僕が三年間住んだイギリスの里について
こんにちは、岡崎です。
僕は、この国で三年間大学生をやっていました。いろいろな思いをしました。いろいろ大変なこともありました。しかし、僕のそんな生活を支えてくれたのは、この暖かな小さな地域でした。
場所は、サリー州のエガムというところです。South Western Railway(日本で言うJR東日本みたいなもの?)の駅があり、丘を登っていくとEnglefield Greenという小さな村がある、そんな本当に小さな山里という感じです。
実際に住んでみるととても面白い場所だったので、今日はこの僕が暮らしたエガムについて少し書いていこうと思います。
まず、なぜこの地域が面白いと思ったのか、という理由を端的に示させてもらうと、日本と違って、こんなにもロンドンから近いのに、こんなに田舎だからです。とてものどかな場所で、東京駅からJRに50分乗ってもこんな昔ながらの山里はなかなかないと思うのです。
そして、僕が里という呼び名をあえて当てている理由を説明します。それは、一つにまとめるならば動植物の豊かさです。日本に長いこと住んでいましたが、ここまで動物の生態系や植生が昔から変わらず、人々の生活の中に共存している首都近郊の町というのを僕は世界中他に知りません。
イギリスの特徴として、田舎だと羊や牛や馬が放牧されていることが多いというのがお国柄であります。そして我がエガムは、ヒースロー空港の近くでもあり、ヒースロー近くの貯水池の周りなどにだだっ広い草原が広がっていたりします。
アスコットも近いからなのか、馬が飼われている酪農家の家も線路沿いに電車から見ることができます。
日本の田舎では見ることができなくなってきている動物が、まだイギリスでは見られることに驚きました。特に長い冬を経て今、夏が近づいてきていますが、早朝から深夜まで長い日の中で、実に様々な動物や昆虫が活動しているのを見ることができます。
列挙していくと、まず、牛、馬、羊が放牧されています。馬は酪農の家だけでなく、乗馬して散歩している人も見たことがあります。もちろんですが、猫や犬が飼われているのも多く見ます。次に、野良の動物・昆虫として、キツネ、ネズミ、ウサギ、シカ、リス、クワガタ、ナメクジを見る機会によく恵まれます。
イギリスはロンドンなど都心であっても公園や住宅街などに入ればリスやキツネが多くみられる国として有名ではありますが、僕の地域でも、木に登るリスや道端で轢かれて死んでいるキツネ、朝になるとさえずる鳥たちなどが一年中絶えず居ます。
それに伴って、住んでいる地域の人々も暖かい人々が多いです。ある意味この地域は僕の通っている大学が中心となっている面もあるのですが、エングルフィールド・グリーン村に住んでいる人々やエガムの駅周辺に住んでいる人々の多くが犬を飼っていて、散歩道やテムズ川沿いの遊歩道でリードを付けずに毎日のように犬を散歩させているおじいさんおばあさんがとても多いです。
大学と地域が一体となってこの町ができている感覚がすごいあって、とてもいい場所です。そして近所には国立公園もあって、そこを歩いていくと一時間かかるかかからないかくらいでウィンザー城にも出られるという、散歩にとても向いている立地になっています。
初夏になって様々な花も咲いてきています。最近は、川開きがあったのか分からないですが、レディングの方に向かっていくテムズ川(ロンドンより上流の方です)でボートに乗っている家族などがちらほらいました。釣りをしている人々もいました。
今まで日本に住んでいても、買い物しに駅に出かけていく最中に、犬の散歩中の人々に挨拶してもらえるなんて経験はなかなかありませんでした。本当に暖かい地域です。
以上、僕が住んでいた、お世話になった、好きな地域の報告と紹介でした。
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