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正しいデジタル化で「はんこ文化」に立ち向かう

自由民主党の「はんこ議連」こと日本の印章制度・文化を守る議員連盟が、はんこ制度の継続を訴えているそうです。緊急事態宣言下における「押印のためだけの出社」が話題になり、その後の「脱はんこ」そ推進する流れが背景にあります。

「はんこ文化」がITを利用した効率化の元では下火になりつつある一方で、アナログに固執する方々もいるようです。

アナログに固執する方々の言い分のひとつとして「デジタル化してかえって効率が悪くなった」という意見があります。ITを利用した効率化のはずが、かえって不便になったというのです。

デジタル化で不便になるのは実際にある話です。例えば「はんこ文化」に関連する「承認フロー」も迂闊にIT化したことで不便になりやすい典型です。

IT化以前は部下が持ってきた書類にその場で目を通して押印するだけでした。これをIT化すると、部下は書類を物理的に持ってこなくなります。上司は承認する以前にWEB上で申請の有無を確認する手間が発生してしまいます。

部下としては自らのタイミングで申請できるので業務効率化を達成しました。一方で上司は業務が増えています。暇を持て余している上司であれば結構ですが、たいていの上司は忙しいものです。場合によっては上司の忙しさが増したことで会社が損をするかもしれません。

この例は上司の確認作業を受け身にすることで改善できます。具体的には「申請があったら通知」させることで改善します。「有無を確認する」業務は多い割に無駄です。システムに「報連相」を徹底させて、ITを部下につける考え方が必要になります。

ちなみにIT化ないしデジタル化で失敗する時は、たいていは手段が目的化してしまっています。本来は業務効率化が目的としてあって、その手段としてIT化ないしデジタル化があります。効率化の結果がデジタル化なのです。デジタル化が先に来てしまうと失敗しやすいです。同様に「はんこ」を絶対悪として扱ってしまうのも危険です。

このような失敗例をもってして「アナログが優秀」と結論付けられるのは残念です。はんこ文化を守りたくなるような方々はこのような失敗例を持ち出して原始的な方法に固執されている印象があります。

私は様々な面において効率化が進むのを望みます。効率化は「時間」という替えがたい価値を生み出すからです。はんこ文化に立ち向かうには、正しい業務効率化を提案し、実践してかなければなりません。

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