今日の読了、と、いいますか……

 去年の末にちょろっと書いたきり、読書記録をつけるのを忘れていた。
これはいかんということで、とりあえずは正月から2月末くらいまでに読んだ本のなかから、印象に残っているものをいくつか。

◆のぼる小寺さん (著:珈琲/アフタヌーンKC)

 小寺さんという高校生が、部活でボルタリング(フリークライミングの一種。人工的な突起物が設置された壁面を登っていく競技)をしている様子と、その周囲の人々の日常生活を描いたマンガです。いまのところ単行本は2巻まで出てまして、まだ続きます。
 ボルタリングってのは自分でもほんの少しだけ挑戦したことがありまして。いや、今はちょっとご無沙汰状態なんですが、それでもいまだに興味はありまして。そんな中で、ボルタリングのマンガがあるということで読んでみたのですが、これが面白い。
 なんというか、主人公の小寺さんが非常にかわいらしい。表情の変化もほとんど無く、かなり寡黙。下手したらまともに台詞がない回なんかもあるんですが、それでも、かわいらしい。
 なんというか、彼女は非常にまじめなのですね。そして真剣にボルタリングに取り組んでいる。その様子が、周りのクラスメイトに「あ、自分もがんばろう」みたいな影響をしずかに与えていく様子が、みていてほほえましいというか、うらやましいというか。いかにも青春の1ページって感じ。
 ボルタリングという競技に関する説明はほとんど無いですが、そもそも技術や作戦を楽しむスポーツマンガではなく、青春ものというか日常ものというか、そうした世界の1つの味付けとしてのボルタリングなのかもしれません。
 ひっそりと体を鍛え、もくもくと壁にとりつき、のぼっていく小寺さん。こういう青春も、悪くないと思います。

   ☆

◆星座と神話がわかる本 (編:宇宙科学研究倶楽部/学研)

 コンビニで見かけて衝動買いした本。星座ってのは興味があるんですが、夜空を見上げても、どうにもどの星がどの星座なのかがいまいちわからない。そんな状況を少しでも改善できればと目論んでいたのですが。
 残念なことに、夜空の写真や星座図はほとんど載っておらず、その代わりに神話や伝説をモチーフにした絵画彫刻などの写真とともに主だった星座にまつわる伝説などを解説してくれます。これはこれで、なかなか雰囲気があってよい本です。こういう物語を思い返しながら、あらためて星空をながめてみるのもいいかもしれません。もう少し暖かくなったらやってみよう。
 40以上の伝説が収められているので、ぱらぱらとページをめくりつつ気になった話を読み返しております。

   ☆

◆ローマ人の物語[電子版] (著:塩野七生/新潮社)

 はい、とんでもなくでかいタイトルがきました。実はだいぶ前から興味はあったんですが、ハードカバーだと15冊、文庫版だと43冊という超大作。勢いで読み始めるには、相当にでかい山でして、だいぶ前に文庫を2冊くらい買って、すこしだけ読んでそのまま放置していたのですよ。
 それが今年の正月にアマゾンでまとめ買いキャンペーンを行ってまして。電子版の全15冊を買うと一割くらい値段が安くなるのに引かれまして、『熟慮の末に衝動買い』というわけのわからん行動に走ったわけです。
 で、これが電子書籍だから非常に読みやすい! 読んでる場所は記憶されてるからぱっと続きから読めるし、そもそも自分のスマホに15冊分のデータを全部入れてあるので、いつでも好きなタイミングで読める。とくに寝る前。画面が光ってるから、部屋の明かりを消した状態でもどんどん読書がはかどる(そして睡眠時間が削れる)という、すばらしくもおそろしい状態です。
 おそらく、このシリーズが今年の課題図書として、一年かけて読みつくすつもりです。いや、そのつもりだったのですが。
 2月が終わった時点で、5巻「ユリウス・カサエル ~ルビコン以後~」を半分ほど読みつくしております。なんだこのハイペース。
 正直いいまして、私は歴史ってのが非常に苦手なんですよ。年号も覚えられないし人名も地名も各種戦争・条約・その他もろもろ固有名詞もすべてひっくるめて、まともに覚えられない。(正直言うと、ルビコン川の場所を盛大に勘違いしていたのだということに、この本を読んでいて気づいたくらいである)
 そんな歴史素人でも、著者の塩野さんの説明が理解できる! 本当に必要な場所にスポットをしぼって、かつ前後関係も含めて説明してくれているというか、可能な限り史実に忠実に、ときおり過去の歴史家の評価や想像を交えつつ、ローマ古代の人々へ敬意と愛情をもって時のローマ人がどんなことをしたのか、教えてくれるわけです。
 神話の時代から連なる伝説を紹介しつつ、実際はおそらくこうであろうという推察を交えつつ、ローマの「7つの丘」に人々が定住し、いかに仲間を増やしていったか。
 アフリカのカルタゴからやってきたハンニバルという脅威に対して、いかにローマの人々が団結し、それを退け逆に版図を広げていったのか。
 脅威が過ぎた後の平和な時代となったものの、戦争の副作用ともいえる問題に直面し、混迷するローマの人々。
 そしてそんな混迷の時代に現れた、ユリウス・カエサルという男がいかに戦い、そのなかで敵を退けていったのか……
 ここまでで、4巻と半分。残りは、10巻ちょい。もちろんこれは歴史的な事実を解説する本なので「最後に予想を裏切る展開」とかが無いことは分かっているのですが、淡々とした事実の説明だけでもこれだけ胸踊り、先が気になるというのは、その当時がそれだけスリルとロマンにあふれていた時代だったのか、それとも著者の技量がすごいのか。
 ……きっと、その両方なんだろうなあ。とりあえず、今年いっぱいをかけて、このローマ人の物語につきあってみます。
 たぶん夏ころには一通り読みきってると思うので、また読み返すのか、関連書籍に流れていくのか。どっちなんだろう。……きっと、その両方なんだろうなあ。

   ☆

 以上! なんというか、あきらかに最後のシリーズだけ量が多い! まあ、半分が電子書籍万歳って内容になってるので、実際の本の内容に関しては、ほぼ同量かなあ。まあ、そんな感じで、今後もちょこちょこと読了した本の感想など、書いていきます。

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