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「リオンとポラリスで『ニア』」 完全自己解釈解説note

■はじめに

本記事の内容は、「つばき」による自己解釈がほとんどを占めます。
場合によっては解釈違いが発生する可能性もありますが、温かい目で見守っていただけると幸いです。

■『ニア』という作品について

皆様は、プロダクション体育館が2023年3月24日(金)にYoutube上に投稿された動画「リオンとポラリスで『ニア』」をご覧いただけただろうか?

『ニア』という楽曲は、夏代孝明氏が2017年に発表され、2020年には人気音楽ゲーム『プロジェクトセカイ カラフルステージ!feat.初音ミク』にてゲーム内楽曲に起用された楽曲である。私も、以前よりこの楽曲は好きであり、夏代氏本人が歌われた動画を、いまでもたまに聞くことがある。

そもそも、楽曲のタイトルにもなっている「ニア」というのはロボットの少女のことであり、ニアと共に暮らす「マスター」が、ニアに「質問」しているという体で楽曲が進行していく。

そして、ニアの「感情的な成長」を描かれるのが、
本楽曲全体の構成となっている。

ニアの感情的な成長表現は、本家のPVや、踊ってみたを投稿している「いとくとら×やっこ」氏らの舞踊表現の中でも散見されているので、ぜひこちらもご覧いただきたい。

今回、このようなnoteを残すに至った理由としては、自身が『ニア』という作品が好きだから感情移入がしやすかったというのもあるのだが、
「リオンとポラリスで『ニア』」という作品の中での表現を目の当たりした際に、溢れ出る感情(オタク用語でいう「クソデカ感情」)が抑えきれなかっため、この感動の薄れる前に書き記しておきたかったというのが正直なところである。

校閲も行っていない拙文のため、少々読みにくい部分もあるかとは思うが、
彼らの動画をこれからご覧になる方、視聴後に何かしらの情動を得た人たちと、語り合いを行いたいと思っている。

なので、ぜひ本noteを読んでいただいた後で、
本動画を視聴、再視聴してもらえると幸甚である。


■『ニア』での楽曲表現について

上記でも示したが、本楽曲は「ニアの感情的な成長」を「マスターと質問を介した語らい」を通じて描かれており、登場人物としては「ニア」と「マスター」が存在する。

本動画では、視聴すればわかるが、
「ポラリス≒ニア」、「リオン≒マスター」という関係が構成されている。

ポラリスは楽曲を通して、その情緒性が次第にロボットから、より人間的なものに表現が移り変わっていく。一方、リオンは冒頭のダンスから、しなやかで感情的なダンスで「人間性≒感情のある動き」をしている。

ここで、パートごとの解説をはさんでいく。

楽曲冒頭のポラリスの動きは非常に単純で機械的な動きをしている。
加えて、リオンの動き(≒感情のある動き)を理解するために、観察する場面が多くみられる。

左:リオンを観察するポラリス 
右:機械的な動きのポラリスとそれを見るリオン

次第にリオンの動きを理解し、まずは模倣を行っていくことで、
リオンの動きを「理解」、さらにリオンの動きに準えた、ただの「模倣」とは違う別の動きをするようになり、「感情表現」の段階が進んでいくようになっていく。

左:リオンに近しい情動的な動きを真似するポラリス
右:リオンと対称的(飛ぶ⇔転がる)をするポラリス

そして、最終的には、リオンと同じように情動的な動きを一人でもできるようになり、ポラリスの「感情的な成長」がダンスの中で表現されている。

左:リオンがいなくなった悲しみを表現するポラリス
右:リオンに駆け寄り、抱き着くポラリス

ただし、これらの表現というのは、上記で示した本家MVや踊ってみたの中でも表現されており、もちろん、それらの表現に関して、リオン・ポラリスのダンス表現の中でも十分なレベルで表現がされていると感じ取った。

しかしながら、ポラリスから、既存の表現以外の表現を視聴中に感じ取ったため、それを次項で皆様に共有したいと思う。


■「リオンとポラリスの『ニア』」での楽曲表現について

ここからが私の本来語りたかった部分となる。
最初にも申し上げたが、かなり自己解釈が入っているので、その点はご容赦いただきたい。

他の「踊ってみた動画」等に存在しない、オリジナルな表現としては、
「リフレインする振付で、毎回付加されている感情が異なる」という点だ。
それを如実に感じたのは、以下の2つの振付なので、順に解説していく。

①手を振るときの動きの違い

本楽曲の間奏部分でリフレインする「手を振る」という単純な動きがある。
この部分は、作中で4回出てくるが、各パートごとに動きが異なるのである。

まず最初にこの動きが出てくるのは、ポラリスという「ロボット」が目覚めてすぐの場面である。動画内で言えば0:42~0:56の間の振付となる。
ここの動きは、ポラリスがリオンの動きの意味が理解できず、足踏みや首をかしげているだけで「手を振る」というアクションを起こしていない。

リオンの動きを観察し、首をかしげるポラリス

2回目にこの振付が出てくるのが1番と2番の間奏で、ポラリスも手を振るという行動をしている。しかしながら、少し動きがぎこちなく、違和感を覚えることがわかるだろうか。この理由については後ほどわかってくる。

リオンと同じく「手を振る」ポラリス

そして3回目、2番とラストへの間奏の振付に大きな違いが出てくる。
この違いが、本動画でのみ確認できた表現である。







ポラリスが首を左右に振り始めたのである。

リオンと同じく首を振り始めたポラリス

実は、先ほど申し上げた違和感というのは、リオンとの動きの差である。

リオンは冒頭から、手を振るときは元気よく首を左右に振りながら、手を振っているのだが、ここまでのポラリスは非常に無機質な動きであり、リオンとは動きが異なる。
そして、ついにこのタイミングで初めて首を横に振り始め、リオンと完全に一致する動きとなる。

本noteの冒頭でも示した通り、リオンのダンスは「人間性≒感情のある動き」をしており、ポラリスはそれを徐々に吸収していっていると私は解釈をしている。
加えてここでは、動画構成的にもトランジション(≒時間の移ろい)が入り、時間経過があったことが示唆され、ポラリスの感情表現がよりリオンの表現に近く、つまり、より情動的になっているということが示されている。

動画を最初に拝見した時にその違和感を覚え、2~3回視聴した時にこの事実を気づいたとき、感涙を禁じえなかった。

②手を重ね合うシーンの目線の違い

さらに感涙を誘った振付が存在する。
それはポラリスとリオンが手を重ね合うシーンである。

この振付はサビの振付のラストに組み込まれているが、
最初の振付では、特に大きな感情の起伏もなく手を上下させているように見える。さらに、ポラリスもその行動の意味が理解できず、リオンだけがポラリスを見つめ、ポラリスはつないでいる手を眺めている様子である。

対照的に、ラストの同じ振り付けでは、
訪れてしまった別れを、リオンに対する慈しみの気持ちを示すかのごとく、
ポラリスは見つめ返した状態でリオンの手に手を重ねている。

この表現の差は、当初ロボットというものを当初表現していたポラリスの表現からは考えられない行動であり、ギャップも相まり感涙に加え、驚嘆を禁じえなかった。

■おわりに

これまでにケモノ着ぐるみの関わる多くの動画を拝聴させていただいたが、
プロダクション体育館はじめ、多くのクリエーターが作成した動画にはそれぞれ素晴らしい作品がある。

しかしながら、
ここまで感情を表現させた作品は、私の知る中には他になかった。
私自身も自己表現を行っている身であるので、この動画を励みに自分に研鑽をかけていきたいと、真に思った。

人の数だけ解釈があるため、本noteの解説内容が「正解」というつもりは毛頭ない。

一方で、私の感受性で得られたが、だれかの溜飲が下がるきっかけや、
語らいのきっかけになることを願い込めて、筆をおさめさせて頂きます。


P.S.
本解説に共感していただいた方は、コメントはTwitterリプライなどで、
コメントしていただけると非常にうれしいです。
私自身、語り合いたいがために書いたので、そういうのは大歓迎です。









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