音楽家として、無料コンテンツと有料サービスの線引きを考えてみた
こんばんは、深夜です、クラリネットのクズシマです。
私はフリーランスの音楽家です。最近だと、YouTubeの人というイメージが強いのかもしれません。
YouTubeではリクエストすればなんでもしてくれると思われているかもしれませんが、私の中では「これはやるけど、これはしない」という線引きがあるような気がします。でもそれってなんだろう。
無料コンテンツと有料サービスの私の中での線引きを考えてみました。
質問たくさん嬉しい!でも、、、
YouTubeではクラリネットの上達に役立つコンテンツを更新するチャンネルを運営しています。
この芸風からか、YouTubeのコメントやSNS宛にたくさんの奏法などに関する質問をいただきます。誰かに必要とされることは嬉しいですね。できる限り答えたい!と張り切っていました。
こんな質問をいただくことが多いです。
「綺麗な音色はどうやって作りますか?」
「タンギングがうまくできないのですが、原因はなんだと思いますか?」
「口が疲れるのですが、吹き方おかしいですか?」
こういった質問をされる質問者さんの心境は想像できます。そりゃ音色を綺麗にしたいですし、タンギングが上手くなりたいし、口が疲れる原因を知りたいですよね。
でも、こういった質問を質問者さんの吹いている姿を見ずに、答え続ける、、、そして、同じような質問が毎日、、、、。私は何か違和感を覚えました。なんだろうこの抽象的なやりとりは、、、。
しかも最近は、ありがたいことにメールボックスが質問で溢れている。全然対応が間に合わない‥‥。
質問に答えてもらった方はヒントを得られて嬉しい気持ちになるのはわかります(自惚れですか?)
私も中学生の頃、TKWOのお悩み相談掲示板を読み漁っていました。
大浦綾子さんの言葉がとても好きで、共感や発見を見つけることができるあの場所がすごく好きでした。
しかし、時は令和。私は所属のない個人。
私がインスタントに質問に答えるのはそれに当たるのか、、、?どこかずっと違和感がありました。私は何をもやもやしているのだろう?
レッスン動画ではない
私のYouTubeの動画はレッスン動画ではありません。一つの疑問を解決する方法を紹介する動画です。
レッスンは対話だと思っています。双方に意見を交わしたり、音を交わす場。
あんな動画を出しているから、私の答えを欲しいと思ってくださる方がたくさん質問してくださると思います。でもYouTubeの動画は一つのコンテンツです。多くのクラリネット吹きの方に有益であれ!と思って作っているのですが、それはそれ。
YouTubeのコメントや各種メッセージでいただく質問は全て、音を聴いていない状態ですし、お会いしたことない方ばかりです。しかし、質問者さんがご自身のお悩みを質問してくださって私が返答する、それはもう対話に近づいています。
でも一度のやりとりで端的に答えを求められている。そういう解決方法も勿論あるかもしれません。現実、質問者さんにはほとんどの場合それを求められています。
音も聴かずに、姿も見ずに、それをする難しいです、無理ゲーです。でもまぁ、そういうことは得意なので、それらしく答えることも勿論できますし、答えやすい質問もあります。
しかし、そんなことばかりしていていいのか?とふと立ち止まってしまったんです。
私に質問してくださる方々は丁寧で、「いつも動画見て勉強してます!」「クズシマさんのYouTubeをみてできるようになりました!」などと嬉しいことを言ってくださります。だから答えたいと思って、頑張って答えてしまう‥‥。でも、、、
・私はそんな知恵袋の主みたいなことをしていていいのか?
・それに人生の多くの時間を割いていていいのか?実際プライドと責任があるので、丁寧に(推測でしかないことは言い切らないようにしようとか、あげられるだけの可能性を提示してあげようとか)答えようとすると、光のようにタイピングが速い私でも、めちゃくちゃ時間かかります。
・「音楽の力を借りて文化的な社会をつくる」という私の音楽家としてのミッションはこの行動の先に達成されるのか?
有料サービスは全部対話だった
私は対面レッスン、オンラインレッスンの他に、オンラインのお悩み相談、というサービスや、オンラインのコミュニティクラリネットサークルというサービスを出しています。これらは全て有料です。これらは私の仕事です。
前述した質問に関しても、演奏している動画を送ってくださればそれなりに良い回答ができます。しかし、それはもう無料でやるべきことではありません。実際にそのようなサービスではお金をいただいています。
無料でコンテンツを出していると誤解されがちですが、無料で行っていることとそうでないことを曖昧にしてしまうと、有料サービスを使ってくださっている方に、不信感を与えてしまうので、慎重に行動するようにしています。
無料コンテンツと、有料サービスの線引きは、私の中でどこにあるのか改めて考えてみました。(もちろん、今の時代その線引きをどこに持ってくるかは十人十色です。これらはすべて私の場合の話です)
キーワードは対話でした。
先ほども記したように、レッスンは対話です。お悩み相談も会話を大切にしているので、質問といってもこちらからも質問をすることもありますし、対話の部類に入れても良いでしょう。
クラリネットサークルはメンバー限定の掲示板でのやりとりやオンライン通話がメインなのですが、ここでは私が一方的に何かを教えたり諭すのではなく、メンバーの声を聞くことを一番にしています。サークルの活動のメインは対話です。
質問にも答えていますが、メンバーのことも少しずつ把握できるようになってきているので、そこには信頼関係や対話があります。質問に答えるのは私だけでない場合も多いです。(メンバーも自分の体験をシェアしてくれている)
対話と、対話のようなもの、の狭間でもやもやしていたんだ
私は文章でやりとりするのは割と好きなので、質問を返す行為自体は楽しいです。しかし、「伝わるかな?的外れではないかな?」という不安は消えません。反応も成果も見ることができないんです。
勿論、私の答えが質問者さんのためになったり、悩みの解決の糸口になることもあるでしょう。
でも、誰しも時間は有限です。
音楽家として、コンテンツメーカーとして成長していく過程の私が時間をかけたいのはそこではないし、実際にやるべきことと天秤にかけた時に優先して行うのは難しいなと思いました。少なくとも今の段階では。この先変わってくるかもしれません。
この類の対話のようなそうでないような質問を返すことはできるだけオープンな場でする方が良いと思っています。なぜなら、かつて私が楽しんだTKWOの掲示板のように質問者さん以外の方にもためになったり、楽しんでいただけたりするコンテンツになるからです。
質問内容によって区別するのも曖昧なので、基本DMでは質問返しはしない方向にさせていただきます。各種DMは仕事のご依頼で使用しているので、大切なメールが埋もれてしまうおそれがある…というのもひとつの理由です。
YouTubeにいただいた質問は可能なものは、返していきたいですが、動画と関係のある内容にしていただけると幸いです。
色々なトピックの動画を出しているので、よかったらヒントになりそうなものを探していただけると幸いです!それに加えて疑問が生まれたことに関しては可能な限り喜んでお答えします◎解決したいことの動画がなければコメント欄でリクエストしてみてください!YouTubeの動画はほとんどみなさんの声でできています。
質問を主に答えるのは、今のところは生配信などでおこないたいと考えています。
2月7日(日)生配信でお悩み相談室をします!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
誰に質問していいかわからない時の相手として選んでくださるのは嬉しいことですし、皆さんの疑問は私の勉強にもなっています!感謝してるんです!はじめにも書いた通り自分を頼ってくださるのはとても嬉しいことです。
メールを無視しているような気がして心が痛んだので、長い言い訳を書かせていただきました。
もやもやしている気持ちを言語化してみました。Y
定期的にYouTubeなどで質問に答えるコーナーは作っていくので、その機会にはぜひ!
長い言い訳にお付き合いいただきありがとうございました。
クラリネット吹きのオンラインコミュニティー「クラリネットサークル」についてはこちらから
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?