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F-35ライトニングⅡとゲームチェンジャー

F-35ライトニングⅡという飛行機があります。世界最新鋭のステルス戦闘機として知られており、航空自衛隊でも採用されています。

出典:航空自衛隊ホームページ

F-35は統合打撃戦闘機(Joint Strike Fighter :JSF)と呼ばれ、アメリカ軍で言うと空軍のF-16C,Dファイティングファルコン、A-10サンダーボルトⅡ、海兵隊のAV-8BハリアーⅡ、海軍のF/A-18A~Dホーネットといった戦闘機、攻撃機の用途を統合させる軍用機として誕生しました。


現在、F-35を採用している国は、製造元のロッキード・マーチンによると日本を含め13か国。
日本では最終的に147機の導入が予定されています。これは生産国のアメリカに次ぐ世界第2位の規模です。おそらく将来的に5,000機以上生産されるのではないかとの声も聴かれます。最近では永世中立国であるスイスも導入を決めたというニュースが流れました。

なぜこんなに多くの国で採用されているのでしょうか。


それはF-35の性能が戦場のゲームチェンジャーといわれるほど、従来の戦闘機に比べて圧倒的に優れているからです。


その理由の一つとしてよくあげられるのがステルス能力です。

演習などではF-35の力は圧倒的です。F-35を相手にするとF-15やF-16といった旧型戦闘機が戦闘空域に入った途端、見えないところからやってくるミサイルに撃墜されてしまいます。


しかしF-35をゲームチェンジャーたらしめているのはステルス能力だけではありません。レーダーをはじめとする強力なセンサーによる高い情報収集能力。そして集めた情報をセンサーフュージョンといわれる、各センサーからの情報を統合してパイロットにわかりやすく伝える能力をもちます。さらにその情報を他の戦闘機やAWACS、イージス艦などの艦船、地上部隊などと共有する能力が髙いのです。


子どもの時に「ケイドロ」あるいは「ドロケイ」といったゲームをやったことは無いでしょうか。警察組と泥棒組のグループに分かれて行う鬼ごっこです。

このゲームで片方の組にF-35の能力があれば、相手が見えないところから一方的に相手を発見できます。さらにわかりやすく加工されたその情報を自分の陣営全員で共有できるわけです。相手からすればゲームになりません。

つまりF-35を運用する陣営は、運用しない陣営よりも相手に対する情報をはるかに多く持ち、かつ共有して一方的に相手を打ち負かすことが可能になるわけです。

ゲームチェンジャーとは元々スポーツの世界で使われていた言葉だといわれています。

ゲーム途中で投入されてゲームの流れが一変させるようなプレーを行う選手をゲームチェンジャーと呼ぶようになったのが始まりだそうです。


ビジネスの世界でもゲームチェンジャーと言う言葉が使われるようになりました。早稲田大学教授の内田和成さんの著書「ゲームチェンジャーの競争戦略」がその嚆矢ともいわれています。

ビジネスの世界でのゲームチェンジャーとは、今までの業界の競争の概念を変える企業、製品やサービスで、市場のルールや市場そのものを創造して市場を席巻するものです。

例えば1979年にソニーが発売した「ウォークマン」は日本発のゲームチェンジャーと言えるでしょう。「イヤホンで聞く再生専用携帯カセットプレーヤー」という商品の市場を創造し、従来のカセットプレーヤーの市場に衝撃をもたらしました。そしてイヤホンで聞く携帯カセットプレーヤーの通称がウォークマンといわれるほど浸透しました。

以上、F-35ライトニングⅡとゲームチェンジャーについて述べさせていただきました。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

2021.12.5

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