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適切なナンピン幅とは

自動売買(EA)を検証、紹介しているwingです。
今回はEAにおけるナンピンの幅、要するに複数ポジションを持つときの間隔について記事を書いてみました。

EAを稼働させる際は、裁量トレードとは異なり、1ポジションで決済するプログラムはまず不可能だと思います。

ある程度、高い勝率と複数エントリーで挙動を安定させるのがセオリーだからです。

では、最適なナンピンの幅はどのくらいでしょうか?
実は、これには正解がないのですが、通貨ペアによる価格変動(ボラティリティ)をみて判断する。というのが最適解です。

一例として、エントリーしてからエグジット(利確)する幅を20pipsと決めている人は多くみられます。
FXチャートをみても、価格の切り替わりから20pips進むと、一度戻ることが確認できます。これは、20pipsで利確した人が一定数いることを示します。

ならば、20pipsでよいのでは?と思われるかもしれません。しかし、FXはそんなに単純ではありません。たとえば、CADJPY(カナダドル/日本円)の直近チャートです。

CADJPY日足

これを見ると、ほとんど戻ること無く、118円から101円まで急落しています。このときの価格変動は17円(1700pips)です。仮に、この通貨ペアで20pips毎にナンピンをした場合、証拠金が足りなくなりロスカットとなっていたでしょう。85ポジションを持つことになるからです。
通常は、ある程度で損切りして撤退するのがセオリーですが、このような価格変動が日常である通貨ペアの場合は、ナンピン幅をもっと広げて対応する必要があります。

この場合、100pips毎に固定でナンピンしていけば理論上は17段まで進んだ後に戻り、50%までもどっている現在(2024.10.25)では、全てのポジションが決済されていると思われます。

CADJPY 50%戻り

と、まぁ各通貨ペアによってナンピンの幅を考える必要があります。これは、ナンピン幅の倍率を変える場合でも同様です。たまに、ナンピン幅を広げているから大丈夫と考える人もいるようですが、状況判断は常に必要です。よく「聖杯は無い」と言われます。人の思惑から出来上がるチャートにずっと適応するEAは無いと個人的には考えています。だからこそ、チェックをしながら適時、変更を加える監視の目が必要です。

私がご紹介しているEAに関しては、各通貨ペアにおける任意の期間のボラティリティを参考に設定しています。いまは、EURUSDペアであれば、だいたい7〜10pips幅に設定されています。

ナンピン幅は広すぎると利確ができず、狭すぎるとポジションを多く持ちすぎてしまい、証拠金がどんどんなくなってしまいます。
証拠金が無くなることはロスカット(強制決済)を意味します。
こういった理由でEAのナンピンには、最適な幅が必要であり、たまに最適化する必要があります。

EAの設定を考える参考になれば幸いです。

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