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最上級の「Re:burn」 ミリオン7thR感想日記

一度燃え尽きた火をもう一度強く燃やすのはとても難しい。

「焼け石に水」という言葉がある。
一度熱したものを直ぐに冷やすのは難しい、という物の例えだ。
そして同時に、「石の上にも三年」なんて言葉がある。
長い間時間をかければ、冷たい石も温まる、つまり賭けた時間分だけいつか身になるという物の例えだ。

かのように、火を直ぐに消すのも、同時に温めるのも、難しい。
しかし、火はいつか消えるし、何もしない"意思"は冷めるのだ。

2020年のミリオンライブ7thライブ中止の報を受けてからおよそ一年。
その期間は、恐らくミリオンライブを好きで居た人間から熱を奪うには十分すぎるほど長く、そして火種の少ない時間だった。
これはコンテンツ側から火種が投げ入れられないのが悪いという話ではない。投げようにも、投げられる情勢ではないのだ。ミリオンライブというコンテンツに限らないことだろう。
加えて言うが、「投げられていない」というのは嘘だ。ミリオンライブはこの状況下でも少しでも盛り上げることは忘れなかった。だが、それは決してライブ中止の方を掻き消すほどの力にはなれなかった。それぐらい、ミリオンライブにとってリアルライブには力強さがあったのだ。

そしてそんな最中に、別の火があれば人はそちらにより付くもの。
人は集団で生きるもので、同時に繋がりや熱を求めて生きている。
人間が火を崇めるのは決して「生きるのに必要だから」というだけではあるまい。

そうして冷めきった空気の中、一年越しに行われることになったミリオンライブの7thライブ、「Q@MP FLYER!!! Reburn」直前まで僕のやる気はあまり上がらなかった。
ウマ娘に超が付くほどハマっていたというのもあるが、直前まで自宅配信の情報も出ず、どうにも腰の重いコンテンツ側の空気もあってか、冷めきった心の奥底から期待値を上げることが出来なかったのだ。
それでもミリオンライブが好きな自分の気持ちを否定したくないし、運良く取れた初日の現地のチケットも合った。この状況下で外を出歩くのも如何なものかと思うが、それでも得られた機会を大事にしたかった。

仕事を終えた翌日、新幹線を乗り継いでなんとかギリギリで会場入りをした。富士急ハイランドからコニファーフォレストまでの行き方がさっぱりわからず、周囲に居る「自分と同じ匂い」を追跡して歩いて、なんとか辿り着いた。
屋外。ミリオン、初の野外ライブ。
アイマスの単独公演としては全コンテンツ含め初の試みだ。
どんよりとした雲が広がる中、いつ雨が降るかも解らない状況で。
僕は、人の群れの中、自分の席に辿り着いた。

緊張とも、喜びとも言い難い気持ちでいっぱいだった。
ただ、少なくともこの段階では不安は不思議となくなっていた。
目の前の光景をすべて楽しもう、そう思えていた。

そうして、いつものように。
余りにもいつものように、ライブが始まった。



真面目な話はここまでにして


最ッ高だったなーーーーーーーーーー!!!!!!!!


あ、すいません急にテンション上げて。

もうこの言葉以上で語り尽くせないぐらいに最高なライブだったのでもうこれで良いんじゃないかなって気持ちになってます。いやマジで、こんなに楽しかったライブないぞ!!?
久しぶりだった、というのはもちろんあるし現地だった、というのももちろんあるでしょう。そして俺の席はとんでもないぐらい演者から近い場所の神席だったというのもこの気持ちを高めるには十分でした。
俺は麻倉ももさんと5秒間目を合わせた、と言う事実だけであと十年は生きていけるって感じがしたね!!! はー、通りで2日目に開催されてたオークス全部外すわけですよ、運を完全に使い果たしたな!(

キャンプをモチーフにした野外ライブだったわけですけど、その「キャンプ感」を呼び起こすために用意されたセットの完璧さが凄い。メインステージの真ん中と両端、そしてセンターステージに用意された4つのキャンプファイヤーは演出でもなんでもなく、本物の炎で行われた。点火したのはなんと演者の皆さんだ。キャンプの開始は点火と共に行われるのだ。
そしてキャンプらしい非情に動きやすく可愛らしい衣装!
見た瞬間「ガールスカウトだこれ!」と一発で理解できる雰囲気の衣装は今までのかっちりしたアイドル衣装と異なる非常にラフなものでしたが、逆にそれがこの野外ライブの雰囲気に最高に似合う! スカートが短いのもなんかすごい、凄いいいよ!!!!!
「アイドルから抜け出した女の子」の雰囲気が全力で出てて何というか実在性が高い!! いやこういう表現しかしようがない、「実在性が高い!」んですよ!! マジで!
「あぁ今日はみんなでキャンプに来てるんだな~~!たまにはアイドルなんて忘れて一日中みんなで遊ぼうな~~~!!!」って気持ちになれるあのリアリティ、なんとも言えない魅力がありました! まぁ僕らプロデューサー連中はアイドルが歌って踊る所を見るだけなんですけどねえ!!!(

そしてセンターステージを広く活用した幅広い演出の数々!
キャンプファイヤーを囲んで両側に立ちながら歌うあの空気感、得も知れぬ高揚感を呼び起こしてくれます。時に激しく、時に静かに。けれど、確かに消えない炎と共にそれはあるのだ、と実感します。

そして公演が進むと出てくるのが、ポンチョ衣装の演者達。
7thRのキービジュアル衣装でもある衣装なんですが、これがまたリアルで着た奴がすっげぇカッコいいんですよ。
イラストで見るとシュッとした感じとちょっと大きめのパーカーって雰囲気が強いんですが、実際のものはもっとごつい感じ。だぼっとした感じが野外に適したような、でも女の子らしさを逃さない、絶妙なバランスです。
その重みが、夜に差し掛かる空気に絶妙にマッチしていて、寒空の中での女の子たちを守ってくれるんだろうと信じられる、そんな気持ちになりました。

夜が差し掛かった頃、そのポンチョをまとった彼女達がランタンを掲げてセンターステージの道においていきました。最初何がおこったのか全然わかんなかったんですけど、ただそれだけの行為が凄く、美しくて。
何も見えなくなりそうな道に、灯りを照らす事そのものに意味がある気がしたんです。

その直後に歌われたメインステージの流星群が今回のライブでブッチギリってぐらいに良かった。静かな夜に、ジュリアのギターに合わせて桃子が歌う姿があって、それをまだ残ったキャンプファイヤーを背にする姿が、彼女たちの実在性を何処までも高めてくれました。
段々、暗くなっていく中で頼りなかった自分たちの握っているペンライトの光も強まっていって。何だか、寂しげに、でも楽しげに歌う彼女たちを、少しでも照らせるような、そんな気持ちになれました。

気づけば、どこまでも曇天だった空から青空が覗いていました。
夕焼けが深い青に変わった頃、雲の向こう側から月が覗いていました。
そんなタイミングでした。「brave HARMONY」が聞こえてきたのは。

センターステージで「大きく輝く月のようになりたい」と歌う彼女達を見て、空を見上げれば薄雲の向こうに月が浮かんでいて。
僕は、このライブが伝説になる瞬間を見ている気がしました。

その後のことは、色々あったけど。7thで本来披露するはずだったGlow Mapが流れて。センターステージを駆ける彼女たちを見終わって、ステージから大砲が打ち上がって。
最後に、いつものように「Thank you!」を歌うのを見て。大サビの中で打ち上がる花火に照らされる彼女達を眺めながら、サイリウムを振るのも忘れて魅入っていました。
彼女達がいつもやるように、僕らに感謝の言葉を述べながら退場する姿を、最後まで眺めていました。

最後まで、彼女達に声援を届けることは出来なかったけど。
居るだけでも、彼女達の力になれるプロデューサーであれたことを誇りに思って。同時に、こんな状況下でもいつもどおりで居てくれる彼女達を、誇りに思えました。
ライブが終わって真っ暗な世界、パーカー一枚では若干の寒さを感じる中、まだステージ上で揺らめく炎を眺めながら、心に昔のような炎が灯っている気がしました。

電車に乗ってホテルまで帰りながら、僕のTwitterの呟きが止むことはありませんでした。話したい、喋りたいことが、沢山ありました。

あぁ、僕はまだミリオンライブが好きなんだ。
心の底から、そう思えました。



おわりに


いやっ…本当に楽しかったです…
現地には一日目だけで、二日目は自宅で配信を見ていましたが、本当に、本当に最後まで楽しませてもらった。
誰が何歌ったとか細かい話しだすとキリがないからとりあえずこういう形でまとめさせてくれ! そういうのは他の方に任せた!

ミリオンライブという作品は、コンテンツの都合上どうしたってライブを見ることで完成するという節があって、それはつまりライブをやらないことにはコンテンツそのものの熱を保ちにくい、という性質があります。これに関してはもうコンセプトの段階でそうだった感じがする。
昨今はアプリゲームの発展が著しく、ゲーム一本でコンテンツを牽引するのは非常に難しいです。シアターデイズもそろそろ5年目を迎えようとしていますが、他のゲームと競合してしまう現実上、どうしたってコンテンツに熱が灯らなければ他の熱を求めてしまうのが人間の常です。
ミリオンはそれでも毎月のようにCDをリリースして行動を起こしているほうではありますが、そうは言っても一度冷めた熱が戻るようになるのは難しいものでしょう。

そんな中見せてもらった今回の7thR、今までを軽々飛び越える出来でありました。
一昨年の6thぐらいから自由度の高まってる楽しいライブをミリオンは提供してくれていたと思っていますが、それでも新しいCDシリーズが出ればそれを消化せざるを得ない、という事に毎年縛られていた感は否めず、ライブそのものを自由にできていなかった感じは見受けられました。

ですが今回の7thR、何処までも自由に、何処までも楽しいライブでした。
キャンプという一つのコンセプトを元に「やりたい事をやりたいようにやる」という意思がはっきり見えて、それがミリオンライブの生き方なんだというのが伝わってきました。

そして同時に、このコンテンツはライブを起こす度に奇跡を起こすコンテンツだ、というのを思い知らされた気持ちでした。
良しにも悪しにも、ミリオンライブのライブは奇跡と伝説が残り続けてきました。ならば、今回だってそれがないわけがないのです。ミリオンがライブを起こすのは、奇跡を起こすのと同義なんです。
怪しい宗教じゃないよ!(

僕が好きなミリオンライブは、何事にも屈せず、何事にも縛られず、誰よりも自由で、自分勝手で、でもどうしてか楽しくなる、そんな存在です。
その僕が好きになったミリオンライブは、決して一年のブランクを貰った程度で揺らぐほど甘いものではありませんでした。寧ろ、今まで以上に自由で好き勝手に、でも本気で僕達を楽しませようとしてくれる、あの頃のミリオンライブはあの場所にいたのです。

結局、冷めていたのは自分の心だったのだな、という風に思って。
そして、信じきれなかったのは僕だったんだな、と感じて。
そんな人達に心の火をもう一度灯す為の、「Re:Burn」だったのだろう、と思うのです。

惜しむらくは、この情勢下で声を出せなかったため、アイドルたちに僕らの声援を届けることが出来なかったということでしょう。
これは僕らの我儘だけでなく、彼女達からコール&レスポンスを頂いてるのに拍手でしか返事ができないのは、本当にもどかしいものです。なんかこういう状況になる前は冗談交じりで「一回ぐらいコール完全に封印したライブ見てみたいね~」なんて言ってたこともありましたけど、今思えば冗談じゃねえって感じです。っていうかせめて一度でいい!
「応援するよ!」の一言も言えないなんてなんて情けない!!

それでも、こうしてライブが出来るようになったというのは本当に現状が改善に向かっているということで、それが僕にとってミリオンライブへの信頼を再確認させる、僕の心への「Re:burn」になってくれた、という事を改めて彼女達に感謝したい。
そしてこのライブ開催のために奔走してくれたであろう運営スタッフさんの方々、協賛してくれた企業様方々、今回も会場でDJ作業を努めていてくれたであろうJUNGOさんや、きっと裏で見ていてくれたわかちこPやこみのPや、この世界の何処かで見てくれているガミPやディレ1やら…(?)
本当に、誰一人欠けても僕はあの場所に立って新しい火を灯せなかったのだろうと思うのです。だから、それが本当に嬉しくて、それに本当に感謝をしたいと思っています。


ちょっとウマが楽しすぎたここ最近ですけど、そちらから戻るって言うわけではないですが、またいつものようにミリオンで熱く楽しめたら良いなと。
ミリオンライブ、またこれから一年、宜しくお願いします。

これからも、ミリオンライブが一番、大好きです。

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