嗅覚障害(匂いがわからない)

前回の副鼻腔炎の記事でもあった「嗅覚障害」
今回のテーマはこちらです。

意外と匂いがわからない方というのは多く、実は気づかないうちに匂いがわからなくなっていた…ということもあるようです。

もともと、鼻詰まりや鼻炎の症状がずっとある方だと、匂いがわかりづらい期間が長かったりして、そうするといつの間にか匂いが全然わからなくなっていたりするようです。

匂いがわからないなんて、大したことないと思われるかもしれないですが、意外とお困りの方は多く、例えば
・赤ちゃんの💩の匂いがわからず、漏れてしまう
・ご飯の味がわからなくて、つい味付けが濃くなってしまう
・建設現場で働いている方だと、危険なガスが漏れていることに気づかず大事故につながるかもしれない

などなど…

言われてみれば確かに困りそうな場面はたくさんありそうですね。

さらに、人は味覚の6割は実は「風味」で感じていると言われているので、匂いがわからなくなると味もわからないような気持ちになるようです(風邪をひいて鼻が詰まると、味がわからなくなるのと一緒ですね)

甘い、辛い、しょっぱいということはわかるが、美味しさがわからない。
何を食べても同じに感じる。

ということで、食欲が落ちてしまうこともあります。

せっかくのご飯が美味しくないと、悲しいですよね。

では、こんな嗅覚障害になる原因は何でしょうか?

●原因は?
①副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎など
鼻のトラブル、炎症による嗅覚障害が1番多いです。

匂いの神経が鼻の中の頭の方向に分布しているのですが、その場所に匂い粒子が届かないと匂いが分かりにくくなります。

鼻詰まりで匂いがわからない状態、といえば皆さんも一度は経験があるのではないでしょうか。

②風邪の後の嗅覚障害
新型コロナウイルスで話題になった、「風邪は治ったのに匂いがわからない」状態になります。

原因ははっきりとはわかっていませんが、ウイルスが嗅神経に障害をもたらすのではないか?と言われています。
新型コロナウイルスも、嗅神経障害が起こった人はその後に頭がぼんやりするなどの症状が起こりやすいなどと言われていますね。

炎症が落ち着いて症状が改善する人もいますが、障害が強い場合には治らないこともあります。

③脳の障害による嗅覚障害
匂いの神経自体は問題がなくても、その神経から伝わった電気信号を頭が正しく処理できない場合にも匂いがわからなくなります。
アルツハイマー、パーキンソン病などの初期症状に嗅覚障害があると言われています。
他には、外傷性の嗅覚障害もこの中に入ることがあります。

ざっくりと分けると上記3パターンになります。

また、大きな異常がないのに嗅覚障害があるという人もいます。

●検査は?
病院ごとに行われる検査はさまざまですが、おおよそ以下の通りになります
・鼻の中の観察(鼻腔ファイバーをすることもある)
・画像検査(副鼻腔CT、MRなど)
・匂いの検査(注射による検査、実際に匂いを嗅ぐ検査)
・採血

●治療は?
それぞれの病気や原因が分かり次第、治療を行うようになります。

最近では、嗅覚リハビリテーションがどんな嗅覚障害にも有効であるということが言われています。

やり方は簡単で、毎日いろいろなものの匂いを嗅いでみる(たとえわからなくても)というものです。

匂いがわからないからやっても意味ないよ、と思うかもしれませんが、発表では80歳のおじいちゃんも嗅覚が回復したとのことです。
特にお金も時間もかからないので、嗅覚障害にお悩みの方は、物は試しで色々なものをクンクンと嗅いでみてはいかがでしょうか。

特に匂いのきついものがいいようなので、
・トイレの後の匂い
・靴の匂い

なんていう、臭い代表みたいなものの匂いを思い切って嗅いでみるのがいいようです。

正式な方法としては、アロマオイルを4種類準備(バラ、クローブ、ユーカリ、レモン)し、これを1日2回、9ヶ月間嗅ぎ続けるという方法になります。

上記のいずれの方法も、「どのような匂いだったか?」ということを想像しながら嗅ぐことがポイントです。

なので、正式な方法として挙げられているアロマオイルで馴染みのない香り(クローブってどんな匂い?)に関しては、自分の好きな香りに変更してもいいのではないかなと思います(この方法が考案されたのが海外のため、海外の人には馴染みのある香りが選ばれたのかな、と思います。日本人だと、桜、ヒノキ、バラ、レモンの香りなどは馴染みがあり嗅いだ経験があるのではないでしょうか)

アロマオイルの方法にするとしても、安いものであれば100均で購入できるため、お手軽に試せるのではないかと思います。
匂いが薄れると意味がないので1ヶ月くらいで新しいものに変えてくださいね。

嗅覚障害に対しては、原因を知ることがまず1番大事です。
治療法はそれぞれ違うため、お友達がこの治療をしていたから!と言って、自分もその方法で改善するわけではありません。

また、副鼻腔炎などの嗅覚障害だからいずれ治るだろう…と放っておくと、副鼻腔炎が改善しても嗅覚障害が残ってしまうことがあります(発症してから5ヶ月以内に治療しないと嗅覚障害が残る可能性があがってしまうと言われています)

なので、おかしいな?と感じたら、是非一度耳鼻科に行ってみてください!

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