姿勢分類を4つに分類すると
姿勢分類について
理想的な姿勢は耳垂~外果の前方まで一直線の鉛直線と言われています。
不良姿勢は上記の姿勢から逸脱し、機能低下や筋緊張を引き起こす原因になる。
不良姿勢の結果、関節、靱帯、関節包、筋肉などの組織に負担を与え痛みを引き起こす。
そんな不良姿勢の分類を確認していく。
代表的なものにケンダルの姿勢分類があります。
・カイホロードシス
腰椎前弯、胸椎後弯の増大。頭部前方変位が見られる。
腰椎が前弯し、胸椎が後湾するので、脊柱起立筋、腸腰筋、大腿直筋、大腿筋膜張筋、中殿筋前部繊維などの腰椎伸展筋と股関節屈曲筋群の短縮が見られる。
また、腹筋群、大殿筋、ハムストリングスの筋延長、弱化が起こる。
この姿勢は椎間関節の炎症を起こす。
椎間関節は体幹の伸展で上位椎体の下関節突起と下位椎体の上関節突起が衝突する。
この衝突は伸展を制限しますが、腰椎前弯が増強することで軸圧迫が増加する。
そこに荷重がかかることで痛みを引き起こす。
・ロードシス
全体的な脊柱の後弯である。
頭部前方変位、胸椎後弯増大、腰椎前弯増大、骨盤前傾。
一般的に言う「反り腰」のことです。
胸椎レベルの脊柱起立筋、腸腰筋の短縮、
腹筋群、腰椎レベルの脊柱起立筋、大殿筋、ハムストリングスの弱化。
・スウェイバック
骨盤は前傾or後傾、骨盤前方シフト、股関節伸展、胸椎後弯、下位腰椎の前弯、頭部前方変位を伴う。
ハムストリングス、上部腹筋群、下位腰椎伸筋群の短縮、
股関節屈曲筋群の弱化が起こる。大殿筋の筋出力低下を起こす。
お尻のボリュームが少ないことが多い。
またスウェイバックは臀部の筋緊張を起こしやすく、硬くなった臀部(梨状筋や内閉鎖筋)が骨頭を前方変位させ、股関節を屈曲させた際に臼蓋の前方と骨頭のインピンジメントを引き起こす。つまりの原因にもなる。
・フラットバック
腰仙角の減少、腰椎前弯減少、骨盤後傾、股関節伸展が特徴的。
この姿勢は椎間板の衝撃吸収機能が機能しづらいので負担がかかりやすい。
ハムストリングスの短縮、腰部伸展筋、股関節屈曲筋の弱化を起こす。
脊柱の可動域を獲得する必要がある。
これらの姿勢がメカニカルストレスを増大させて関節に負担をかけている。
負担のかからない姿勢にするには短縮筋のリリース・ストレッチ、弱化筋のトレーニングを行う必要がある。
ただし、
短縮筋→柔軟性を高める
弱化筋→強化する
というだけではあまり効果がありません。
大切なのは、根本の原因を解決することです。
例えば、
大腿筋膜張筋が硬いのでストレッチする。
これはありですが、これだけでは足りません。
大腿筋膜張筋ばかりに負担がかかっているのは中殿筋が使えていない。
中殿筋の強化。
こちらが根本の解決になります。
参考文献
成田 崇矢:脊柱理学療法マネジメント
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