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頭がいいとは。

「頭がいい状態」には、「記憶力がいい」とか「思考力がある」とか「頭の回転が速い」とか、いろんなものがあると思います。おそらく100人いれば100通りの答えがあるでしょう。
そのどれもが正しいわけですが、しかし基本的には「頭のいい人みんなに共通する要素」があるわけではありません。

記憶力はないけど当意即妙な返しをする頭の回転の速さを持っている人、テストでいい点は取れて本を読むのは得意だけどその知識を活用する思考力はない人……。

「東大に合格するほどの学力を持った人たちはこれが優れている」と1つに決められるものはほとんどありません。

「頭がいいというのはどういうことか」という質問の回答は、なかなか1つには決められないのです。

しかし、1つだけ例外があると僕は考えています。

今日は、東大生の頭の良さがどういうところにあるのか、頭がいいというのは結局どういう状態をいうのか、1つ結論を出してみたので、みなさま少しだけお付き合いいただければと思います。

僕は今でこそ東大生という立場の人間ですが、もともと高校時代の成績は偏差値35でした。多くの人に「いやいやそんなわけないじゃん!」と言われるのですが、事実なのだから仕方ありません。

「頭がいい」とは「目的意識がはっきりしている」こと
「でも、勉強してなかったからその成績だったんでしょ?」

と言われるのですが、そんなことはありません。ちゃんと、まじめに、毎日机に向かって一生懸命勉強していたのですが、全然成績が上がらなかったのです。

じゃあ、そんなバカだった時の自分と、東大に受かる勉強をしていた自分と、どういう違いがあるのか?

その答えは非常にシンプルで、「目的意識の差」です。

例えば数学の勉強をする前に、

数学の勉強を今日はやろう!

と考えている状態では、絶対に成績は上がりません。この意識で勉強・仕事をしている人間は必ず結果を出すことはできないのです。

東大生は、こんな状態で勉強を行うことはありません。

数学の問題集の、このページからこのページまでを終わらせよう
数学のこの分野の勉強の、基礎をしっかり復習しよう

といった具合に、目的がはっきりしている状態になってから初めて「よし、じゃあこの目的を達成するために頑張ろう!」と考えるのです。

はじめの問いに対する回答、「頭がいい」状態というのは、僕は「目的意識がしっかりしている状態」のことだと思います。記憶力とか思考力とか判断力とか、そういう能力以前の問題で、「自分は何をするべきなのか」をはっきりさせることができる人間というのは、結果を出し、目的を達成でき、当意即妙な返しのできる「頭のいい」人なのです。東大生は、これが優れているのです。

目的がしっかりしていると結果に差が出る
もう少し詳しくお話しします。

目的の違いというのは、結果に対して大きな「差」を生みます。

例えば、「数学の勉強を今日はやろう!」と考えている状態だと、何が達成されればその勉強が終わるのか全然わからないですよね。100問解いても「やった」ことになるし、たった1問解いても「やった」ことになってしまいます。進捗がどれくらいだったかにかかわらず、「今日はなんとなく勉強したなー」となんとなく思って終わってしまいます。

その点、「このページからこのページを終わらせよう」と考えている状態だと、達成されるべきことが明確なので、進捗がどれくらいなのかがすぐわかります。「10ページか。もう2ページは終わらせたかったな、明日はもっと頑張らなきゃ」と、次につながるようになるのです。

これは、勉強に限った話ではありません。会議をするときでも、「今日の会議のゴールは何か」「何を話し合うために集まっていて、何が達成されればクリアなのか」ということをしっかり考えたほうが、「なんかよくわかんないけど、今日はこんな話について語ろうぜ!」とふわっとした会議をするよりも何倍も効率的なのです。

僕は東大の団体で会議を主催することが頻繁にあるのですが、その度に「仕切りが悪い」「もっと会議のゴールをしっかり決めてから会話をするべきだ」と東大生に怒られてしまっています(笑)。

アイデア出しでも目的をはっきりとさせる
もちろん、雑談をベースとした会議をしたほうが進捗が出る場合もあると思いますが、それは「目的」をはっきりさせた上での話。目的を達成させるために、雑談をベースにした会議をしたほうがいいのであればそちらを選ぶべきだというだけの話です。目的(ゴール)があって初めて成り立っているのです。

これは、アイデアを出すときにも同じことが言えます。

「何か新しいアイデアを出さないと!」と考えている時に、多くの人は「なんとなく」でアイデアを出そうとします。一体どういうアイデアが求められているのかがわからない状態でアイデアを出そうとしているのです。

これでは、「なんとなく数学やろう」「とりあえず雑談しよう」と同じです。「消費者に対してどんな価値を提供したいのか?」「買った人がどういうメリットを得られる商品のアイデアが必要なのか?」そういう問いを自分にした後でないと、アイデアなんて出てくるわけがないのです。

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