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RAC活動レポート【2020年度】

平素よりRACを応援いただきましてありがとうございます。代表の千葉彩です。コロナ禍で事業のやり方を変えて、2020年度が過ぎました。

現在RACではコロナ禍だからこそ、届けられる場や情報を試行錯誤して事業にチャレンジしています。オンラインでの息抜き会を3月から5月まで行っていたことも新しい取り組みです。

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まだまだ発展途上の活動にはなりますが、このnoteでは2020年に行ったRACの活動について報告させていただきます。

(1)2020年までを振り返って 代表千葉の想い

RACは2017年夏に任意団体としてメンバーが集まり、2018年2月に一般社団法人を設立しました。

週末里親の普及啓発から活動を始め、短期の里親、校区里親、そして一般の人にももっと関われる可能性の高いショートステイや“近所deすごし隊”という近所預かり事業に力を入れてきました。

どれも今までの長期のイメージを持つ「里親」とは少し異なるものです。

私たちが生きていくのには、もっと血の繋がりにこだわらない、少し距離をおき見守ってくれるだれかが必要だと思っています。

それは大人でも子どもでも関係ありません。理由をうまく話せなくても、ちょっと距離を置きたいときがあります。そんなときに理由を問わずに、離れられる場所やちょっと距離をおいて見守ってくれる人がいれば。

「家族と居るのがつらい。家を出たい。でも行く先はない。もっと安全な家出先が欲しかった。」
「どうしてお父さんとお母さんのせいなのに、私が出ていかなきゃいけないの?」

子どもが保護された時に、今はその8割は遠方の児童養護施設に行かなければなりません。今までに通っていた学校や、信頼していた友人からも引き離されてしまいます。

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そんな時、近所に地域の里親さんがいれば。

親とは少し距離を起きながら、同じ学校に通い続け、大切な関係性を引き離さない仕組みを作りたいと思います。


大人は家をでられるかもしれない。今はいろんな拡大家族やシェアも認められつつある。とくにコロナ禍で家に居なきゃいけない時間が増え、家族と葛藤を抱える大人も子どもも、距離感を欲しています。でも子どもたちにはその行き先も、権利もまだない。そう思う瞬間があります。

私達は子どもたちを見守ってくれる、「公的な家出場所」を増やしたいと思っています。


(2) RACのビジョン


RACは、家族を頼れない子どもを応援します。子どもたちが困った時に、身近にいる大人を安心して、頼り、つながれる社会を目指します。

そしてそれは親を応援することでもあります。子育て中に、育児で不安を感じること、孤独を感じること、投げ出したくなること・・・色んなことがあると思います。

特に困った時に、すぐ頼れる人は身近にいないかもしれません。事前に頼んでいないと、子どもを預けるなんて「親失格」と思われるんじゃないかと不安になることもあるでしょう。


そんな時に、理由を聞かずに預かってくれる人がいたら。そしてそれが地域に、近くにいてくれたら。

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私達はその役目を、「地域の短期里親さん」「ショートステイ里親さん」を広めることで関わっていきたいと思います。

(3)2つの事業

私達は「里親の普及啓発」として「里親すすめ隊」と、

「ショートステイの仕組みを広げる活動」として「近所deすごし隊」の2つを行っています。

それは「どんなときにでも子どもが駆け込める場所を地域に作りたい」と思った時に、里親という仕組みで広げると可能性が高まると思っているからです。

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この図のように、知っている人から増やし、年に1回なら預かってもいいよ、終日ならいいよ、という人を増やしていきたいと思い活動しています。

(4)2020年度の活動一覧

3月末までは、プロボノで伴走いただいたサービスグラントさんに入っていただき、近所deすごし隊の事業を具体的にどこで勧めるか検討しておりました。(ただしコロナ禍により実際の預かり事業はパイロット事業で終了しております。)

(5)2月28日よりオンライン息抜き会を開始

北海道の緊急事態宣言に合わせ、オンラインのZOOMの仕組みを使い、お茶会を開催しました。(費用は無料。ゲストが来る会と、参加者のみで雑談できる会の両方を行っていました。)

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のべ約30日間(うちゲスト回が14日)、参加者数のべ95人が参加してくださいました。そのうち半分は、「子ども部屋」という別のZOOMのURLを作り、子どもらがお絵かきをしたりお話を聞いたりできる時間を同時並行で運営していました。

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【対象者】突然保育園や小学校が休校になってしまい、家で長時間子どもと向き合うのがつらい、もやもやを吐き出したい、誰か人と会える場所に顔を出したい、親子さん。

【ゲスト会】子育てや医療に関わる専門家をお呼びし、休校中の困ったことや予防接種のこと、コロナで不安な気持ちをどう処理していいかなど気軽に相談できる場所を作ってきました。

ゲスト会(合計15回)に来てくださった方は

医療側では 山口有紗先生(児童精神科医)、山形てるえさん(助産師)、林伸彦先生(産婦人科医)、

子育て支援側では 高祖常子さん(子育てアドバイザー)、小笠原 舞さん(保育士起業家)たちです。

ゲスト会では特に専門家に対して、「実際に子育てでコロナに対して何を気をつけたらいいのか?」「他の家庭の子どもと遊ぶ方針が異なりどうしたらいいか?」などの質問が多く寄せられました。

参加者の声

子どもを見てもらいながら、息抜きしながら参加できました。ありがたかったです。

(6)オンラインイベント2回(7月18日、8月29日)

・里親×「高齢者・地域」(参加者20名)

・里親×「シェアハウス」(参加者41名)の2テーマで開催しました。

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特に「血の繋がりのない他人だからこそできること」は、里親という枠を超えたテーマでお話できる機会となり、課題をどう捉え関わってくのかについて議論が白熱しました。

感想を一部ご紹介します。

とても素敵な企画でした!お三方とも話が面白かったです。/出来ないことばかり目について、萎えていましたが、今日のtalkを聞いて、腹の底からやる気出ました。 やっぱり「やってる人」は、歩きながら「やる」ということを目撃できて、大感動でした。動くしかない!/本日は本当にありがとうございました。自分がやりたいことの課題などが見えてきた気がしてどう具体化すればいいのか考えさせられるいい機会になりました。また第2段などがあればぜひ参加したいです。/誰もが自分らしく生きていける場を作ってくれて感謝です! 今日のイベントに参加して本当に良かったです!ありがとうございました!/第二弾もぜひ。それから同行したいです! 本当に面白かったです。耳だけ参加になってしまったのですが、これは企画したい!と企画者が思った理由がよくわかりました。企画運営ありがとうございました。/とても面白い対談だったので、次回があることを期待してます。

シェアハウスなどでポジティブに血の繋がりのない人と生活する部分に、特に共感の声が大きく上がりました。

里親に関するコメントを抜粋します。

里親のハードルを下げる、という考え方なるほどと思いました。/生涯里親でない、里親があるんだ!/里親=一生というものだと思っていたので、新しい発見でした。/養育里親について、まったく理解していなかったので、全てが新鮮でした。/里親制度のついて知らないことばかりだったのでとても勉強になりました。週末里親とかハードルが低いやり方もあるんですね。
/里親についてですが、養育里親という名前すら知らず、勘違いしている事がたくさんあった事がわかりました。とても分かりやすい説明、ありがとうございました!

里親、養育里親に関してはまだまだ知られていないことがわかるコメントでした。もっと知って頂き、街の中で暖かく見守ってもらえる存在であるように応援していきます。

(7)2020年に取り上げていただいたメディア

メディア Fledgeさん

子育てを抱え込まなくても良い世の中に。人と人との繋がりがつくる、新しい家族のかたち

朝日新聞

「私も育児放棄していたかも」孤立する親を救う場所とは

こちらではRACの息抜き会の時の様子を写真付きで紹介していただきました。

その他千葉が登壇させていただいたイベントとしまして

「休校中をどう過ごす?」ホームエデュケーション家庭と海外在住者から学ぶ BYとまり木オンラインサロンさん

などがありました。


以上、簡単ではありますが2020年度の振り返りとさせていただきます。

(8)RACでは寄付を募集しています。

RACでは私達の活動に賛同していただける方に寄付をお願いしています。

私達は非営利団体であり、理事は全て無給で関わっています。それは一人でも多くの家庭に私達の活動を届けられたらという想いのもとで活動しているためです。また企業協賛も募っています。今までにKao 花王株式会社さんに社会起業塾の一環で関わって頂き、協賛をしていただきました。

↓寄付ページはこちらのサイトから見ることができます。

現在はイベント開催時の寄付と、年間継続的に寄付していただける方のお力で活動を行っています。クレジットカードが利用できます。単発でも少額でも構いません。

いつも応援をいただき、ありがとうございます。