音楽は聴くものじゃなくて、浴びるものなんだよ

久しぶりに、本当に久しぶりに、生のライブに行った。
新しくなった渋谷公会堂。
ネーミングライツがLINEなだけあるなーとか思いながら、外観とエントランスを眺め、手指消毒と検温を済ませる。
Eチケットだからモギリもない。自分でスマホを操作するだけ。

本日の席は前から9列目!
久しぶりのライブが、こんなに良席で良いのか!?と言うくらい、近い。
近すぎて恥ずかしいくらいに近い。
席に着いてから、開演までの間のあのワクワク感。
SEで知ってる曲が流れた時の何とも言えない嬉しさ。
マスクの裏でニヤニヤしながら口ずさむ。
「この曲、誰が選んだんだろう?」なんて考えてるうちに、会場が暗転。
聞き慣れた出囃子と共にバンドメンバーがステージへ。

「そうだった。この感覚だ。」
全身で音と振動を感じて共鳴する。
例え声を出せなくても分かる、オーディエンスみんなの興奮。
会場に充満する熱気。
それらが、まるでシャワーのように音と一緒に降り注ぐ。

音楽は聴くものじゃなくて、浴びるもの。
どんなに間が空いてもこの感覚は変わらない。
だから私は生のライブが好き。
全身を貫いていく音の雨粒が、頭の先から爪の先を震わせて、脳細胞が音の洪水に溺れていく感覚。
いつまでも余韻が耳の中で走り回って、外の世界が遠くなる感覚。
このために日々を乗り越えているんだから。
そうやって私の魂は息を吹き返す。

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