元想細片/150610

●腐肉草(花)

 あまり人の立ち入らないような森の奥のほう、じっとりと湿り気のある場所で苔などと一緒に生えている花なのだが、夜に赤い花を咲かせたあとは肉厚の花びらがすぐに溶けはじめ、昼にはどろどろの赤い塊を残すだけとなっている。また、その塊からは腐肉のような匂いもするため、虫などが集まっている事も多い。
 咲き始めたばかりの形がしっかりと残っている花びらには強い薬効があり、また非常に良い香りがたちこめるといわれているのだが、腐肉草の目撃数そのものが少なく、また花が開く時期もしっかりとわかっていないため、形が残っている花びらを手に入れる事は滅多にできないといわれている。

※この「 #元想細片 」は、架空の品物を扱った百科事典風の読み物です。
 詳しい説明はこちらのページをご覧ください。

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