【断髪小説】こんなに短く切られるなんて

筋金入りの断髪フェチの私は、髪を短く切られたい気持ちで常にいっぱいだ。ばっさりカット専門店を見つけたので恐る恐る予約して行ってみると、ショートを勧められたので、長めなら大丈夫ですと答えたが、美容師には大丈夫ですとしか聞こえていなかったようだ。この後思いの外短く切られてしまうことになるのをこの時の私は知らなかった。

切りたくないはずなのに切られたい、うんと短く恥ずかしい髪型にされたい、という葛藤。
じゃあバッサリ切っちゃいますね、と声をかけられると、いよいよカットが始まる。ボブだからそんな短くはならないよね?結けるぐらいだよね?と内心ドキドキしていると、鋏があてがわれたのはなんと耳の真ん中ら辺だった。びっくりしていると、あっという間に後ろ髪までその長さで切られてしまったようだ。サクッサクッ。チョキチョキ。え、もしかして後ろ刈り上げられてる?私の心配をよそに今度はバリカンが出てくる。

じゃあ、バリカン入れちゃいますね〜と言われ、答える間もなく刈り始める。やだ私、いまバリカンで刈り上げられてるなんて、と身体が熱くなる。ちらっと鏡に目をやると、美容師にぐいっと頭を抑えられて下を向かされ、屈辱的である。しかもニヤニヤと楽しそうにこちらを見ている。いやだ、くそっ、と思うけど手の出ないケープを着せられているので抵抗できない。

長い長いバリカンタイムが終わると、前髪を眉上で一直線に切られた。刈り上げおカッパ、お似合いですよ、と言われて悔しくて仕方ない。しかし身体が疼いているのも事実だった。切りたくないのに無理やり切られてしまうという断髪フェチ憧れの状況になっているのだ。

シャンプーがあっという間に終わり、髪はすぐに乾いた。最後にインスタに載せるために撮らせてくださいと言われて渋々承諾した。嫌なら断ればいいのだが、どこかでこの恥ずかしい姿を晒して羞恥心を味わいたいと密かに思っていた。

こうして一応強制的な断髪プレイ?を不覚にも体験できたのであった。

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