小さいお相撲さん

西「あっちゃん、太った人好きじゃん。だから、この前お相撲さんを見に両国に行ってきたんだ」
洲崎「あのへん多そうだもんね」
西「そうそう。そしたらさ、めっちゃでっかいお相撲さんといっぱいすれ違えたのよ」
洲崎「そうなの、良かったじゃん」
西「良かったんだけど、1つ驚いた事があって」
洲崎「なになに?」
西「あっちゃん、小さいお相撲さんを、見たんだよ!」
洲崎「………へぇー」
西「えっ、信じてないの?」
洲崎「まぁ、宇宙って広いしね」
西「そんな大規模な話してないよ!ただ、小さいお相撲さん見たって言ってるだけだよ」
洲崎「知ってるあっちゃん、この銀河系には4000億個の惑星があるんだって。そう考えると小さいお相撲さんもいるよ、きっと」
西「そんな宇宙規模の話してないよ。ただ、小さいお相撲さんを見たって言ってるだけじゃん。あっ、小さいって言ってもあれだよ、お相撲さんの中では、小さいって意味だよ。妖精くらいの大きさのお相撲さんを見たって話じゃないよ」
洲崎「知ってるあっちゃん、この地球上には既に1000万人もの宇宙人が潜伏しているらしいよ。それを考えると小さいお相撲さんもいるよ、きっと」
西「まだ、信じてくれないの!なに?小さいお相撲さん見たって話を宇宙人見たみたいな話にしようとしてるの?」
洲崎「別にそんなつもりはないけど」
西「私が見たのは、小さいお相撲さんだよ!」
洲崎「知ってるあっちゃん、目で見えないだけで、私たちの街にはたくさんの小さい偵察用のUFOが飛んでいるらしいよ。だからきっと、そのお相撲さんも、偵察用のお相撲さんだよ」
西「偵察用のお相撲さんって何!?相撲部屋から派遣されてるの?」
洲崎「さぁ?」
西「さぁ?じゃないよ!信じる信じないとかの話じゃなくてさ、大きいお相撲さんもいれば、当然、小さいお相撲さんもいるじゃない」
洲崎「知ってるあっちゃん、人間ってあまりにも自分の理解の外にあるものは、たとえそこに存在していても、脳の処理が追い付かないから、目では見えないんだって」
西「えっ、何言ってんの!?」
洲崎「あっちゃんは普通の人よりも脳の処理能力が高いから、あっちゃんにだけ、宇宙人とか小さいお相撲さんが見えるのかもね」
西「宇宙人は見た事ないよ!あっちゃんが見たのは小さいお相撲さんだよ!身長165㎝くらいのお相撲さんだよ!いい加減信じてよ!」
洲崎「知ってるあっちゃん、まれに幼少期に肉親から性的暴行を受けた女性が、自分の心を守るために"お相撲さんの子供を妊娠した"って無意識で記憶を改ざんしてしまう事があるんだって」
西「宇宙人でしょ!宇宙人の子供を妊娠したって、改ざんされちゃうやつでしょ!」
洲崎「だから、あっちゃん、お相撲さんの子供なんて、いないんだよ」
西「いるよ、いっぱい!若貴兄弟が良い例だよ!いや、そういう話じゃなくて、あのね、ぺっちゃん。新弟子検査の基準が2012年に改定されて、身長165㎝以上であれば入門できるようになったの。だから、思ってるよりも小さいお相撲さんって、いるのよ!」
洲崎「なるほど、じゃあ宇宙人も165㎝以上あれば、小さいお相撲さんになれるってこと?」
西「宇宙人はいないよ!もういいよ!」

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