絵が上手くなるために重要なこと Part1

1. はじめに

この記事に書かれていることは、おそらく絵が上手い人なら無意識のうちに自然とやっていることで、そういった人からするとごく当たり前のことだと思います。

「長年絵を描いていてそれなりには描けているけど、伸び悩んでいる…」

「絵が上手くなりたくていろいろ練習しているけど上手くなっている実感がない…」

という人にはなにかのヒントになるかもしれない。そういう思いから、自分用の備忘録も兼ねてnoteにまとめてみることにしました。「絵」という言葉を使っていますが、キャラクターメインのイラストや漫画を描いているという方向けです。(私も趣味で漫画を描いて同人誌を発行しています)

2. 絵が上手くなるために重要なこととは?

ずばり結論から言うと、

"気付きを得ること"

これです。かっこつけた言い方をしましたが、要するに「気付くこと」ですね。「新しい発見をする」とも言い換えることができます。

私は絵が上手くなるプロセスは、

気付きを得る

自分の中の認識がアップデートされる

自分の絵に反映する

このサイクルだと思っています。これの繰り返しで絵は上達していくんですね。では、詳しく解説していきましょう。

3. "気付きを得る"とは?

絵の上達のために、デッサンやクロッキー、模写などの練習をしたことがある方は多いと思います。しかし、練習は漠然とやっていても効果が薄いです。よく「意識して練習しないと意味がない」といった意見も目にしますね。では、具体的になにを意識すれば良いのでしょうか?

意識するべきこと、それは『その練習をすることで、気付きを得る』ということです。

デッサンやクロッキー、模写などの練習をおこなったとき、(あれ、この角度から見た時にこのパーツはこんな形に見えるのか)と気付いたり、(思っていたよりもこのパーツは後ろ側についているな)と気付いたりした経験はないでしょうか?

または練習以外でも、筋肉や骨格の勉強をして(ここがこんな風につながっているのか)と気付いたり、他の作家さんの作品を見て(こういう描き方もあるのか)と気付いたり、自分の絵を見て(ここがおかしいかも?)と気付いたりしたことがきっとあると思います。

その気付きこそがとても重要で、意識することによってよりたくさんの気付きを得られるようになるんです。

例えば、練習をおこなう時は「最低でも1個は新しい発見をするぞ!」という意気込みでおこなったり、自分の作品作りの際にも「なにか気付くことはないか?」とじっくり自分の絵と向き合ったり、他の作家さんの作品を鑑賞する時も「こういう描き方をしているからこういう風に見えるのか」と観察してみることが大切です。

さらに付け加えると、得られる気付きはより具体的な方が良いです。例えば他の作家さんのイラストを見てただ「画面が華やかだな」と気付くだけでなく「どうして画面が華やかに見えるのだろう?」と観察してみて、「色彩が鮮やかだから華やかに見えるのか」という気付きを得る、といった具合です。

気付きが具体的であるほど自分の認識をアップデートしやすく、その結果『自分の絵にどう反映することができるのか』が明確になります。

4. 自分の絵を形作るもの

では、なぜ気付きを得ることが大切なのかということを解説していきましょう。

絵というのは、自分の中にあるたくさんの認識によって作られています。

そのたくさんの認識の中には、無意識だったり、間違っていたり、あやふやだったりするものもたくさん混ざっています。それ自体は当たり前のことで、悪いことでもなんでもありません。

しかし自分が描きたいものや表現したいものを描こうとしたときに、自分の中の認識が間違っていたり、あやふやだったり、無意識であるため自分の意志で引き出すことができないことがあります。

それらの認識を正しいものに書き換えたり、より鮮明にしたり、意識的に認識することによりいつでも引き出せるようにするために必要なのが「気付き」なのです。

つまり"気付きを得る"ということは、自分の中にある認識をアップデートする、ということです。

自分の中の認識をアップデートすることで何が変わるかというと、ひとつの物を描こうとする場合でもたくさんの認識が自分の中にあるため、より自分の好みの認識や、その表現したいものに最適な認識を選び取ることができます。

よく言われる「自分の引き出しを増やす」ということは、「自分の中の認識をアップデートし、蓄積すること」だと私は解釈しています。

5. 自分の中の認識についての補足

先ほど「間違っている認識を正しいものに書き換える」という言い方をしましたが、絵というものは正しいものが良い、というわけでもありません。正しいものを知った上で、自分の好みや自分の表現したいものにより合う認識を選び取って自分の作品に反映していけば良いと思っています。

例えば、眉毛や目が前髪に透けている表現をよく目にしますが、現実の見え方としてはありえないですよね。その認識はもともと自分の中にあったとします。

ですが、例えば他の人の作品を見た時に「前髪に眉や目が透けていると表情が隠れなくて良いな」と気付きを得ると、自分の中の認識が「現実としては前髪に眉や目が透けることはありえないが、絵としては透けていると表情が隠れなくて見映えがいい」とアップデートされます。

そして自分が絵を描く時にもその認識を反映することで、表情をはっきり見せたい絵の時には前髪に透けさせ、逆に表情を敢えて隠したい絵の時には前髪に透けさせない、という風に絵の幅が広がります。(※これはあくまで例え話です。)

自分の中の認識をアップデートすることは、ただ単純に正しい絵を描くためのものではなく、より自分の好みや理想に近づけるために、表現の幅を広げるということだと思います。

ちなみに絵というのはどうしても流行り廃りのあるものなので、古臭い表現は避けたいという場合にも常に自分の中の認識をアップデートして新しい表現法を身に着けていくことが大切になってきます。

6. Part2に続く

それでは、Part2ではより効率的に気付きを得るために大切なこと、そして自分の絵に反映していくという部分について詳しく書いていきたいと思います。

ここまで読んでくださりありがとうございました。良かったらPart2も読んでいただけたら嬉しいです。

Part2はこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?