浅田家！

実在の写真家さんの物語をベースに作られた映画。

二宮和也さん演じる浅田政志が小さい頃にお父さんにカメラを譲ってもらい、写真を撮ることが好きだった。専門学校の卒業制作のために久しぶりに帰ってきた政志はタトゥーに長髪姿(笑)

そんな彼が家族の写真を撮る。それぞれがなりたかった職業ややりたかったことを写真に収め、浅田家ならではのぷっと笑える家族写真を集めた写真集が大きな賞を受賞する。

その写真集をきっかけに日本中から家族写真を撮る依頼を受けるようになり、仕事が軌道に乗り始めた時に東日本大震災が起きる。。

以前に撮った家族が心配で被災地に入った政志が目にしたのは、家を失い、家族を失った人々。そんな彼らを前に写真家の彼はシャッターを切ることができない。

そんな時、避難所で泥だらけになった写真を1枚1枚、寒空の中ドロを落とし、人々の元へ返そうとするボランティアをしている青年に出会う。彼を手伝うために避難所に残った政志は、お父さんの写真を探すある少女に出会う。

『家族写真を撮ってほしい』

浅田家の面白い掛け合いと被災地のやりきれない辛さ、その中にある温かさ。全てまるっと含めて泣けます。

東日本ではないですが、震災にあった人間として震災の辛さ、やりきれなさ、悲しさ、どこにも誰にも向けられない気持ちはどれだけたっても失くなることはありません。

これが自分が被災した震災の話ならもしかしたら観られなかったかもしれない。。震災が絡む話は当事者にとってはそれだけシビアになることもあります。

ただひとつ言えるのは、あの大変な時でもこんなにあたたかい物語があったという事実はたくさんの人に知ってほしい。

震災が絡む部分ももちろん良かったですが、1番印象に残ったのは、病気の息子さんと一緒に写真を撮りたいというご家族のお話でした。番宣にも使われていましたが、シャッターを押す間際の二宮和也さんの一滴の涙。とても綺麗でした。

映画『浅田家！』は、笑って泣けるあたたかい物語。とても大好きな映画になりました。