元想細片/140622_2

●恋人の神殿(場所)

 とある都の郊外、切り立った崖に開いている小さな洞窟である。入口のそばには大きな岩が幾つもあり見通しが悪く、慣れた者でなければその場所へたどり着くのは難しい。
 小さな鍾乳洞であり、数分と歩かないうちに突き当たりの空間にたどり着くが、そこには大きな鍾乳石が地面から生えており、真っ白なそれは見ようによっては、ローブを羽織った人物のようにも見える。
 はるか昔、互いに見初めあった身分違いの恋人が潜むようにこの場所で逢瀬を重ね、洞窟の奥にある鍾乳石を女神像に見立てて愛を誓い合ったという伝承が残されている。

※この「元想細片」は、架空の品物を扱った百科事典風の読み物です。
 詳しい説明はこちらのページをご覧ください。

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