モンスターハンターライズ:サンブレイクのネガティブな話(2022/09/17執筆)

はじめに

本作は株式会社CAPCOMより2021年3月26日に発売された「モンスターハンターライズ」の大型拡張コンテンツです。本作は新マップや新モンスター、新システムの追加が行われました。

私はSwitch, PC合わせて1200時間ほどプレイし、MRは一応両方100を超えるまでプレイをいたしました。その上での評価を書いていこうと思います。

注意事項

  • ネタバレを含む可能性あり

  • ネガティブな評価が多数

  • 入力はSwitchのプロコン準拠

マップ

MHWと同様にシームレスに全エリアへ移動できるタイプで、Wと比べると比較的フラットな構造が増えました。恐らくですが、翔蟲で自分から空中に移動できるため、段差が必要なくなったからかと思います。
また、階層構造も上下二層程度と比較的シンプルになっています。

モンスターのいる階層

前作ではモンスターが自分のいる場所より上にいるのか下にいるのかマップを見ると分かるようになっていたのですが廃止されました。正確には、別の階層にいる場合は暗く表示されます。
寒冷群島はともかく、他は階層が重なっているので、パッと見た時に判別が一瞬でつかない設計にしたのはあまり良い設計とは言えないと思います。

現に、本作(MHR含む)から始めたという方の配信を幾つか見ましたが「アイコンがある場所にいるはずなのにモンスターがいない」という発言を何度も聞きました。

ガルク

ライズより追加された新しいオトモで、搭乗することでマップ内をより高速に移動できるようになります。また、搭乗した状態でアイテムの使用ができるので、砥石の使用などが安全にできるようになりました。

自動追跡の廃止

MHW:Iではモンスターライドというシステムがあり、そちらではターゲットしたモンスターを自動追跡してくれたのですが、本作では廃止されました。
前作はマップ構造が複雑だったので(解放条件があるとはいえ)救済措置のようなものだったのでしょうけども、先のマップの件で指摘した問題点もありますし、高低差があり階層が分かれている以上は廃止するべきではなかったと考えます。

疾替え

大まかに説明すると、入れ替え技を事前に2セット作っておき、フィールド上でZL+X+Aを入力することで入れ替えられ、戦い方を変更することができるシステムです。

必要性

このシステムを使用することで「基本的な武器行動」と「鉄蟲糸技」を入れ替えることができるのですが、前者はともかく後者のために実装する意味はあったのだろうか?という疑問があります。

ZL+X, ZL+Aの2つが割り振られているわけですが、それぞれの2つ目の技をZL+Y, ZL+Bに割り振れば良かったのではないか?という疑問です。ZL+Bには翔蟲受け身がありますが、基本的には吹き飛び中にしか使えませんし、特定武器種では空中にいる時でも使えますが、あまり使い道がないためオミットしても良かったのではないかと思います。

ガルク搭乗状態での使用

疾替えはガルク搭乗状態でも行う事ができますが、上記の入力ではできません。アクションスライダー、またはショートカットに登録している場合のみ可能です。恐らくZLの入力がガルクのドリフトと衝突するからなのでしょうが、であればそもそもこの仕様は実装するべきではなかったと思います。

一つの機能にアクセスする手段が複数ある事自体は決して悪いことではありませんが「特定条件下ではこのアクセス方法が制限されるから他のアクセス方法を用意しました」というのは悪手です。

専用スキル

合気と伏魔響命という、疾替え(疾替えの書)を使うことに意味があるスキルがあります。どちらも上級者向けのスキルなので、使いこなすのは難しいです。これらですが、個人的には「疾替えを使うことに無理やり意味を持たせるために作ったスキル」のように見えてしまいます。

またスキル構成次第ですが、疾替えをするだけで回復を済ませる構成も存在します。この場合「コストを支払い、若干のリスクを伴う事で体力を回復する」という基本部分が否定されているため、正直過剰だとも思っています。

傀異化

サンブレイクにおけるエンドコンテンツで、既存のモンスターに攻撃力などのステータス強化と刧血やられを付与するというデバフの追加が行われました。

調整不足のままリリース

これはアップデートで調整された内容ではあるのですが、初期の傀異モンスターは明らかに調整を行っていませんでした。最初に戦う傀異化モンスターはアオアシラなのですが、このモンスターは耐久力・攻撃力ともに高くないからこそ許されてはいますが、非常に強力なモーションを持っているモンスターです。そんなモンスターが移動速度や攻撃力を強化されれば、強いのではなくただ疲れるモンスターに成り下がります。

アップデートでステータスが全体的に下方修正が入ったとは言え、リリース時は調整をちゃんと行っていなかったとしか言えません。

傀異化素材の対応モンスター確認

リリース時では全部で8種類あり、倒したモンスターに対応したものがドロップする仕様で、初期では武器を最高ランクに強化するために使われていました。しかし素材の対応状況を確認する手段がハンターノートしかないという状態でした。

後のアップデートで追加された傀異討究ではクエスト確認の時に表示されるようになっていますが、傀異クエストの方ではまだ未表示のままです。
傀異クエストの方でも表示はできそうなものですが、メインは傀異討究で行くのでしょうから、今後も実装されることはないでしょう。
(個人的な話をすると、傀異討究というアップデート後のコンテンツに力を入れてリリース時のコンテンツの設計をないがしろにするのは不愉快です)

傀異錬成

エンドコンテンツの1つで、武器のカスタム強化や防具の性能をランダムで変動させる機能です。これをやるために傀異討究を周回するのですが、そもそもとしてエンドコンテンツをランダムに依存するのは悪手です。(前提として、収益が得られるわけでもないものにガチャ機能実装するのも考えもの)

そもそも、本ゲームの目的はモンスターの討伐であって、防具の強化は手段です。手段ではなく、目的の方をエンドコンテンツとしてちゃんと発展させるべきです。傀異討究をクリアしたご褒美として見た場合でも「ご褒美はガチャをする権利です!」は、控えめに言っても狂ってます。

また、防具の錬成時にまれにレア演出が表示されるのですが、そもそもレアの定義が曖昧なシステムであれを表示するのは良くありません。Steam版の方で「モンハン:カジノ」なんて揶揄されているのを数件見ましたが、パチンコのような射幸心を煽る演出を入れることを規制しているぶん、カジノの方が遥かに健全です。

オンライン機能

参加要請

まず参加上限の撤廃がされたことによって、MHWであった「1人では勝てないから救難を出したのに、参加した人全員がリタイアする」という悲劇がなくなりました。これは間違いなく改善点です。

ただし検索機能がなくなったため、今自分が欲しい素材のモンスターがターゲットに含まれるクエストを見つけるのが困難になりました。(恐らくサーバー不可軽減のためと思われます)

なお傀異討究ではターゲットモンスターの指定ができます。現状問題がありますが…

改造クエストの対策不足

アップデートで追加された傀異討究クエストにおいて、不正な改造を施されたクエストが確認されたという報告があり、9月6日にCAPCOM公式が改造クエストかどうかを見分けるデータを公開をするという自体が発生しました。
ただし、参加要請の場合は参加するまで改造クエストかどうかが分からないので、根本的な解決にすらなっていません。(少なくとも、ワールドの参加可能なクエスト一覧を表示する仕様であればよかったが)

そもそもとして、過去作品で「改造ギルドクエスト」というもので問題になったにもかかわらず、マルチが容易になった作品でフィルター機能をそもそも実装していなかったのは擁護できません。(アップデートで実装する予定ではある模様)

おわりに

システム的にネガティブな部分をこき下ろすような内容になってしまいましたが、私自身も開発する立場の人間なので、自戒の意味もあります。

ただ、ちゃんと本音を言うのであれば…鉄蟲糸技主体にして、高速化し、カウンターゲーにして、大技に大技で返すゲームを作るなら、それはモンハンである意味はないです。それをやるならデビルメイクライでやってください。

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