですからね。ただこの馬は、輪乗りでテンションが上がって発汗量が増えていましたから、その影響も少なからずあったのでしょう。まあそれがなくとも、掲示板が精一杯だったでしょうけど、なんとか100%の力を出させてあげたかったなとは、正直、思います。

9着エリカヴィータは、完全な力負けという評価でいいでしょう。決してこの馬にとって厳しいペースではありませんでしたから、それで直線伸びずバテずでは、どうやっても好勝負は難しかったんだろう、と。


12着サークルオブライフは、まったく力を出し切れずに終わってしまいました。

この馬は、パドックからテンションが上がり気味で黄色信号、返し馬で発汗が目立ちほぼ赤信号、輪乗りでパニックに陥ってジ・エンド。すなわち、レースが始まる前に、すでに詰んでいたと考えるのが妥当でしょう。出遅れがあったとか、ペースが合わなかったとかもありますけど、今回に関しては、展開がハマろうが何だろうが、好勝負はできなかったとここで断言しておきます。

ところで、レース前にテンションが上がってしまった原因についてですが、おそらく2週続けて強い追い切りを消化したことに起因するのでしょう。ただこれは、厩舎が勝負をかけた結果なので、後づけでそれを批判するのは明らかに誤り。

この馬を中心視した私もそうですけど、強い追い切りをかけたことを知った上で高評価したわけですから、責めるなら判断を下した自らを責めればいいのであって、結果を見てから調教師をはじめとした陣営を揶揄することは、本当にやめてもらいたいなと思ってしまいますね。そんなことをやっているようでは、競馬ファンのレベルなんて、いつまで経っても向上するはずがありませんから、、、


最後にちょっと愚痴めいたことを書いてしまいましたが、さて、来週はいよいよ待ちに待ったダービーですね。

GⅠレースに関してはここまで連敗続きですけど、ダービーくらいはなんとかしたいなと思ってはいるのですが、さて、どうなりますか……。

業務連絡。その他、今週の振り返り記事に関しては、何日か投稿が遅れます。ご迷惑をおかけしますが、どうかご容赦くださいませ。

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