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自粛期間


iPhoneのメモ機能を見ていたら、6月に書かれたこんなメモがあったので、ここに残そうと思う。

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別れてから3ヶ月目を迎えようとしている。

別れた直後は悲しかったものの、この3ヶ月間私の生活は充実していた。それはきっと、自粛生活があったからだと私は思う。もし、自粛生活がなかったら私は新しい出会いを探していたかもしれない。でもこうして人と出会っていない分、自分と向き合う時間がたくさんできた。充分すぎるくらい。

自分と向き合ってみて分かったことは、私はとにかく臆病であるということ。何に対しても逃げてしまう。そんな私が唯一逃げなかったことは、3ヶ月前に起きた別れ話をする時と、その元彼から連絡が来た時だったと思う。去る者追わずの言葉を信じてこれまで恋愛をしてきた私にとって3ヶ月前は去る者を追う、ドラえもんとネズミでいう、ネズミのような感じだったと思う。

別れは突然だという言葉があるが、突然ではない。必ず小さな変化や予兆がある。と私は思う。現に元彼と別れた時がそうだ。会える時間が少なくなってきて相手が忙しくなり、連絡頻度が減っていた。相手が忙しいと分かっていながらも、連絡が来なくて寂しかった私は、連絡できないくらい忙しいのなら会うのをやめようと言ってしまった。たかだか1週間、相手を待つことくらいこれまでの私であれば容易なはずだ。何故できなかったのか。それは自分に余裕がなかったからだ。相手からの見える愛情がいつだって欲しかった。これまで好きという言葉を毎日かけてくれた彼が急に言ってくれなくなり、急に友人と遊ぶ回数が増え、自分を相手してくれなくなった。加えて、学年末でテストも多かった。私にとって彼と連絡を取る時間が唯一の癒しだった。

この彼との別れは最高に楽しかった。お酒を飲んで少しほろ酔いになりながら話した別れ話は時折会話にならず笑い合ったし、楽しかった。最後の最後まで考え方が一緒だと思った。好きだと思った。ただ、いつまでも追いかけても彼の気持ちは私にはない。別れる日のデートで手を繋がなかったことがそれを物語っていた。付き合っていない他人に戻る、そう感じた時間の間心が痛かった。

私がこの別れ話から逃げたくなかった理由は、彼が好きだから。これに限る。でも、これは逆効果なのだと後々になって思った。この前高校時代の男友達とインスタのDMで話した、恋愛は去る者追わずだと思った。

恋愛において必要なものは、相手との心のディスタンスを保つこと。相手の状況を考えること。相手を思いやること。当たり前のことかもしれないが、これが大切なのだと改めて感じた。こんなこと考えながら恋愛する人なんてあまりいないのかもしれない、だからこうやって1人の時に考えておくのは大事なんだなと思う。そして、いつまでも前付き合っていた人たちを引きずらないこと。
もちろん、前の彼氏と行った場所に新しい彼氏と行くことがあるかもしれない。でも、その時の感情は新しく誰かと付き合ったときはリセットしておくべきだ。自分から話す必要はない。相手に対して聞く必要もない。
傷つかせたくない、傷つきたくないのであればそんなナンセンスなことを聞くべきではないと思う。
だが、なかなか忘れられないのが人間である。自分自身で新しい記憶に塗り替える作業が必要である。こんな作業するのは非常に心の効率が悪くなるし、できればしたくない。そこで私は、新しい場所に行くことにした。古い記憶は、古い場所に置いておく。新しい場所で新しい人たちと新しい記憶を作ることにした。そうすることで、元彼を思い出す機会も減るだろうし、心置きなく新しい恋愛ができると思ったのだ。
これができるかどうかは神様とばあちゃんだけが知っているだろう。と、同時に、すべてのものを新しくする。気持ちだけではなく全てをリセットする。スマホも1から契約する。LINEも1からにする。最低限のものだけをもって、新しい場所に行く。こう決めたことも、私にとって自分の感情から逃げなかったことの1つだ。

この前読んだ本の中で、

どんな答えを出すにしても自分で責任を負えるのであればあなたの答えはすべて正しい

という一文があった。この言葉でより一層、自分の気持ちには嘘はつかないと決めた。逃げなくなった次に必要なのは、決めたことを行う行動力だ。私にはこれもなかった。が、この言葉をきっかけに行動しようと思えた。

新しい場所で新しい気持ちで恋愛を始めるのも悪くないのではないだろうか。
どんなことでも、やってみないとわからない、そんな世の中だからこそ行動してみようと思えた。

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