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第29回 NHKマイルカップ/第46回 新潟大賞典のみどころ


東京11R NHKマイルカップ


今の東京芝コースは、「ここを通らないとダメ」という極端なバイアスがあるわけではありませんが、なにせ全体時計が速くなりがちなので、終始外々を回る競馬では厳しいのは間違いありません。

さらに上がり時計も速いので、悪くとも中団あたりの位置を確保しないとより厳しいレースになることが予想されますので、その意味で言えば、脚質と枠順が今年のこのレースを予想する上で非常に重要なファクターになる。そんな見方をしていいのかな、と。

人気は牡牝の3歳チャンピオンに偏りそうですが、そもそも各馬の間に大きな力差が認められない世代であることを考慮に入れれば、平穏に人気どおりの決着になる可能性が高いと安易に決めつけないほうがいい。当研究所の率直な肌感覚としては、なんとなくそんな気がしています。


そんなこんながある状況の下、今年のレースで特に重要なポイントとなりそうなのが、道中の並びと展開でしょう。

ニュージーランドトロフィーで先行した馬たちの枠の並びが逆転していることもあり、前の並びをどう読むかが結果の成否を大きく左右することになりそうですし、人気上位馬に騎乗するジョッキーたちの意識もより前がかりになりそうですので、このことが着順にどの程度反映されると考えるのか、この点にも慎重な判断を要することになりそうです。


中心には、③ディスペランツァを推すことにします。

この馬は、東京コースで末脚の威力がさらに増してきそうですし、好枠を引いてインにこだわるレースができそうな点も、なんとなく運が味方してくれている気がしています。

あとは、前半の位置取りが極端に後ろにならないか、ですが、そこはトラックバイアスの読みに定評がある鮫島克駿Jのことですから、意識して中団やや後ろくらいの位置を取りに来るとみていいのかな、と。

だとすると、あとは最後の直線で馬群を捌ければ突き抜けるだけの脚を持っていますので、ドン詰まりになって脚を余すのは覚悟の上、この馬の鋭い切れ味に一票を投じる価値はある。そう判断しました。


2番手は、②ノーブルロジャー

こちらも好枠を引き当て、スタートが決まればインのポケットの位置を確保できる可能性が高まりましたので、さらにそこから切れる脚を繰り出せるキャラクターであることを考慮に入れれば、当然、上位に評価しておかないといけない馬ということになるのではないでしょうか。

あとは、前半からそこそこのペースについて行って終いの脚を削がれないか……ですが、前走の追走力があればそこは大丈夫と見ていますので、松山Jがしっかりと乗ってさえくれれば、結果は自然とついてくる。そんな気がしています。


3番手は、⑨キャプテンシー

この馬の前走は、道中でハミを噛みっぱなしになっての失速でしたが、レース前日に枠の並びを見た瞬間から、こうなることはある程度予見できていましたからね。

ここはその気になればハナに行き切れる枠の並びとなりましたし、この馬自身、内にモタれる右回りよりも左回りの東京でよりスムーズに走れる可能性も予見されますので、時計勝負に強い点と今の東京の馬場傾向を踏まえるならば、あれよあれよの逃走劇があっても驚けないのではないか、と。

もちろんピンかパーかの狙いにはなりますが、この人気なら日和る理由はないわけですし、、、


4番手は、④イフェイオン

桜花賞は消化不良のレースに終わったこの馬ですが、今回、再度好枠を引けたことによりGⅠでリベンジのチャンスをもらえた感じはあります。

あとは能力的に足りるかどうかですが、インでじっくりと脚を溜め、一瞬の切れ味で勝負する競馬に特化することで人気上位馬との差は埋められそうですし、西村淳Jもここはインにこだわる競馬で一発を狙ってきそうな雰囲気がありますので、うまくハマれば馬券圏内突入も夢ではないのかな、と。


その他、アスコリピチェーノとジャンタルマンタルは、普通に考えて比較上位ではあるのですけれど、枠の並び、東京芝の究極に時計が速くなりそうな馬場特性、間隔の詰まったローテーションなどを総合的に考慮すると、この人気であえて手を出そうとはどうしても思えなかったので、最後は目をつむって消すことにしました。

また、アルセナールも素材としてはここでも足りそうなのですが、この大外枠はさすがにキツそうですし、ゴンバデカーブースやボンドガールあたりだと、うまく立ち回ってもアスコリピチェーノやジャンタルマンタルに対して劣勢のようにも思われましたので、これらの馬たちに関しても今回は選外扱いとした次第です。


新潟11R 新潟大賞典


ここは、各馬の臨戦過程がバラバラで、ハンデのさじ加減も絶妙ときましたので、仮に同じメンバー、同じ枠順で10回レースをやったら、馬券圏内の組合せはおそらく10通りになりそう。そんな大混戦とみていいでしょう。

しかも展開の読みが非常に難しく、セルバーグの単騎逃げが濃厚というところまではいいとしても、今村Jが道中でどんなペースを刻んでくるのか、後続各馬がどこまでこの馬を追いかけて行くのかもまったく見通せないのですよね。

それゆえ、あれこれと思考回路をこねくり回したところでコレと言った結論が導き出されるわけではありませんから、最後はエイヤーと決め打ちを敢行し、あとは運を天に任せるという方法しか具体的なアプローチ法が見つかりませんでした。


ということで、ここは⑭マイネルクリソーラを中心視することにしました。

この馬は、今まで一度もポカをやらかしたことのない堅実派で、ここも展開の助けがあれば十分に好勝負できる位置にはいると考えます。

また、展開がバラけて仕掛けどころが難しくなりそうなこういったレースでは、丹内Jの落ち着いた手綱さばきが普段以上に頼りになりますので、その点も含め少し評価を高めに設定することとしました。


2番手は、⑯ヤマニンサルバム

この馬は、外を回っての正攻法では持ち味がまったく生きないタイプですので、前走の大敗はノーカウントでいいように思います。

ここは不運にも大外枠を引いてしまいましたが、セルバーグの逃げを単独2番手で追いかける形になればこの馬の力は十分に出し切れるはずですので、左回り2,000m戦での時計勝負ならこの馬でシンプルに好勝負になるはず。最後はそう判断しました。


3番手は、⑮レーベンスティール

この馬は、現4歳世代のレベルの低さとはまったくの無縁で、力を出し切れさえすれば、ここでも楽に勝ち負けできる位置にいる馬。そう考えていいように思います。

ただ、この外枠はプラスにならないのでしょうし、人気を背負って特殊な展開のレースに臨むというのも不利な条件ではありますので、ここはやや評価を落としてこの位置となりました。


4番手は、⑫シーズンリッチ

この馬は、新馬戦の内容から新潟コースがピッタリのはずですから、馬のリズム重視で乗る大野Jのエスコートがピタッとハマるようだと、一発の魅力十分なのかな、と。

距離は千八がベストなのでしょうが、時計勝負なら二千もこなせる馬ではありますので。


なお、ヨーホーレイク、キングズパレス、ブレイヴロッカーあたりにサクッとやられるパターンは、大いに想像できます。ただ、この大混戦の中で「やれあれが怖い、これが怖い」と言っても話はまとまりませんので、「そうなった時はそうなった時」と潔く割り切ってしまったほうが、むしろスッキリはする気がするのですけれどね。


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