お電話混み合っております

これまで通販番組の良さが全くわからなかった。
第一そんなに安くないし(場合によるけれど)、商品の紹介の仕方はわざとらしいし、特に魅力を感じていなかった。

産休に入り平日の昼間を家で過ごすようになってから、ネトフリやらで特に見たい映画があるわけでもなく、何をして良いかわからずテレビを垂れ流していた。
昼過ぎになるとどこもワイドショーばかりになり、見たくないなぁと思っていたとき、ケーブルテレビのチャンネルで24hの通販番組をやっていることに気がついた。
私が今まで見ていた通販番組よりもマイルドでうるさくなく、なによりその時やっていた服がものすごくダサかった(あくまで私の価値観上であり、着こなしによってはきっと素敵になるのだとは思う)。
あまりのダサさに衝撃を受けて思わず見入ってしまい、なんとなく引き込まれてその後もしばらく見続けていた。

それからと言うもの、私は見たい番組がないときになぜか通販番組のチャンネルを見るようになっていた。
CMがなく、1時間ごとに淡々と商品を紹介していくスタイルは、垂れ流しておくのにちょうど良いのだ。
そんなこんなで見るようになってから5ヶ月ほど経った今、ついに私はキッチングッズを購入してしまった。
購入した以上、ハマってしまったと言って良いかもしれない。

流石にまだ年代的にグッとこない商品も多いので、いやいやこれはないわー などと思いながらも楽しんでしまっている自分がいる。
もしかしたら、案外みんなそんな感じで見初めていて、気づけばフィットする年代になっていくのかもしれない。

私たちの世代、いわゆるミレニアル世代は、ネットでできるならネットでやろうと言う人も多いので、電話注文の文化はなくなっていくのかもしれないが、通販番組自体はもしかすると無くならないのかもしれない。
ぼんやりと何も考えずに、ニュートラルな気持ちでつけていられる番組はなかなかないからだ。
変わっていくとすれば、さらに安く購入できる場がないかをすぐに調べられてしまうので、最もお得である、もしくはそこでしか購入できないという付加価値をよりたくさんつけていくようになるのかなと思う。
今の時点でも、オリジナルでここでしか買えない!と言う商品は数多い印象だが(特に衣料品)、逆に、いやそんなブランド知らんし といったマイナスな気持ちが働くことも多いので、名の知れたブランド製品の別注品みたいなものが増えると、比較的受け入れやすくなるのかもしれない。

何をこんなに真面目に語っているのやらという感じだが、仕事から離れると日常のささやかなことに対してもあれやこれやと考えるようになるらしい。

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