見出し画像

ステージ4の転移巣(転移先)手術不可だったら原発巣の手術もする必要なし!?

がんが発生した臓器を原発部位といい、そのがんを原発巣といいます。一方、原発巣から離れた部位に転移したがんを転移巣といいます。

例えば肺にがんがあっても、大腸のがんが肺に転移した場合には肺がんではなく大腸がんの肺転移と診断されます。(大腸のがんが原発巣、肺のがんが転移巣となります)転移巣は原発巣の性質を示します。

結論としては、状況にもよりますが、直腸がんであれば、手術をしたほうがいい場合が多いようです。

では、そもそも、「ステージ4の転移先手術不可だったら原発巣の手術もする必要なし!?」と見出しにつけたかというと、国立がん研究センターが検証した結果があるからです。

以下、簡単に説明します。詳細は、国立がん研究センターの以下のウェブサイトをご覧下さい。

********************************************************************************
・検証の結果、原発巣切除・非切除で生存期間に差はなかった。原発巣切除では、切除後の化学療法による有害事象の頻度が高く、より重度で、合併症死も認められた。

・ステージ4大腸がんで原発巣による症状がない患者さんに対しては、これまで原発巣切除が多くされていたが、本結果により原発巣非切除で、化学療法を行うことが標準治療となることを世界に先駆けて明らかにした。

・今回の臨床試験で、これまで十分な根拠がないまま広く行われていた化学療法施行前の原発巣切除に対して歯止めをかけ、原発巣は非切除のまま化学療法を先行する治療が第一選択として推奨されます。

********************************************************************************

では、なぜ直腸がんの場合は手術をしたほうがいいのでしょうか。
これについて解説します。

ここから先は

127字
この記事のみ ¥ 100
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

スキやサポートを頂けましたら幸いです。 励みになります。